insteadは、副詞やイディオムの形で日常会話でもよく使用される言葉です。特に海外ドラマや映画の中の会話で、この言葉を耳にしたことがあるという方も多いでしょう。
今回の記事では、そんなinsteadの意味や使い方について具体的な例文を使って詳しく解説していきます。これに加え、発音のポイントや使用の際の注意点についても学べます。
この記事を読めば、今まで釈然としなかった言葉の意味や使い方がクリアになり、より積極的に会話で活用することが可能となるでしょう。ぜひチェックしてみてください。
insteadの意味
insteadには、副詞として大きく分けて2つの意味と、「instead of」というイディオムの形での意味があります。
以下から、それぞれの品詞と意味ごとに分けて分かりやすくご紹介していきます。
副詞:その代わりとして
まず、insteadの副詞としての意味として、「その代わりとして」が挙げられます。
例えば、お店で買い物をする際に「代わりにこれをください」、「代わりにこちらにします」と言いたい場合の「代わりに」にあたる部分が「instead」です。
副詞:それよりも、むしろ
insteadには、副詞で「それよりも、むしろ」という意味もあります。
例えば、「それよりもこちらが良いと思います」、「むしろ私は疲れてしまいました」などの文章内、「それよりも」、「むしろ」がこのinsteadにあたります。
日本語には、同じく「それよりも」という言葉を使い、比較の意味で例えば「それよりも私はこちらが好きだ」と表現すう場合があります。しかし、この場合はinsteadではなく、比較級「~than…」を使用するのが適当です。
この点については、記事後半のinsteadの使用上の注意点について詳しくご紹介します。
イディオム:~の代わりに、~しないで、~するどころか
insteadを「instead of….」のイディオムの形で使用すると、「~の代わりに、~しないで、~するどころか」という意味を表せます。
例えば、「彼の代わりに彼女を雇いました」、「彼女は休むどころか働き続けた」などの文章内、「彼の代わりに」、「休むどころか」にイディオム「instead of」を使用します。
前置詞ofの後に名詞や代名詞、動名詞の形を置けば簡単に文章が作れるため、日常生活よく使用されるイディオムです。
insteadの発音・読み方
それでは以下から、insteadの発音と読み方を確認していきましょう。
insteadの発音記号
発音記号にすると、insteadは「instéd」と表記されます。
insteadの発音・読み方
insteadの発音・読み方は、日本語で「インステッド(ゥ)」となります。
まず、「in」の部分は、日本語のエとイの間の音を意識して「i」の発音をした後、舌の先を前歯のすぐ裏の歯茎につけ、息を一瞬止めた後に鼻から音を出すような意識で「ン」と言うことで「n」の音とし、これらを合わせて「イン」と発音します。
次に、「sté」の部分は舌の先を前歯のすぐ裏の歯茎近づけ、その隙間から息を抜くような意識で「ス」と発音し、「s」の音にします。
「té」は舌の先を前歯のすぐ裏の歯茎につけ、息を一瞬止めてから勢いよく「トゥ」と音を出すことで「t」の音とし、唇を左右に少し大きめに開きながら、日本語の「エ」の音を意識して出した「e」を組み合わせて発音します。
最後に、「d」は、舌の先を前歯のすぐ裏の歯茎につけ、息を一瞬止めてから勢いよく「ドゥ」と出すような意識で「ド(ゥ)」と発音します。
特に、アクセントが「e」に来ること、日本語にない「n」、「t」、「d」などの音に注意して発音の練習をしてみてください。
insteadの使い方と例文
ここまで、insteadのイディオムの形も含む3つの意味と発音のポイントについてご紹介してきました。
以下から、まずはinsteadの使い方を学ぶ際のポイントのまとめと、この言葉を使った具体的な例文について詳しく解説していきます。
insteadを実際の会話の中で活用していきたい方は、ぜひ参考にしてみましょう。
insteadの使い方
insteadは、意味ごとに分けて使い方を整理していくのがおすすめです。
副詞としての2つのそれぞれの意味、イディオムの形での意味に分けて使い方を確認していきましょう。
insteadの例文
早速以下から、意味ごとに使い方を具体的な例文を交えながらご紹介していきます。
新たに学んだ単語を、単語のままだけではなく具体的な例文の形で学ぶと、会話で応用できる確率が上がります。
自分だったら、この例文をどんな場面で使用するかな?他の場面でも応用するとしたら、どうアレンジするだろう?など、ぜひより具体的な視点を持って読み進めてみてください。
insteadを使った例文①
最初にご紹介するのは、insteadの副詞の意味である「代わりに」を用いた例文です。意味は、「代わりにこれをもらえますか?」です。
例えば、あるお店で手に入れようと思っていた商品が見当たらず、代わりの商品を購入する場面などで活用することができます。
会話文例
(申し訳ありませんが、お探しの商品は今日は売り切れです。)
(そうですか。代わりにこれをもらえますか?)
insteadを使った例文②
次にご紹介するのは、insteadの副詞としてのもう1つの意味である「~どころか」を活用した例文です。意味は、「むしろ私は疲れました」となります。
例えば、友達から誘われて出かけてパーティーについて聞かれた際に、その感想について述べる場合に使用できます。
会話文例
(昨夜のパーティーはどうだった?楽しかった?)
(むしろ疲れたよ。ある女性がいて、よくしゃべるんだ。ちょっとやりすぎだったね!)
insteadを使った例文③
最後にご紹介するのは、insteadのイディオムの形を使用した例文です。意味は、「彼はただ家にいる代わりに出かけた」となります。
この例文のように、イディオムinstead of の後には、stayingなどの動名詞の形を置くことができます。
会話文例
(お父さんは?今日は一日中家にいるんだと思ってたけど。)
(ただ家にいる代わりに出かけたわ。やっぱり退屈になったんじゃないかしらね。)
insteadを使う際の注意点
insteadを使う際に注意したいのは、比較級の意味を表す「~than…」との使い分けです。insteadは、2つの異なるものについて話す場合に使用しますが、厳密に言うと比較の意味は含まれません。
以下から、この点について詳しく解説していきます。
比較級との混同
先述の通り、insteadには比較の意味は含まれません。そのため、例えば何か2つのものを比較して「Aの方がBより~だ」という意味の文章を作る場合、比較級を活用する必要があります。
例えば、「このコーヒーは昨日飲んだものよりおいしい」と言いたい際は、比較の意味を含んでいるため、
と表します。
特にinsteadの意味を「~するどころか、むしろ」の意味で使用する際、その日本語の響きから比較級の使用を想像しやすいですが、あくまでもinsteadには「何かの代わり、代替の」という意味しかありません。
上記のポイントをしっかり押さえて、比較級の表現と混同しないように注意しましょう。
insteadの語源
新たに学習する単語の語源を知ることで、その単語への理解がより深まり、会話でも活用しやすくなります。以下から、insteadの語源について、探っていきましょう。
insteadの語源は中期英語「ine」と「stade」
insteadの語源は、中期英語の「ine」と「stade」とされています。ineは「中に」、stadeは「誰かが占めている地位」という意味を表す言葉でした。
特に2つ目の語源であるstadeの起源を更に遡ると、ゲルマン祖語ので「場所、位置」という意味の「stadiz」、印欧語根で「立つ、立ち上がる、位置する」を意味する「steh-」にたどり着きます。
これらの意味を読み解くと、insteadの語源には「何かが占めていた場所に」というコアな意味が存在することが分かります。
この意味は、現代の副詞やイディオムの形で使用される際のinsteadの意味と似ていますよね。
insteadと意味が似ている単語
ここまで、insteadの意味や使い方、使用の際の注意点についてまとめてきました。最後に、insteadと意味が似ている単語、類語をいくつかご紹介していきます。
会話のマンネリ化を避けるためにも、類語を覚えて最大限活用していくことは大変有効です。ぜひあなたも類語を上手く会話に取り入れながら、表現のバリエーション豊かな会話を楽しんでみてください。
alternatively
最初にご紹介するのは、「alternatively」です。副詞で、「その代わりに」という意味を表します。意味の上ではinsteadとほぼ同じですが、この類語を使用した際、聞き手により硬いイメージが伝わります。
以上の理由から、話し言葉の場合はビジネスや公式の場で、あるいはメールや文書などの書き言葉でより好んで使用されます。
alternativelyを使った会話文例
(その会社は我々が先月提案した契約に合意しましたか?)
(まだです、これは私の推察ですが、彼らは代わりに他の会社からそのアイテムを買うのではと考えています。)
on the contrary
次にご紹介するのは、「on the contrary」です。意味は、「それどころか、とんでもない」となります。
insteadの持つ「~するどころか」という意味の類語として使用できますが、こちらの表現の方がより強調の意味が強く、また聞き手により硬いイメージが伝わります。
on the contraryを使った文例
(それどころか、彼はそのホテルに留まることに決めました。)
rather
最後にご紹介するのは、「rather」です。この類語は、「むしろ」という意味を表し、insteadの「~するどころか」の類語として使用できます。
ratherはinsteadと同じく、日常レベルの会話でも多く使用されます。覚えておくと便利な単語のうちの1つと言えます。ぜひ色んな場面で活用してみましょう。
ratherを使った会話文例
(数時間休みを取るかい?)
(いや、むしろそのまま続けたいよ。気分もだいぶ良くなってきたし、ありがとう。)
まとめ
いかがでしたか?insteadは、単独の副詞の形、イディオムの形両方で日常生活でもよく使用される便利な言葉です。
使用上の注意点に留意し、類語まで活用できるようになると、会話でのバリエーションを増やすこともできます。あなたも記事内容を参考に、ぜひinsteadを活用してみてください。
リー 木嶋 実有紀
「英語を使って自分の視野をもっと広げたい!」との思いから、国際関係や異文化理解を学べる学科に進み、カナダの大学に一年間留学。日本で約4年間、公立小学校で英語を教える傍ら、個人英会話教室でも英語を教える。アメリカ人の夫との結婚を機に2014年に渡米。アメリカ・日本にお住いの方に英語レッスンを行う。英語学習歴は15年以上、教授歴は10年。「今からでもすぐに使える、実践的な内容」をお届けします。
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