asは、品詞も意味も非常に多いですが、日常会話の中でも良く登場する馴染み深い単語です。今まで、この単語を書く・話すなどの場面で何度も使用してきたという方も多いでしょう。
今回の記事では、そんなasの意味と使い方について解説していきます。記事後半では、使用の際の注意点やこの単語の語源、類語についても学べる内容です。
asをもっと実用的に活用していきたい!という方はぜひ参考にしてみてください。
asの意味
asには副詞、接続詞、代名詞、前置詞と4つの異なる品詞が存在します。以下から、最も意味が多い接続詞の意味を中心に約20個の意味をそれぞれご紹介します。
~と同じ程度に、同様に、同じくらい
最初にご紹介するのは、asの副詞の意味「~と同じ程度に、同様に、同じくらい」です。通常「as~as~」の形で使用され、この意味は厳密に言うと1つ目のasの意味になります。
例えば、「彼女はあなたと同じくらいの背の高さです」、「できるだけ早く折り返しの電話をください」などの表現にこの意味を活用できます。
~と同じく、~と同様に、~のように、~ほど
次にご紹介するのは、「~と同じく、~と同様に、~のように、~ほど」というasの接続詞としての意味です。
実はこの接続詞としての意味の使用は、先にご紹介した。「as~as~」の形の文の中に出てきた2つ目のasの意味です。
このため、例文としては先と同じ「彼女はあなたと同じくらいの背の高さです」、「できるだけ早く折り返しの電話をください」などの表現の中で使用可能です。
~のように
次にご紹介するのは、asの接続詞の意味「~のように」です。この意味で使用する場合は、しばしば頭韻を踏む言葉を使用し、形は「as~as」となります。
何らかの状況や状態を強調して表したい際に使用すると効果的です。例えば「彼は今本当に忙しいです」などの例文に活用できます。
~するほどに
「~するほどに」という意味もasが接続詞として持つ意味の一つです。文の形は「so~as to do」となります。
例えば、「その女性は親切にも私のことを助けてくれました」、「彼は寛大にもその男にランチをご馳走しました」などの文の中でこの意味を活用可能です。
~のように、~のままで
次にご紹介するのは、asの接続詞の意味「~のように、~のままで」です。何かの様態・状態を表す表現として機能します。
例えば「あなたの好きなようにしなさい」、「彼女は自分の好きなように生きました」などの文でこの意味を活用してみましょう。
~のように、~と同じように
asは接続詞として「~のように、~と同じように」という意味も持ちます。この時、文の形は「as~so~」となり、相関的に用います。
例えば「時間はすぐに過ぎてしまうように、あなたの若さもすぐに老いに変わってしまいます」などの表現にこの意味と文の形を活用可能です。
~している時、~した途端に、~しながら
asには接続詞として「~している時、~した途端に、~しながら」という意味もあります。この意味は、日本の英語の教科書などでも頻繁に取り上げられる形ですので馴染み深い方も多いでしょう。
例えば「彼女が話しているところへその男はやってきました」、「私たちが食事をしているところへある荷物が届きました」などの形で使えます。
~の頃に、~の時には
次にご紹介するのは、asの接続詞の意味「~の頃に、~の時には」です。しばしば主語・述語が省略された形で用いられます。文法書によっては、この意味を前置詞とみるものもあります。
例えば「彼は子供の頃とても頭の良い子でした」、「私は小さい頃おてんばでした」などの表現に活用できます。
~につれて、~に従って
「~につれて、~に従って」もasの接続詞としての意味です。比例を表す表現として活用できます。
例えば「私たちが上に登るにつれて、空気が冷たくなります」、「忙しくなるにつれて、体の疲れも増していきます」などの形で使用可能です。
~だから、~ゆえに
接続詞asには「~だから、~ゆえに」という意味もあります。この意味は同じく接続詞で直接の理由を表すbecauseに比べ、軽く付帯的な理由を述べる際に用います。
ただ、becauseに比べると意味に曖昧さが残るため、アメリカではasではなくbecauseかsinceが好んで用いられる傾向にあります。
例えば「子供が疲れてきていたので、間もなく引き返しました」、「天気が悪くなってきたので、早めに帰宅することにしました」などの形で活用できます。
~ので
次にご紹介するのは、asの接続詞の意味「~ので」です。文の形は「形容詞・副詞+as~」を取り、原因・理由を表します。
例えば「若かったのだから、彼女がそんなバカなことをしてしまったのには無理はありません」などの表現で使用すると効果的です。
~だけれども、~ながらも
接続詞としてのasには「~だけれども、~ながらも」という意味もあります。この意味で使用する際も「形容詞・副詞+as~」の形を取り、意味としては譲歩を表します。
例えば「彼は歳こそ若かったですが、無事その試験に合格しました」などの例文内でこの意味を活用可能です。
どんなに~してみても
「どんなに~してみても」という意味も接続詞asが持つ意味です。文の形は「原型動詞+as +主語+mayなどの助動詞」となるのが通常です。
例えば「どんなに努めてみても、彼を説得するのは容易なことではないということにあなたは気づくでしょう」などの例文に活用してみましょう。
~のような
次にご紹介するのは、asの接続詞の意味「~のような」です。形容詞節を導き、直前の名詞の概念を制限する働きをします。
例えば「私たちが知っている車の起源は、何十年も前にさかのぼることができます」などの表現内で使用できます。
~のところによる
「~のところによる」もasの接続詞が持つ意味です。しばしば形容詞、過去分詞、前置詞を伴って直前の名詞の概念を制限します。
例えば「私の母が伝えるところによる私たち家族の歴史は、どうやら非常に複雑なようです」などの例文内で活用可能です。
~ということを
asの接続詞の最後の意味としてご紹介するのは、「~ということを」です。この意味は口語でしばしば使用され、否定の形のknow、say、seeの目的語として機能します。
例えば「私にはできないかもしれません」、「彼女には想像がつきません」などの文で活用すると効果的です。
~のような
asの代名詞としての一つ目の意味としてご紹介するのが、「~のような」です。文の形は「such、もしくはthe same+as~」となります。
例えば「あなたの健康に悪いような食べ物を食べるのは良くありません」などの文にこの意味を活用できます。
それは~だが
代名詞asには「それは~だが」という意味もあります。前後にある主節全体を先行詞として捉え、非限定的な意味を付与したい際に使用できます。
例えば「それは彼女のアクセントで分かったことですが、彼女はアメリカ人ではありませんでした」などの文でこの意味を使用可能です。
~として
asの前置詞としての意味の一つ目としてご紹介するのは、「~として」です。この意味でのasの使用は代表的なものなのですでに知っているという方も多いでしょう。
例えば「彼女は素晴らしいマネージャーとして知られています」、「彼は素晴らしい父親として生きました」などの形で活用できます。
~と、~だと
次にご紹介するのは、asの前置詞の意味「~と、~だと」です。asの後には名詞だけでなく、形容詞や分詞を用いることもあります。
例えば「多くの人は彼女のことを素敵なママだと認識しています」、「私は彼のことを怠け者だと思っています」などの表現内で使用できます。
例えば~のような
asの最後の意味としてご紹介するのは、前置詞の意味「例えば~のような」です。同じ意味を表すsuch asの形の方が一般的にではありますが、as単独でこの意味で使用されることも希にあります。
例えば「ある種の動物、例えばライオンやトラは毎日相当な量の食事を必要とします」などの例文内で活用してみましょう。
asの発音・読み方
それではここから、asの発音と読み方を確認していきましょう。
asの発音記号
発音記号にすると、asは「əz」と表記されます。
asの発音・読み方
asの発音・読み方は、日本語で「アズ」となります。
まず、最初の「ə」の部分は口をあまり大きく開かない状態で、弱く曖昧に「ア」と発音します。
「z」の部分は舌先を前歯のすぐ裏の歯茎に近づけ、その隙間から息を出すような意識をしながら「ズ」と出します。
asはとても短い単語で単独の音に分解してもさほど難しい発音の音は含まれていません。ぜひ上記ポイントを押さえて何度か練習してみてください。
asの使い方と例文
ここまで、asの副詞、接続詞、代名詞、前置詞としての意味をそれぞれご紹介してきました。
以下から、まずはasの使い方を学ぶ際のポイントまとめと具体的な例文について解説していきます。asをより実用的に活用してきたい!という方はぜひ読み進めてみてください。
asの使い方
asは先にご紹介してきた通り品詞も4つ存在し、それぞれ異なる意味を持つため、まずは意味の多い接続詞の中の汎用性の高いものから使い方を整理していくという方法がおすすめです。
また、それぞれの意味が日本語にすると似通ってしまうものも多いため、意味と文の形を上手に紐づけながら暗記していくという方法もおすすめです。
ぜひそれぞれの品詞、意味、文の形をしっかり確認しながら、汎用度の高いものから順に整理していきましょう。
asの例文
早速以下から、他品詞と比べ意味の多い接続詞を使った例文から順にasの具体的な例文を解説していきます。
新たに学んだ単語は、形と意味を単独で覚えるのではなく、例文や会話形式の形に落とし込んで暗記した方が記憶にも残りやすいという特徴があります。
ぜひあなたも、自分だったら以下の例文をどんな状況で活用・応用するだろう?という視点の持って学びを進めてみてください。
asを使った例文①
最初にご紹介するのは、asの副詞の意味「~と同じ程度に、同様に、同じくらい」、接続詞の意味「~と同じく、~と同様に、~のように、~ほど」を活用した例文です。
文の形は「as~as~」となり、例文の意味は「彼女はあなたと同じくらいの背の高さです」となります。
この「as~as~」の文は同格表現として良く使用されますので覚えておくと便利です。
会話文例
(彼女の背はどれくらいですか?)
(あなたと同じくらいです。)
asを使った例文②
次にご紹介するのは、asの接続詞の意味「~のように」を活用した例文です。例文の意味は「彼は今本当に忙しいです」となります。
この例文内beeは忙しく動き回る、働くものの象徴として使われており、busyと頭韻を踏んでいます。文の形は「as~as」です。
何らかの状況や状態を強調して表したい際に使用すると効果的です。
会話文例
(最近彼はどうしてる?)
(彼は本当に忙しくしてるわ。)
asを使った例文③
次にご紹介するのは「~するほどに」というasの接続詞としての意味を活用した例文です。例文の意味は「その女性は親切にも私のことを助けてくれました」となります。
文の形は「so~as to do」を取ります。誰かの行動・行為を起点にその人の印象や状態を表現したい際に活用してみましょう。
会話文例
(その女性は親切にも私のことを助けてくれたんです。)
(ラッキーな一日を過ごしたみたいですね!)
asを使った例文④
asの接続詞の意味「~のように、~のままで」を活用すると、何かの様態・状態を表す表現をすることができます。
例えば例文のように「あなたの好きなようにしなさい」という表現をすることが可能です。as you wish、as you wantなどの表現も良く使われます。
会話文例
(父さん、僕はどうすべきかな?)
(好きなようにしなさい。お前はまだ若いんだから。)
asを使った例文⑤
次にご紹介するのは、asの接続詞の意味「~している時、~した途端に、~しながら」を活用した例文です。
例文の意味は「私が話しているところへある男がやってきました」となります。
類似する意味を表す他の接続詞にwhenなどがありますが、それらとの意味の違いは後述の注意点の部分で詳しく解説します。
会話文例
(先週末のパーティーで何かおもしろいことがあったって?)
(そうなのよ。私が話しているところへある男がやってきたの。)
asを使った例文⑥
asの接続詞の意味「~の頃に、~の時には」を活用すると、「彼は子供の頃とても頭の良い子でした」という表現もできます。
この主語・述語が省略されてたas a childの部分は「when he was a child」と置き換えることもできます。
会話文例
(彼は子供の頃とても頭の良い子でした。)
(そのようですね。)
asを使った例文⑦
次にご紹介するのは「どんなに~してみても」というasの接続詞の意味を活用した例文です。文の形は「原型動詞+as +主語+mayなどの助動詞」となるのが普通です。
例文の意味は「どんなに努めてみても、彼を説得するのは容易なことではないということにあなたは気づくでしょう」となります。
会話文例
(どんなに頑張っても、彼を言いくるめるのは簡単ではないと気づくよ。)
(少なくともやってみようと思うよ。)
asを使った例文⑧
「~のところによる」というasの接続詞の意味を活用すると、「私の母が伝えるところによる私たち家族の歴史は、どうやら非常に複雑なようです」という表現もできます。
この例文のように、形容詞、過去分詞、前置詞を伴って直前の名詞の概念を制限します。
会話文例
(私の母が伝えるところによると、私たち家族の歴史はどうやらとても複雑なようなんです。)
(それは興味深いですね。)
asを使った例文⑨
asの代名詞の意味「~のような」を活用したこの例文は、「自分の健康に良くないと思うような食べ物を食べるのは良くありません」という意味を表します。
文の形は「such、もしくはthe same+as~」を取ります。
会話文例
(毎晩ポテトチップスを食べるのをやめるべきだと思うんだ。単純にヘルシーじゃないよね。)
(自分の健康に良くないと思うような食べ物を食べるのは良くないよ。)
asを使った例文⑩
次にご紹介するのは、asの代名詞の意味「それは~だが」を活用した例文です。例文の意味は「それは彼女のアクセントで分かったことですが、彼女はアメリカ人ではありませんでした」となります。
この例文のように、前後にある主節全体を先行詞として捉え、非限定的な意味を付与したい際に使用します。
会話文例
(彼女のアクセントで分かったんだけど、彼女はアメリカ人ではなかったね。)
(うん、私も彼女はイギリス人だと思った。)
asを使った例文⑪
asの前置詞としての意味「~として」を活用すると、「彼女は素晴らしいマネージャーとして知られています」という表現もできます。
この意味でのasの使用は日常会話でも非常に良く使われます。
会話文例
(あそこで話している女性は誰ですか?)
(ああ、あれはケイトよ。素晴らしいマネージャーとして知られているわ。)
asを使った例文⑫
最後にご紹介するのは、asの前置詞の意味「~と、~だと」を活用した例文です。例文の意味は「多くの人は彼女のことを良い母親だと思っています」となります。
この例ではasの直後に名詞が来ていますが、他にも形容詞や分詞を置くこともあります。
会話文例
(彼女はとても良い母親のようですね。)
(彼女は実際にそうです。多くの人が彼女のことを良い母親だと思っています。)
asを使う際の注意点
asは時を表す接続詞として「~している時、~した途端に、~しながら」などの意味で使用する際、他の時を表す接続詞との意味や使い方の違いに注意をする必要があります。
以下から、この点について詳しく解説していきます。
時を表す他の接続詞when、whileとの区別をしっかりつけよう
特にas以外で時を表す接続詞であるwhen、whileと意味や使い方の区別をしっかりつけるようにしましょう。
whenは日本語にすると「~する時」となりますが、asはwhenよりも2つの出来事がちょうど同時期に起きたという同時性を強調したニュアンスを表します。
whileは「~する間」という日本語訳が示す通り、asと同じく何かが進行している間という2つの出来事の同時性を表すため、asとほぼ同じ意味を表します。
ここで挙げたas、when、whileなどの時を表す接続詞は日本語に訳すと全て「~の時」となってしまい、英語本来のニュアンスの違いが分からなくなってしまいがちです。
同じような表現でも、話し手や書き手がどの単語を使用しているか?によって微妙に表現される意味やニュアンスも変わってきます。
ぜひ上記のポイントを参考に、それぞれの意味と使い方の違いを再度確認してみてください。
asの語源
英単語の語源を知ると、その単語への更なる理解が深まります。以下から、asの語源について学んでいきましょう。
asの語源は古英語の「alswa」
asの語源は、古英語「alswa」だとされています。この語源には「かなりそう、完全にそう」、「全てそう」などの意味があり、1400年頃までにその使用が完全に確立されました。
この語源の形は、alsoとも近いのが特徴です。現代のasの形とも類似した点があるのがおもしろいですね。
asと意味が似ている単語
以上まで、asの意味や使い方、使用の際の注意点や語源について詳しく解説してきました。最後に、asと意味が似ている単語、いわゆる類語をいくつかご紹介します。
英語で表現力豊かな会話を実現するためにも、語彙力UPは必須です。ぜひasの元々の意味と他類語の意味を対比しながら、以下の内容も読み進めてみてください。
during the time that
最初にご紹介するのは、「~の間に」の意味を表す「during the time that」です。that以下に具体的な状況を置いて表現することが可能です。
asの接続詞としての意味「~している時、~した途端に、~しながら」の類語として活用できます。
during the time thatを使った会話文例
(彼が会社にいる間に、その事件は起こったんだ。)
(本気でですか?それは恐ろしい!)
like
次にご紹介するのは、前置詞で「~のような、~に似た」という意味を表す「like」です。
この類語はasの前置詞の意味「~のような」と同じ意味で使えますが、よりカジュアルな響きを持ちます。
likeを使った会話文例
(彼女はどんな人なの?)
(彼女は素晴らしい女性だよ。みんな彼女のことが好きさ。)
since
最後にご紹介するのは、接続詞で「~だから、~ゆえに」の意味を表す「since」です。asの接続詞の意味「~だから、~ゆえに」の意味の類語として使用可能です。
sinceを使った会話文例
(もうお金がないので、家に帰らなきゃならないよ。)
(それは残念だなぁ!)
まとめ
asは今まで何度も実際に使用したことがあるという方も多いと思いますが、4つある品詞のそれぞれの意味を個別に見ていくと、実に幅広い意味と使い方があることが分かります。
ぜひ自分が英語を使う際に活用できそうなものから順に覚えていき、類語も合わせて活用してみてください。
リー 木嶋 実有紀
「英語を使って自分の視野をもっと広げたい!」との思いから、国際関係や異文化理解を学べる学科に進み、カナダの大学に一年間留学。日本で約4年間、公立小学校で英語を教える傍ら、個人英会話教室でも英語を教える。アメリカ人の夫との結婚を機に2014年に渡米。アメリカ・日本にお住いの方に英語レッスンを行う。英語学習歴は15年以上、教授歴は10年。「今からでもすぐに使える、実践的な内容」をお届けします。
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