「except」という単語は、学生の時に習ったことのある言葉として、その存在を覚えている方も多いでしょう。「~を除いて」という意味を表す便利な言葉として知られています。
この記事では、そんなexceptについて、意味や使い方を中心に徹底解説してきます。発音のポイントや、意外と見落としがちな使用する際の注意点についても学べる内容です。
今まで釈然としなかったexceptの意味や使い方を整理し、英会話に活かすことができるでしょう。あなたもぜひ、チェックしてみてください。
exceptの意味
今回取り上げるexceptには、大きく分けて4つの意味が存在します。そのうちの3つは品詞、1つはイディオムという形の違いによって、各々の意味を整理していくのがおすすめです。
以下から、前置詞、接続詞、動詞、最後にイディオムのexceptの意味を解説していきます。
前置詞:~を除いては、~以外は、~でなければ
最初にご紹介するのは、exceptの前置詞としての意味です。前置詞として使用される場合、しばしば強い除外の観念を込めた意味で使用されます。
例えば、「彼を除いて、全員が学校に来た」、「そこ以外、どこも今日は天気が良い」などの文章内、「を除いて」、「以外」にexceptがあたります。
この意味でexceptを使用する場合、ほとんどの文中に「every」、「all」など全体を表す表現が共に使用されます。
接続詞:~であること以外は、~という事実を別にすれば、~ということがなければ
次にご紹介するのは、exceptの接続詞としての意味です。品詞が接続詞なので、しばしば直後にthat節を用いて節が伴います。
例えば、「そこに車があったということ以外、私は何も知らない」、「大きすぎるということはあるが、大丈夫だろう」などの例文内、「ということ以外」、「ということはあるが」の部分に、接続詞のexceptを置きます。
~から除く、除外する
意外と思われる方が多いかもしれませんが、実は、exceptには動詞としての意味もあります。動詞として使用する場合、直後に名詞・代名詞を置いて他動詞として使用します。
例えば、「私達は、彼の名前をリストから外すことを考えている」の文章内、「外す」の意味を他動詞のexceptが担います。
ただ、exceptの前置詞や接続詞、イディオムでの使用に比べると、この動詞の意味での使用頻度はそれほど高くありません。
~の点を除いては、~を別にすれば、~がなければ、~がなかったら
最後にご紹介するのは、前置詞の意味のexceptを用いたイディオムの形、「except for」が表す意味です。
例えば、「いくつかの点を除けば、その本は完ぺきだ」、「嫉妬心を別にすれば、彼は素敵な男性だった」などの文章内、「いくつかの点を除けば」、「を別にすれば」がイディオム、「except for」で表現できます。
意味は最初にご紹介した、前置詞として単独で使用するexceptとほぼ同じですが、使い方が異なります。
この詳細については、記事後半の「exceptを使う際の注意点」の項目をチェックしてみてください。
exceptの発音・読み方
それではここから、exceptの発音と読み方をチェックしていきましょう。
exceptの発音記号
発音記号で表すと、exceptは「iksépt」となります。
exceptの発音・読み方
exceptをカタカナ読みにすると、「イクセプトゥ」となります。
まず、最初の「i」の音は、日本語の「イ」と「エ」の中間の音を意識して出します。次に、「k」は舌の後ろの部分を引き上げ、上顎の置く部分につけてた後、素早く舌を引き離して勢いよく「クッ」と出します。
「sé」はまず「s」を舌の先を前歯のすぐ裏の歯茎に近づけ、その隙間から息を出すような意識で「ス」と出します。「e」は、日本語の「エ」とほぼ同じ音で、口を左右に開ける意識で出すと上手くいくでしょう。
「p」の音は、唇を閉じた状態で一瞬息を止め、その状態から勢いよく唇を破裂させて出します。最後に、「t」は舌の先を前歯の裏の歯茎につけ、素早く「トゥ」と発音します。
特に「k」や「t」、「p」の音は日本人にとっては馴染みのない音です。これらの音を中心に、何度も繰り返し練習して発音のコツを掴みましょう。
exceptの使い方と例文
ここまで、exceptの大きく分けた4つの意味と、発音のポイントについてまとめてきました。
以下から、まずexceptの使い方のポイントのまとめ、次に実際の会話にも使える例文をご紹介していきます。
exceptを会話の中でもっと実践的に活用していきたいという方は、ぜひチェックしてみましょう。
exceptの使い方
exceptは、4つの意味を日本語にすると、どれも同じような響きに聞こえてしまいます。そのため、品詞や形ごとに整理して使い方を覚えるのがおすすめです。
ここでは前置詞、接続詞など、その品詞や形ごとに分けて、それぞれの使い方・例文を確認していきます。
exceptの例文
それでは以下から早速、品詞・形ごとに分けながら、例文を確認していきましょう。
新たに学んだ単語は、実際の会話でも使う例文の形で暗記すると、脳にも記憶として定着しやすく便利です。
自分の身の回りのどんな場面でこの例文を活用することができるだろう?と自問しながら、自発的な姿勢で学んでみてください。
exceptを使った例文①:前置詞
exceptの前置詞の意味でご紹介するこの例文は、「ジョシュ以外はみんな来た」という意味を表します。
例えば、ネイティブの友達に、自分が用事があって行けなかったパーティーの様子を尋ねるとします。
「昨日のパーティーにはみんな来た?」という質問に対する回答として、活用してみましょう。
会話文例
(それで、昨日のパーティーはどうだった?みんないたんでしょ?)
(ジョシュ以外はみんな来たよ。彼は何か急用ができたって言って姿を現さなかったんだ。)
exceptを使った例文②:接続詞
次にご紹介する例文は、「私は、その駐車場に車があったという以外は、何も知らない」という意味を表します。exceptを接続詞として使用しています。
例えば、ある事件について、警察官に情報提供するよう求められたとします。その際、自分が知っている情報を正確に伝える表現として、以下のように活用できます。
会話文例
(そこであなたが見たことを教えて頂けますかね?)
(私は、その駐車場に車があったという以外は、何も知りません。誰も見ませんでしたよ。)
exceptを使った例文③:動詞
次にご紹介するのは、exceptを動詞として使用した例文です。意味は、「私達は、彼の名前を名前リストから外す必要があった」となります。
冒頭の意味紹介でもお伝えした通り、日常会話でexceptを動詞として使用するのはごく稀です。
前置詞、接続詞、イディオムとしての使い方を覚えた後に、余裕があれば以下のような動詞としての使い方も覚えられるとよいですね。
会話文例
(リストで彼の名前を見つけられないんだけど。どうして?)
(彼の名前をリストから外す必要があったんです。彼はしばらくジムに来ていないんでね。)
exceptを使った例文④:イディオム
最後にご紹介するのは、exceptのイディオム表現、「except for」を使用した例文です。意味は、「この本は、いくつかの間違いを除けば完璧だ」となります。
誰かに、最近読んだ本の印象について尋ねられた際などに活用してみましょう。ちなみに、同じ意味で「Except for a few mistakes, this book is perfect.」と例文を書き換えることも可能です。
会話文例
(彼の最新刊についてどう思うんだい、タケシ?)
(この本は、いくつかの間違いを除けば実に完璧だよ。)
exceptを使う際の注意点
冒頭の意味紹介の部分でもお伝えした通り、exceptを使う際に注意したのは、exceptを前置詞として単独で使用する場合と、「except for」をイディオムの形で使用する際の違いです。
以下から、上記の注意点について詳しく解説していきます。
単独のexceptとイディオムexcept forの混同
まず、exceptを前置詞として単独で使用する場合のルールを確認していきましょう。
exceptが「in」、「on」など前置詞の直前、また「when」、「before」などの接続詞の直前に来る場合、exceptを単独で使用します。以下の例文が、その例です。
前置詞直前でexceptが単独で使用される例
(食事エリア以外での喫煙は可能。)
接続詞直前でexceptが単独で使用される例
(彼女はビデオゲームをする時以外は静かです。)
一方、名詞や名詞句が直後に来る場合は、イディオムの形の「except for」を使用します。
イディオムexcept forが使用される例
(私は浴室以外の家中全てを掃除しました。)
以上をまとめると、前置詞の意味でexceptを単独で使用する際は、その直後に前置詞か接続詞が、イディオムexcept forで使用する際は、直後に名詞・名詞句、代名詞がきます。
日常会話で使用する際は、もちろん例外もあり、どちらの形でも使用可能なケースもあります。
基本的には、except以下に来る品詞を見極め、どちらを使用するのが適当か判断するように意識してみましょう。
exceptの語源
英単語に隠された語源を理解することで、その単語への理解が深まり、実際の英語での会話にも活用しやすくなります。以下から、exceptの興味深い語源について学んでいきましょう。
exceptの語源はラテン語のexとcapio
exceptの語源は、ラテン語の「ex」と「capio」です。
まず、「ex」は、ラテン語で接頭語として「~から外へ、~の外に、~から離れて」という意味を表します。
「capio」は、ラテン語で動詞として「取る、捕らえる、理解する」という意味で使われてきました。
上記2つのラテン語の語源の意味を重ねると、現代のexceptが持つ意味、「~除いては」、「~を除外する」などとの繋がりが見えてきます。
expectと意味が似ている単語
ここまで、expectの意味や使い方、使用する際の注意点などについて詳しく解説してきました。最後に、expectと意味が似ている単語(類語)をいくつかご紹介します。
類語も覚えて語彙のバリエーションを増やしておくと、ネイティブとの会話も表現豊かなものになります。
ぜひあなたも、今回ご紹介する類語を合わせて活用してみてください。
other than
前置詞で用いた場合のexpect、expect forの意味、「~を除いては」と同じ意味を表す言葉として、「other than」が挙げられます。
直後に名詞や代名詞を配置して使用することがほとんどですが、以下の例文のように、文頭で使用することも可能です。
other thanを使った会話文例
(ところで、そのレストランはどうだった?)
(ちょっと高かったね。それ以外は、素晴らしかったよ。)
take out
次にご紹介するのは、動詞のexceptの代わりになる類語表現です。「take out」は、「~を取り出す、持ち出す」という意味を表します。
日常会話のレベルでは、「何かをどこかから除く、取り出す」と言いたい場合、こちらのtake outを使用する方が自然です。
take out使った会話文例
(私のブラウスからそのインクの染みを取り除いて頂けませんか?)
(もちろんです。ご期待に沿えるよう、やるだけやってみましょう。)
exclude
excludeも、動詞のexceptの代わりの類語として使用できます。take outやexceptよりも、硬めのニュアンスが伝わります。
excludeを使った会話文例
(それで、彼女は前回ここにいた時に結局、どうしたの?)
(このカーテンで通りの雑音を遮断しなければならなかったんだ。)
まとめ
いかがでしたか?今回の記事では、exceptの意味や使い方、使用する際の注意点について詳しくご紹介してきました。
品詞ごとに異なる意味を持ちますが、主に前置詞・接続詞、そしてイディオムとしての使用例を覚えておくと、日常会話でも活躍する場面の多い、便利な単語です。
当記事内容を参考にして、ぜひあなたもexceptを活用してみてください。
リー 木嶋 実有紀
「英語を使って自分の視野をもっと広げたい!」との思いから、国際関係や異文化理解を学べる学科に進み、カナダの大学に一年間留学。日本で約4年間、公立小学校で英語を教える傍ら、個人英会話教室でも英語を教える。アメリカ人の夫との結婚を機に2014年に渡米。アメリカ・日本にお住いの方に英語レッスンを行う。英語学習歴は15年以上、教授歴は10年。「今からでもすぐに使える、実践的な内容」をお届けします。
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