anyは、日常会話からビジネスレベルの会話まで様々な場面で使用される単語です。今まで一度は耳にしたことがあるという方がほととんどでしょう。
今回の記事では、そんなanyの意味や使い方について、具体的な例文も交えながら徹底解説していきます。加えて、使用の際の注意点や語源、類語についても学べます。
今までこの単語の意味や使い方をぼんやりとしか掴めていなかったという方は、記事を読み進めることでそれを明確にすることができるでしょう。
ぜひチェックしてみてください。
anyの意味
anyには、形容詞、代名詞、副詞と3つの品詞があり、それぞれの品詞ごとに複数の別の意味が存在します。
当記事では、特に使用頻度の高い形容詞の意味を中心に、それぞれの品詞の中でも覚えておくと便利な意味14個をご紹介していきます。
どんな~でも、どれでも~、誰(何)でも、任意の~
最初にご紹介するのは、anyの形容詞としての意味、「どんな~でも、どれでも~、誰(何)でも、任意の~」です。
通例、単数名詞の前で用いて、肯定文の中で強調を表す役割を果たします。例えば、「どんな従業員でもその仕事はできます」、「どの車にも個性があります」などの例文内、「どんな従業員でも」、「どんな車にも」の部分にanyを活用します。
どれほどの~でも、無限の
anyには、形容詞として「どれほどの~でも、無限の」という意味もあります。しばしば「any number/ amount/ length/quantity of ~」などの形を取るのが特徴です。
例えば、「彼らはお金をいくらでも持っています」、「彼女がどれほどの嘘を隠しているかは分かりません」内、「いくらでも」、「どれほどの」の部分をanyが表します。
いくらでも、いくつでも
次にご紹介するのは、anyの形容詞の意味「いくらでも、いくつでも」です。この意味で用いる際、anyの直後には可算名詞の複数形、もしくは不可算名詞がくるのが通例です。
例えば、「彼は私にいくらでも野菜を持っていくようにと言いました」、「私はいくらでも必要なだけあなたにお金を貸してあげましょう」内、「いくらでも」、「必要なだけ」の部分がanyに当たります。
全ての
anyには形容詞として「全ての」という意味もあります。この場合も通例、可算名詞の複数形、又は不可算名詞が直後にきます。
例えば、「もし良い中古車を見たらぜひ連絡してください」、「もし水を手にいれたらぜひ溜めておいてください」内、「もし良い中古車を見たら」、「もし水を手に入れたら」の部分にanyを活用します。
少しも~ない、何も~ない、誰も~ない
次にご紹介するのは、anyの形容詞としての意味、「少しも~ない、何も~ない、誰も~ない」です。
この意味で使用する場合、文は否定文、anyは可算名詞の複数形、又は不可算名詞の前に置きます。
例えば、「彼女は本を全く持っていません」、「彼はお金を少しも持っていません」内、「全く持っていません」、「少しも持っていません」部分にanyを配置します。
いくらも~ない
anyを否定文で使用した場合、形容詞として「いくらも~ない」という意味も表します。
例えば、「私は数時間、少ししか歩けませんでした」、「彼は数週間、少ししか食べることができませんでした」内、「少ししか歩けませんでした」、「少ししか食べることができませんでした」の部分にanyを活用できます。
いくらかの~、何人かの
anyには、形容詞として「いくらかの~、何人かの」という意味もあります。この意味で使用する場合、主に疑問文・条件節で可算名詞の複数形、又は不可算名詞の前で使用するのが普通です。
例えば、「あなたには東京に住んでいる友達が何人かいますか?」、「あなたにはいくらお金がありますか?」内、「何人かいますか?」、「いくらかお金がありますか?」の部分をanyが表します。
何か一つの、誰か一人の
anyの形容詞としての最後の意味としてご紹介するのは、「何か一つの、誰か一人の」です。この意味で使用する場合、可算名詞の単数形の前に付けるのが普通です。
例えば、「私が借りることのできる本が何かありますか?」、「助けて頂ける方が誰かいますか?」内、「何かありますか?」、「誰かいますか?」の部分にanyを活用しましょう。
何でも、誰でも、どれでも、いくらでも
次にご紹介するのは、anyの代名詞としての意味、「何でも、誰でも、どれでも、いくらでも」です。
この意味でanyを使用する場合、文は肯定文でany of~の形、もしくはすでに話題に出た名詞を省略する形で使用します。
例えば、「彼女は前任の誰よりもその仕事を上手くできます」、「彼はその例の中のどれにも当てはまりません。」などの文章内、「前任の誰よりも」、「その例の中のどれにも」の部分でanyを活用できます。
何も、誰も、少しも
anyには、代名詞として「何も、誰も、少しも」という意味もあります。
この意味で使用する場合は、文は否定文で、肯定文の際と同じくany of~の形、又はすでに話題に出た名詞を省略する形で使用します。
例えば、「それらのうちどれも欲しくありません」、「彼女はこれらの人のうち誰も知りませんでした」内、「それらのうちどれも」、「これらの人のうち誰も」の部分をanyが担います。
何が、誰か、いくらか、多少
anyの代名詞の最後の意味としてご紹介するのは、「何か、誰か、いくらか、多少」です。
この意味での使用の場合は文は疑問文・条件節となり、肯定文、否定文の場合と同じくany of~の形、もしくはすでに話題に出た名詞を省略する形で使用可能です。
例えば、「これらのペンのうちどれか欲しいものがありますか?」、「もしこれらを必要であれば、連絡してください」内、「これらのペンのうちどれが」、「これらを必要であれば」の部分にanyを活用します。
少しも~ない
副詞としてanyには「少しも~ない」という意味があります。この意味で使用する場合、否定文で使用します。
例えば、「彼女は少しも気分が良くなっていません」、「彼の体調は少しも改善しませんでした」内、「少しも気分が良くなっていません」、「少しも改善しませんでした」の部分にanyを配置しましょう。
少しでも、いくらか
anyには、副詞として「少しでも、いくらか」という意味もあります。この場合、文は疑問文・条件節となります。
例えば、「彼女の気分は少しでも良くなりましたか?」、「もし少しでも体調が改善したら、私に連絡をください」内、「少しでも良くなりましたか?」、「少しでも体調が改善したら」の部分にanyを活用できます。
少しは、少しでも
anyの最後の意味としてご紹介するのは、副詞としての意味「少しは、少しでも」です。この意味は特にアメリカの口語表現としてよく知られており、動詞を修飾します。
例えば、「それは彼を少しも助けはしないでしょう」、「それは少しも足りないでしょう」内、「少しも助けはしないでしょう」、「少しも足りないでしょう」の部分にanyを活用しましょう。
anyの発音・読み方
それではここから、anyの発音と読み方を確認していきましょう。
anyの発音記号
発音記号にすると、~は「éni」と表記されます。
anyの発音・読み方
anyの発音・読み方は、日本語で「エニィ」となります。
最初の「é」の音は、日本語のエの音を意識しながら唇を左右に大きめに開け、「エ」と発音します。
次に、「n」は舌先を前歯のすぐ裏の歯茎に付け、一瞬息を止めて鼻から出すようにして「ヌ」と発音した後、「i」は日本語のエとイの中間の音を意識しながら、この2つの音を同時に言うような意識で「ィ」と発音します。
今回のanyの発音は、そのほとんどが日本語に近い音で構成され、全体の音自体も短いため取り組みやすいと言えるでしょう。ぜひご紹介したポイントを参考に、発音の練習もしてみてください。
anyの使い方と例文
ここまで、形容詞の意味を中心としてanyの主な意味と発音のポイントについてまとめてきました。
以下から、まずanyの使い方を学ぶ際のポイントと具体的な使い方について詳しく解説していきます。anyをより実践的に活用していきたいという方は読み進めてみてください。
anyの使い方
anyは特に頻出の形容詞の使い方を覚え、その後にそれぞれが表すコアな意味はさほど変わらない、代名詞・副詞の代表的なものの使い方を覚えていくのがおすすめです。
今回は、それぞれの品詞と形ごとにカテゴリー分けして分かりやすく解説していきます。
anyの例文
早速、具体的な例文を交えながらanyの使い方を学んでいきます。
新たに学んだ単語はそのままの暗記だけで終わせず、具体的な例文まで落とし込んで暗記しておくと後で使えるチャンスが高まります。
ぜひ自分だったらどんな場面でこの例文を応用するだろう?というより具体的な視点を持ちながら以下の内容を活用してみてください。
anyを使った例文①
最初にご紹介するのは、anyの形容詞の意味「どんな~でも、どれでも~、誰(何)でも、任意の~」を含む例文です。例文の意味は、「どんな従業員でもその仕事はできます」となります。
単数名詞のworkerの直前にanyを置くのがポイントです。
会話文例
(君はこれをできるかね?)
(もちろんできますよ!どんな従業員でもその仕事はできますよ!簡単です!)
anyを使った例文②
anyの形容詞の意味、「どれほどの~でも、無限の」を活用したこの例文は、「彼らはお金をいくらでも持っています」という意味になります。
anyの後に何らかの量を表す際に使用する「amount (of) ~」と続けるのがポイントです。他にもtime, water, energyなど文脈によって様々な言葉を応用できます。
会話文例
(彼らはお金をいくらでも持っているよ。)
(ああ、そうだろうね。世界でも有数の成功した企業だもんね。)
anyを使った例文③
次にご紹介するのは、anyの形容詞の意味「いくらでも、いくつでも」を活用したものです。意味は、「彼は私にいくらでも野菜を持っていくようにと言いました」となります。
今回の例文のようにvegetablesのような可算名詞の複数形、又はmoneyなど不可算名詞の直前に配置しても同じ意味を表せます。
会話文例
(最後に彼に会った時、彼は君に何て言ったの?)
(彼は私にいくらでも野菜を持っていくようにと言ってくれたの。本当に助かったわ。)
anyを使った例文④
anyの形容詞の意味「少しも~ない、何も~ない、誰も~ない」を活用したこの例文の意味は、「彼女は本を全く持っていません」となります。
この意味での使用の場合も、例文内booksのような可算名詞だけでなく不可算名詞と共に使用することも可能です。
会話文例
(ハニー、本か何かでも読んだらどう?)
(彼女は読めるような本を全く持ってないのよ。持ってく来るの忘れちゃったので無理なのよ。)
anyを使った例文⑤
次にご紹介するのは、anyの形容詞としての意味「いくらかの~、何人かの」の意味を含む例文です。意味は、「あなたには東京に住んでいる友達が何人かいますか?」となります。
この意味と使い方は、日常生活レベルの会話でも非常にポピュラーです。先と同じく、可算名詞・不可算名詞どちらにも使えます。
会話文例
(東京に住んでいる友達が何人かいる?)
(ちょっと待って。うーん、そうは思わないわ。誰もいないわね。)
anyを使った例文⑥
anyの代名詞としての意味、「何でも、誰でも、どれでも、いくらでも」の意味を活用したこの例文は、「彼女は前任の誰よりもその仕事を上手くできます」という意味になります。
この例文内のanyは代名詞なので、この言葉には「others / other workers」という言葉とその意味が含まれています。
会話文例
(彼女は前任の誰よりもその仕事を上手くできます。)
(あなたの会社は素晴らしい従業員を見つけたようですね!)
anyを使った例文⑦
最後にご紹介するのは、anyの副詞の意味「少しも~ない」を含む例文です。例文の意味は、「彼女は少しも気分が良くなっていません」となります。
betterという形容詞の直前に付いて、その状態を強調しています。
会話文例
(彼女はどんな感じ?気分は良くなった?)
(いいや、彼女は少しも気分が良くなっていないよ。少なくとも数分前に彼女はそう言っていたよ。)
anyを使う際の注意点
anyを使う際の注意点として、someとの使い分けとその例外について知っておく必要があります。下記から、この点について詳しく解説していきます。
人に何かを勧めたり依頼したりする際は疑問でもsomeを使う
中学校の英語の授業で、someとanyの使い分けを学んだという方も多いでしょう。基本的には、someは肯定文で、anyは否定文・疑問文で使用するのが原則ですが、例外もあります。
それが、人に何かを勧めたり、依頼したりする場合の疑問文ではsomeを使うというものです。例えば、飲食店で「お水はいかがですか?」とお客さんに聞く場合、「Would you like some water?」とsomeを使うのが正解です。
また、「お水を頂けますか?」の場合も、「Could I have some water? 」とします。いずれも文章の形は疑問文ですが、内容が何かを人に勧める、もしくはお願いするなのでsomeを用いるのです。
このように、疑問文ではあるものの、回答者がYesと答えることを前提とした文章では、anyではなくsomeを使うという例外も存在します。
日本語と同じく、英語も大体のルールは決まっていますが、時にはそれに当てはまらない例外もあります。ぜひそのポイントも押さえてsomeとanyを上手く使いこなしていきましょう。
anyの語源
英単語の語源を学ぶことは、その単語に対する更なる理解を深めることにも繋がります。以下から、anyの語源について分かりやすくまとめていきます。
anyの語源は古英語「anig」
anyの語源は、古英語の「anig」とされています。この語源には、「どの」という意味があります。そこから変遷を遂げた後、「どれかひとつの」という意味に変化していきました。
語源の形や意味も現代のものとさほどかけ離れていないのが興味深いポイントです。ちなみに、anyは名詞としては12世紀から、形容詞としては14世紀からの使用が認められています。
anyと意味が似ている単語
以上まで、anyの意味や使い方、発音・使用の際の注意点などについて詳しく解説してきました。最後に、anyと意味が似ている単語、いわゆる類語をご紹介します。
表現力豊かな会話を実現するためにも、同じ概念を違う言葉で表現できるようにしておくことは大変重要です。
ぜひあなたも以下の内容を参考にして、語彙力と表現力UPを目指してみましょう。
whatever
今回、any類語としてご紹介するのは、「~するものは何でも、~するものは皆」の意味を表す「whatever」です。
anyの形容詞としての意味「全て」、代名詞としての「何でも、どれでも」の意味の類語として活用できます。
whateverを使った会話文例
(好きな飴をどれでもあげるよ。)
(本当に?ありがとう、スミスさん!)
まとめ
いかがでしたか?anyには品詞が形容詞、代名詞、副詞と3つ存在しますが、日常生活で英語を話す上で特に覚えておくとよいのは形容詞の意味です。
someとの使い分けなど注意すべきポイントはありますが、使い方をマスターできると会話の幅もグンと拡がります。
ぜひ当記事内容を参考にして、あなたもanyを活用してみてください。
リー 木嶋 実有紀
「英語を使って自分の視野をもっと広げたい!」との思いから、国際関係や異文化理解を学べる学科に進み、カナダの大学に一年間留学。日本で約4年間、公立小学校で英語を教える傍ら、個人英会話教室でも英語を教える。アメリカ人の夫との結婚を機に2014年に渡米。アメリカ・日本にお住いの方に英語レッスンを行う。英語学習歴は15年以上、教授歴は10年。「今からでもすぐに使える、実践的な内容」をお届けします。
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