sarcasmは、日常生活の会話の中でも時々登場する単語です。ネガティブなイメージが強い単語なため使用の際は注意が必要ですが、知っておくと意外な場面で重宝するでしょう。
今回の記事では、そんなsarcasmの意味や使い方について、具体的な例文もいくつか交えながら分かりやすく解説していきます。記事後半では、使用の際の注意点や語源、類語についても学べる構成です。
「今まで知ってはいたけど、実際にどんな使い方をすれば良いか分からない」そんな方は、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
sarcasmの意味
sarcasmには、名詞として大きく分けて2つの意味が存在します。以下から、それぞれの意味について詳しく解説していきます。
人を傷つける皮肉・辛辣な言葉
最初にご紹介するのは、名詞sarcasmの持つ意味「人を傷つける皮肉・辛辣な言葉」です。
例えば、「彼の話し方は強烈な皮肉に満ちています」、「彼女は明らかに皮肉を込めてそれを彼に伝えました」などの表現にこの意味を活用することができます。
言葉遣いとしての皮肉、あざけり
名詞sarcasmには「言葉遣いとしての皮肉、あざけり」という意味もあります。
例えば、「私はいつも皮肉な言い方をしないようにしています」、「彼は他人の皮肉に全く気づきません」などの文章にこの意味を活用可能です。
sarcasmの発音・読み方
それではここから、sarcasmの発音と読み方を確認していきましょう。
sarcasmの発音記号
発音記号にすると、sarcasmは「sɑ’:rkæzm」と表記されます。
sarcasmの発音・読み方
sarcasmの発音・読み方は、日本語で「サァー(ル)カァズム」となります。
最初の「sɑ’ː」の部分は、「s」を舌先を前歯のすぐ裏の歯茎に近づけ、その隙間から「ス」と発音します。「ɑː」は口を大きく開いた状態で口の奥の方から長めの音を意識して「アー」とします。これらを合わせて、「サァー」の音とします。
「r」は舌先を内側に巻き、口のどこにも触れない状態で日本語のアとルの中間の音を意識して「ル」と出します。
次に「kæ」の部分は、「k」を舌の後ろの部分を上げて上顎の奥に付けて息を一瞬止め、そこから勢い良く舌を離して「クッ」と出します。「æ」は日本語のアとエの中間の音を意識しながら両頬を左右に引っ張って「ア」と発音します。これら2つを合わせると「カァ」の音になります。
「z」は舌先を前歯のすぐ裏の歯茎に近づけ、その隙間から「ズ」と出します。最後に「m」は唇を閉じたまま息を一瞬止め、鼻から出すような意識で「ム」と発音します。
特にs、r、mの音は英語特有の音のため注意が必要です。上記のポイントをリスニングや発音練習に活かしてみてください。
sarcasmの使い方と例文
ここまで、名詞sarcasmの大きく2つに分かれる意味と発音のポイントについて解説してきました。
以下から、まずはsarcasmの使い方を学ぶ際のポイントのまとめと実際の例文についてご紹介していきます。この単語のより実践的な使い方をマスターしたい方はぜひ読み進めてみましょう。
sarcasmの使い方
sarcasmは、先述した通り厳密に言うと「人を傷つける皮肉・辛辣な言葉」、「言葉遣いとしての皮肉、あざけり」と2つの意味の違いがありますが、日本語にするとどちらも「皮肉」という一言で表現されることがほとんどです。
このため、実際に使用する場合は両者の違いにあまり囚われすぎず使用していくのが効率も良くおすすめです。
sarcasmの例文
早速以下から、sarcasmを実際に使用した例文をいくつかご紹介していきます。
新たに学んだ単語はそのまま放っておいたり、単純な暗記に走ったりするのではなく、きちんと例文や会話文という形に落とし込んで暗記した方が脳の記憶にも残りやすいため効率的です。
実際に自分が英語で会話する場面も思い浮かべながら、内容を確認してみてください。
sarcasmを使った例文①
最初にご紹介するのは、名詞sarcasmの持つ意味「人を傷つける皮肉・辛辣な言葉」の意味を活用した例文です。意味は「彼の話し方は強烈な皮肉に満ちています」となります。
会話文例
(彼の話し方は強烈な皮肉に満ちているよね。)
(僕もそう思う。ちょっととげとげしているよね。)
sarcasmを使った例文②
次にご紹介するのも、名詞sarcasmの持つ意味「人を傷つける皮肉・辛辣な言葉」を活用したものです。例文の意味は「彼女は明らかに皮肉を込めてそれを彼に伝えました」となります。
sarcasmに形容詞「evident」を付け加えて修飾しています。
会話文例
(彼女は明らかに皮肉を込めてそれを彼に伝えたの。)
(そうなの?未だに何で彼女はそんなことしなきゃならなかったのか疑問だわ。)
sarcasmを使った例文③
名詞sarcasmが持つ「言葉遣いとしての皮肉、あざけり」という意味を活用すると、「私はいつも皮肉な言い方をしないようにしています」と表現することもできます。
「~を避ける」という意味を持つ動詞の「avoid」を上手く使った表現です。
会話文例
(私はいつも皮肉な言い方をしないようにしているの。)
(恐らくそれは賢明だね。人と争いたくないよね。)
sarcasmを使った例文④
最後にご紹介するのは、名詞sarcasmが持つ「言葉遣いとしての皮肉、あざけり」の意味を活用した例文、「彼は皮肉に全く気づきません」です。
「~を逃す、見逃す」の意味を持つ動詞「miss」を上手く使っています。
会話文例
(ボブは昨日私が言いたかったことが分かってないと思うのよね。)
(彼らしいね。彼、皮肉に全く気づかないから。)
sarcasmを使う際の注意点
sarcasm以外にも日本語で「皮肉」と訳されることの多い英単語に「irony」があります。両者は日本語では同じ表現になってしまいますが、英語でのニュアンスにはそれぞれ違いがあるため注意が必要です。
以下から、この点について詳しく解説していきます。
ironyは対象が自分自身、sarcasmは対象が他人や自分以外のもの
まず、日本語では「皮肉」と訳される両者ですが、英語ではironyは基本的に自分自身に対してあえて面白おかしく表現し、一方でsarcasmは基本的に対象が他人や自分以外に対して使います。
例えば、楽しみにしていたキャンプが悪天候のため中止となってしまった際に「やったぁ!すごく暑い部屋の中でのんびりできる!」と発言した場合、これは自分自身に向けられた皮肉となるため英語ではironyとなります。
一方、食べるのを楽しみにしていたデザートを友達に食べられて「ありがとう!冷蔵庫のスペースを空けなくちゃとちょうど思っていたところなんだ」と言った場合、これは自分以外の相手に向けられた皮肉となるため、英語ではsarcasmとなります。
こののように、「皮肉」と言っても英語ではその対象の違いによってニュアンスの違いが出るので注意が必要です。
また、こちらで挙げたsarcasmの例を見ても分かる通り、自分以外の対象に向けて発言される皮肉の内容は、気を付けないと文字通り辛辣に響き相手を傷つけてしまう可能性もありますので、この点にも注意しましょう。
sarcasmの語源
新たに学んだ英単語の語源を知ることは、その単語への更なる理解に繋がります。以下から、sarcasmの語源について一緒に学んでいきましょう。
sarcasmの語源は後期ラテン語「sarcasmus」
sarcasmの語源は後期ラテン語の「sarcasmus」とされており、この語源には「痛烈な嘲りや口撃、風刺的な発言や表現」という意味がありました。
形も意味も現代のものとほぼ変わらずに変遷をしてきているのが見てれて、非常に興味深いですよね。
sarcasmと意味が似ている単語
以上まで、sarcasmの意味や使い方、発音・使用の際の注意点、語源など幅広い角度から解説を行ってきました。最後に、この単語と意味が似ている単語、いわゆる類語をいくつか取り上げます。
英語で話す際の表現力を磨く上でも、類語を活用していくのは大変有効です。ぜひ最後まで読み進めてみましょう。
banter
最初にご紹介するのは、名詞で「悪気のない才気のある冗談、ひやかし、からかい」などの意味を持つ「banter」です。
日常生活ではそれほど耳にすることはないものの、物語や小説など書き言葉では希に目にすることがある単語です。
banterを使った会話文例
(彼が先日私はとっても頭が良いって言ったんだ。)
(からかわれたのを褒められたのと勘違いしてはダメだよ。)
bitterness
次にご紹介するのは、名詞で「辛辣、嫌味」などの意味を表す「bitterness」です。こちらの類語は日常会話の中でも登場します。
bitternessを使った会話文例
(ただ上司のことが全く信用できないんだ。)
(そう言っては角が立つね)
contempt
最後にご紹介するのは、名詞で「軽蔑、侮辱、侮り」などの意味を表す「contempt」です。sarcasmと比較するとかなり強いニュアンスが強くなります。
contemptを使った会話文例
(彼女が私達にしたことに耐えられないわ。)
(彼女は軽蔑するにも足らないわよ。)
まとめ
いかがでしたか?sarcasmはその単語自体の使用ももちろんのこと、特にアメリカをはじめとする欧米諸国ではそのコンセプト自体が会話の中に持ち込まれることがしばしばあります。
ぜひあなたも当記事内容を参考にしてみてくださいね。
リー 木嶋 実有紀
「英語を使って自分の視野をもっと広げたい!」との思いから、国際関係や異文化理解を学べる学科に進み、カナダの大学に一年間留学。日本で約4年間、公立小学校で英語を教える傍ら、個人英会話教室でも英語を教える。アメリカ人の夫との結婚を機に2014年に渡米。アメリカ・日本にお住いの方に英語レッスンを行う。英語学習歴は15年以上、教授歴は10年。「今からでもすぐに使える、実践的な内容」をお届けします。
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