whomは、複数の異なる意味を持ち何となく意味が掴みにくい単語としても知られています。あなたも今まで、「何となくでしか使いこなせていない」そんな風に感じたことがありませんか?
今回の記事では、そんなwhomの意味や使い方について詳しく解説していきます。記事後半では使用の際の注意点や語源、類語についても学べる構成です。
「今まで何となくあやふやに理解していた単語の意味や使い方をしっかり掴みたい」そんな方はぜひ最後までチェックしてみてください。
whomの意味
whomには大きく分けて疑問代名詞として、そして関係代名詞としての意味があります。更にそれぞれに大きく分けて2つずつ意味があります。
これらの意味について以下から早速確認していきましょう。
誰を、誰に
まずwhomには疑問代名詞で動詞の目的語を表す「誰を、誰に」という意味があります。
この意味を活用すると例えば「その時誰に電話したんですか?」、「彼女は誰と話していたんですか?」などの文を作ることができます。
誰
whomには同じく疑問代名詞として前置詞の目的語を表して「誰」という意味もあります。
例えば「この手紙は誰宛てですか?」、「昨日スーパーで誰と話していたんですか?」などの表現をすることが可能です。
~するところの
次にご紹介するのは、whomの関係代名詞・制限用法の意味「~するところの」の意味です。この意味で使用する場合、必ず先行詞は人となりますが、口語での会話ではしばしば省略されるという特徴があります。
例えば、「そのパーティーで誰か知っている人に会いましたか?」、「私は一緒に公園に行った男の人を知りません」などの形で活用できます。
そしてその人に、その人を
whomには関係代名詞の非制限用法としての意味「そしてその人に、その人を」という意味もあります。この意味で使用する場合、whomの前にコンマを置くというルールがあります。
例えば、「ケンのことは10年以上知っていますが、彼はとても信頼できる人物です」、「私は5人に英語を教えていますが、その中の1人はとても流暢に話します」などの形で活用します。
whomの発音・読み方
それではここから、whomの発音と読み方を確認していきましょう。
whomの発音記号
発音記号にすると、whomは「hú:m」と表記されます。
whomの発音・読み方
whomの発音・読み方は、日本語で「フゥーム」となります。
まず、「húː」の部分は「h」を息を吐きながら「ハ」と発音します。「uː」は唇を丸めて前に突き出し、長めの音を意識しながら「ウー」と出します。これらの音を組み合わせて、「フゥー」と発音します。
「m」は唇を閉じた状態で息を一瞬止め、鼻から音を出すような意識で「ム」とします。
特にhとmの音は英語特有の音なので、上記のポイントを押さえて何度も発音練習を重ねると効果的です。
whomの使い方と例文
ここまで、whomの疑問代名詞、関係代名詞と大きく2つに分けたそれぞれの意味と発音のポイントをご紹介してきました。
以下からは、まずwhomの使い方を学ぶ際にポイントのまとめと具体的な例文をいくつか解説していきます。より実践的にこの単語を使っていきたいという方は読み進めてみてください。
whomの使い方
whomは、疑問代名詞、関係代名詞という大きなカテゴリーごとにある複数の意味をしっかり区別しながら、それぞれの意味を的確に掴むように意識して使い方を整理すると効果的でしょう。
単語の形は同じでもどの文脈で使われているかによって意味が変わってくるという点も踏まえながら整理していきましょう。
whomの例文
早速以下から、whomの実際の使い方を具体的な例文を交えながら詳しく解説していきます。
新たに学んだ単語はそのまま単独の形で覚えるのではなく、例文というより具体的な形で覚えた方が実際の会話でも活用できるチャンスが増えます。
ぜひ自分だったらどんな会話で活用するかな?という視点を持って読み進めてみてください。
whomを使った例文①
最初にご紹介するのは、whomの疑問代名詞で動詞の目的語を表す「誰を、誰に」という意味を活用した例文です。例文の意味は「その時誰に電話したんですか?」となります。
動詞の目的語と聞くと難しく感じるかもしれませんが、この例文であれば「あなたは電話した。誰に?」と考えるとcallという動詞の目的語がwhomに当たることが理解できますね。
会話文例
(その時誰に電話したの?)
(結局チャーリーに電話したんだ。)
whomを使った例文②
whomの疑問代名詞としての前置詞の目的語を表しす「誰」という意味を活用すると、例文のように「この手紙は誰宛てですか?」と表現することもできます。
この前置詞の目的語という機能も「誰に当てた手紙なのか?」を考えると「に」の部分が前置詞のtoに当たることが見えてきます。
会話文例
(この手紙は誰宛てですか?)
(それはボス宛てだと思うな。)
whomを使った例文③
次にご紹介するのは、whomの関係代名詞・制限用法の意味「~するところの」の意味を活用した例文です。例文の意味は「そのパーティーで誰か知っている人に会いましたか?」となります。
先述した通りこの意味で使用する場合、必ず先行詞は人となりますが、口語での会話では普通省略されるという特徴があります。
会話文例
(そのパーティーで誰か知っている人に会いましたか?)
(いいえ。そこでは誰も知らなかったんです。)
whomを使った例文④
次にご紹介するのもwhomの関係代名詞・制限用法の意味「~するところの」の意味を活用した例文です。「私は一緒に公園に行った男の人を知りません」という意味を表します。
こちらも文の形としてはまず先行詞に人を置き、口語ではwhomがしばしば省略されます。
会話文例
(一緒に公園に行った男の人知らないんだけど。)
(私もよ。一体誰なのかしらと不思議に思っていたわ!)
whomを使った例文⑤
最後にご紹介するのは、whomの持つ関係代名詞の非制限用法としての意味「そしてその人に、その人を」を活用した例文です。意味は「ケンのことは10年以上知っていますが、彼はとても信頼できる人物です」となります。
この意味で使用する場合、whomの前にコンマを置くというのが特徴です。
会話文例
(ケンのことは10年以上知っているんだが、彼はとても信頼できる人物なんだ。)
(待てよ。私も彼のことを知っているような気がするな。ABCコーポレーションで働いている人だっけ?)
whomを使う際の注意点
ここまで詳しくwhomの意味や使い方をお伝えしてきましたが、実は実際の会話の中でこの言葉を使用する際には知っておくべき注意点があります。
以下から、この点について解説していきます。
実際の会話では似た単語「who」を使う人がほとんど
実は実際の会話、特にカジュアルな会話の場面では英語ネイティブでも本来ならwhomを使用すべきところを疑問詞で「誰」の意味を表す「who」を使うことがほとんどです。
私もアメリカに住んでいてこれまで現地の人がwhomを口語で使っているのを聞いたことはほとんどありません。理由は、皆さんもお分かりの通りどちらの単語も単語・意味共に似ており、文脈で使用の区別を付けるのがネイティブにとっても厄介だからです。
もちろん、ビジネスや何かしら公式な文書など書き言葉で使用する際にはしっかり両者を区別して使用するのが望ましいですが、会話の上では気にし過ぎることのないよう注意するのが良いと言えます。
このように、実際に会話では文法上の正しさよりも便利さ、気軽さが優先されることはよくあります。念頭に入れておくと良いでしょう。
whomの語源
単語の語源を学ぶと、その単語に対する更なる興味や理解が生まれ、学習の後押しをしてくれます。以下から、whomの語源について一緒に学んでいきましょう。
whomの語源は古英語「hwam」
whomの語源は、古英語の「hwam」とされています。whomは元々、whoの動詞の直接目的語として機能する名詞格として使用されていました。
パッと見た見た目だけでは語源と現代の単語の形にあまり共通点は無さそうに見えますが、語源を発音してみると現代のwhomの発音にも通じるところがある点がおもしろいですよね。
whomと意味が似ている単語
ここまでwhomの意味や使い方、発音・使用の際の注意点や語源について詳しく解説してきました。最後に、whomと意味が似ている単語をご紹介します。
今回ご紹介するwhomの類語はしっかり意味を区別しておかないと逆に混同しやすい単語ですので、それを念頭に置きつつ読み進めてみてください。
who
疑問代名詞として「誰が」、関係代名詞として「~する人、~するのは」などの意味を表すのが「who」です。基本的には文中の主語・主格を担う役割を果たし、この点が常に目的語・目的格となるwhomとの違いです。
whomよりもwhoの方が汎用性が高いと言えます。
whoを使った会話文例
(彼女は誰?)
(私の姉だよ。ニューヨークに住んでるんだ。)
まとめ
whomは口語での会話では省略されたりwhoに置き換えられたりすることの多い単語ですが、特に書き言葉などの場面では正しく使えると便利な単語です。
ぜひあなたも当記事内容を参考にして今一度使い方を整理してみてください。
リー 木嶋 実有紀
「英語を使って自分の視野をもっと広げたい!」との思いから、国際関係や異文化理解を学べる学科に進み、カナダの大学に一年間留学。日本で約4年間、公立小学校で英語を教える傍ら、個人英会話教室でも英語を教える。アメリカ人の夫との結婚を機に2014年に渡米。アメリカ・日本にお住いの方に英語レッスンを行う。英語学習歴は15年以上、教授歴は10年。「今からでもすぐに使える、実践的な内容」をお届けします。
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