【経験者が教える】留学が気になりだしたら最初に考えるべきたった1つのこと

2019年11月22日

ペラペラ

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周りは日本人ばかり。なかなか英語だけの環境が作れない。語学力を伸ばすには、やっぱり留学かな・・・

転職にはやっぱり留学がいいのかな・・・

そういえば、この人もあの人も留学に言っている・・・私も行く?

最近「留学」という言葉に敏感なあなた。ちょっと待ってください!会社や学校を突然やめて有り金叩いて海外へ飛び出す前にやってほしいことがあります。

留学はあなたの人生を大きく変えることになります。留学によってあなたの人生のプラスになることもありますし、マイナスになることもあります。

あなたの人生をよりよいものにするために、この記事では「留学」が気になりだしたら最初に考えてほしい、たった1つのことをペラペラ部からお伝えします。思いつきで留学に飛びつく前にぜひ、読んでいただきたい大切なことです。

留学って何?~日本の留学には古い歴史があった!

留学

本題に入る前に、まずは「留学とは何か」を考えてみましょう。

普段「留学、留学」とあちこちで見かけたり、言ったりしますが、意味や定義まで考えたことは意外にないかもしれないですからね。

「留学」を調べてみると・・・

一定期間,外国に行って教育を受け,または研究に従事すること。資金によって国費,給費,私費の別がある。国費による場合は文部科学省の在外研究員であり,給費の場合には自国の公私の諸団体から支給されるものと,相手国の政府や団体によって保証されるものとがある。日本からの海外留学は7世紀初頭,推古天皇によって遣隋使と並行して始まったといわれる古い歴史をもち,その留学生の日本社会に果した貢献は大きい。現在,約 30ヵ国から日本の留学生が給費招致されており,その他,各種の留学生が年ごとに増加している。また諸外国からの日本への留学生も漸増している。

出典:コトバンク

なんと、日本では7世紀初頭に留学がはじまっていたのです。遣隋使の「隋(ずい)」は中国にあった王朝です。そこへ派遣されていたのが遣隋使。そうそう、歴史の授業で習いました。遣隋使は留学生だったのです!

推古天皇(592-628 第33代天皇)は隋へ留学生を4回に渡り派遣しています。隋では学問や仏教などを学び、日本へ持ち帰りました。日本の国づくりや、近隣諸国との関係を保つためです。
これが今の日本の基礎を築いたのですから、留学生たちの貢献は計り知れませんね!

こうしたことから考えると、つまり、留学は「目的を持って外国で勉強や研究をすること」ということになりますね。お楽しみで行く旅行とは違うわけです。たとえその旅行が留学期間より長かったとしても、です。
英語では留学のことを”study abroad”と表現します。Studyには「勉強」「研究」という意味があるので、文字通り「外国で勉強・研究する」ということですね。

このように古代では留学は国のためでしたが、現代では個人が自分のために自由にできるようになりました。「留学」という言葉が気になり始めているあなたには、どんな目的がありますか?留学をすることで、あなたに何をもたらしてくれるのでしょうか。
それを頭の片隅に置いて記事を読み進めてくださいね。

【留学のトレンドをチェック!】みんな、どの国へどんな留学しているの?

国

なんとなく、あなたの留学の目的を考えつつ、次は日本の留学のトレンドをチェックしてみましょう。

2017年の留学生数、留学先、目的

一般社団法人海外留学協議会(JAOS)による日本人留学生数調査2018』調査レポートより調査結果を抜粋、要約して紹介します。
調査はJAOS会員である留学事業者 38 社を対象に実施されました。調査結果は報道・メディア関係に公開されています。

調査結果出典元:http://www.jaos.or.jp/newsrelease

※一般社団法人海外留学協議会(JAOS)とは
1991 年に留学事業の健全な発展と国内の留学啓蒙のために組織された機関。現在、留学サービス事業者を中心に 65 以上の団体が加盟、パートナー会員として、オーストラリア大使館マーケティング事務所、ブリティッシュ・カウンシルなど公的機関も会員になっている。2016 年には JAOS 会員留学事業者から約8万人の日本人が留学している。設立は1991 年(2008 年に一般社団法人格を取得)。

【留学生数】(JAOS調べ)

JAOS(一般社団法人海外留学協議会)の2018年公開の調査データによると、JAOS会員である留学事業者 38 社を対象に実施した調査で2017年の年間留学生数は78,109人だそうです(社会人や小中高校生などを含む)。

※日本全体の留学生数ではありません。また、各調査機関により調査対象に違いがあります。傾向をチェックする参考としてください。

【留学先】(JAOS調べ)

行き先の第1位から第3位までは次の通りです。

第1位:アメリカ(17,894人・22.9%)

第2位:オーストラリア(17,076人・21.9%)

第3位:カナダ(12,573人・16.1%)

4位以下はフィリピン(6,755人)、イギリス(6,648人)と続きます。

※留学渡航国別の日本人留学生数『海外留学協議会(JAOS)による日本人留学生調査2018』より

実際の留学生はもっと多いものと思われますが、傾向として、留学先はアメリカが一番人気、フィリピンの人気が高まってきているようですね。フィリピン留学は最近よく見かけるようになりました。ペラペラ部編集部のティナさんの親戚にもフィリピンに留学したり、働いている日本人が多いようです。

【留学の目的】(JAOS調べ)

留学の目的第1位から第3位までは次の通りです。

第1位:語学留学3か月未満(43,627人・55.9%)

第2位:中学・高校交換留学&私費(15,870人・20%)

第3位:語学留学3か月以上(9,704人・12.4%)

※留学目的別データ『一般社団法人海外留学協議会(JAOS)による日本人留学生調査2018』

語学留学が68.3%、中高生も合わせると88.3%です。ほぼ9割が語学留学ということになりますね。残り1割は専門知識や技術を学ぶための留学、大学や大学院での学位取得、休学の留学という結果でした。やはり、語学力UPを目指して留学する人がダントツのようです。

期間については3か月未満が約半数。短期間であれば、卒業や就業に支障がない場合もあるかもしれません。また、長期で留学に行く前に海外に慣れるためにまずは短期を選択肢もあるでしょう。短期であれば、資金を比較的用意しやすいため、気軽にトライできるという理由もありそうです。

2017年の留学の傾向(JAOS調べより抜粋、まとめ)

  1. アメリカへの語学留学は大きく減少した(2016年:19,024人→2017年17,894人/1,130人減)オーストラリアは335人減
  2. 留学目的別でみると語学留学目的でアメリカに行った人数の減少が一番大きく、881人の減少。ただし、アメリカの大学に学位取得を目指す層は61人増
  3. フィリピンが人気で、イギリスを抜いて4位に。フィリピンへの留学生は2016年調査では3,918人。2年間で2,837人増。JAOSでは企業、大学、高校が研修先にフィリピンの学校を利用するようになったことが理由だと考えている。
  4. 留学目的別では中学、高校への留学が最大の人数増(前回2016年15,200人→2017年15,870人/670人増)JAOSでは日本国内のグローバル化により、自分の子供に教育を受けさせたいと感じる親世代が増加したのが理由だと考えている。

以上、一般社団法人海外留学協議会(JAOS)による日本人留学生数調査2018』調査レポートより調査結果を抜粋、要約してお届けしました。

いかがでしょうか。日本の留学トレンドをチェックすることで、あなたの留学の行き先や目的が少しでもぼんやりイメージできましたか?次はいよいよこの記事の本題!留学で一番大切な「目的」についてお話します。

留学の目的はなぜ重要なの?

留学の目的

この記事でペラペラ部が一番伝えたいことは「まず留学の目的をハッキリさせて!」です。どこの国へいくか、どの大学に行くのか、お金はいくらかかるのか、という情報収集を始めるよりも先に考えてほしいことです。

目的をハッキリさせるなんて当たり前とあなたは思うかもしれませんが、意外にもぼんやりしている人が多いのです。「なんとなく海外の大学へ留学してみるか。就職に箔がつくかもな」とか「日本にいるのは疲れた!自由な海外でのびのび生活したいから、とりあえず留学」と思っていませんか?「そんなボンヤリしてないよ!」と反論できる勢いを、ぜひあなたに持ってほしいとペラペラ部は思っています。

ここでは、なぜ留学の目的をハッキリさせることが重要なのか、3つの観点からお伝えします。

留学が気になりだしたら、すぐにでも情報収集を始めたい気持ちになりますね。立ち止まって考えることは時間がかかるし、面倒です。脳が一番嫌うことですからね。でも、大切なことなので、あなたにはつき合ってくださいね。

1.目的があるからこそ、留学の困難は乗り切れるし、楽しめる

留学をやりとげるには、あなたの強い意志が必要です。なぜかというと、ほぼ全員が確実に留学生活で壁にぶち当たるからです(「ぶち当たる」という表現は本当にぴったり)。そんなときに目的が曖昧だと困難を乗り越えることができず、挫折することになりかねません。

困難を乗り越えたからこそ手に入る楽しさというのは留学の醍醐味でもあります。旅行でのお楽しみとはかなり違い、深く充実したものです。あなたの留学を実りの多いものにするためにも、目的をハッキリさせるのは大切です。

2.目的が曖昧な留学は行き先不明の旅と同じ

例えば、あなたが海外旅行に行くとします。普通はまず目的地と何をしたいかを先に決めます。「ハワイにいってショッピングをとことん楽しもう」とか「アジアの世界遺産巡りをする」などですね。

ここで、筆者の尊敬する方からの例え話を拝借して以下、説明します。

もし、友達からこんなこと言われたらどうでしょう。「明日海外旅行に行くから、成田に来てね。行き先は決めてないけど。」

出発できませんよね?ハワイに行くなら水着がいるかもしれないし、アラスカでオーロラを見るなら防寒着がいる。スキーの道具も持って行ったほうがいいかもしれません。どこに行くか分からないから、とりあえず必要そうなものは全部持っていく・・・?

そして、とりあえず出発。必要そうなものを全部持って行ったのに、行き当たりばったりの目的地では使えるものがなく、仕方なく急遽目的地を変更・・・となると、とてつもなく無駄な旅になることが想像つきますね。そんな旅、あり得ません。

留学の目的も同じこと。「とりあえず留学」とお気楽に現地へ行ってみたものの、語学力が不十分(旅の例でいうと持ち物)で大学の授業についていけず、語学学校を探すハメになるかもしれません。時間もお金もかかりますし、精神的負担も増えてしまいます。目的が曖昧なまま留学してしまうと、無駄が出たり、充実感のないまま過ごすことになります。また、これといって収穫のないまま帰国すると、その後モヤモヤした日々を送ることになってしまいます。

旅で言うところの目的地は留学であなたが手に入れたいものと考えましょう。手に入れたいものをハッキリさせないまま留学に行ってはいけません。ほとんどの人は時間もお金も限られています。限られた貴重な資源で人生に投資するのですから、ぜひ、よいリターンをゲットしてくださいね!

3.留学は手段であって、目的ではない

留学はあなたの目指すものを手に入れるための手段です。「語学力」「他で手に入らない専門技術」「海外で人脈を作る」など人によってそれぞれです。

ここで注意したいのは、留学は手段であって、目的ではないということです。

例えば、会社での会議も同じですね。「収益を上げるための会議」「情報共有するための会議」など、目的があるのです。これが、「毎週月曜日に集まることになっているから、とりあえず会議(会議のための会議)」となると、ダラダラしてしまい、時間とお金を無駄にして何の収穫もありません。そんな会議ならやめてしまった方がいいのです。

留学して目的が曖昧なまま過ごすと、「気楽だから、ついつい日本人だけで集まってしまって結局語学力が伸びなかった」とか、「思ったよりストレスが多くて、こもりきりになり、英語を話す機会がほとんどなかった」など、残念な結果になることもあるのです。

「とりあえず留学しておく」はやめましょう。それでは、貴重な資源を費やしたのに、留学経験が今後の人生にあまり活かせないかもしれません。だから、目的を考えてほしいのです。

次のページ:留学の具体的な目的を考えるための3つのステップ

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英語落ちこぼれ中学時代を過ごしました。「魔女の宅急便」に憧れて「外国に住みたい!」と思うようになり、高校時代は英語を猛勉強。その後アメリカ ウィスコンシン州に留学。商社、メーカーでの貿易業を経てライターに。微妙なニュアンスやイメージが分かりやすい記事をお届けします。

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