matterは、複数の名詞の意味と動詞の意味を持つ単語です。日常生活レベルの会話の中でも時々登場する単語なので、耳にしたことがあるという方も多いでしょう。
今回の記事では、そんなmatterの意味や使い方について詳しく解説していきます。記事後半では発音する際、使用する際のポイントについても学べます。
ぜひチェックしてみてください。
matterの意味
matterには、大きく分けて名詞、動詞の2つの意味があります。特に名詞としての意味は多く、可算名詞・不可算名詞合わせて10個の意味があります。
ここでは、その中でも特に覚えておくと良い意味を厳選し、名詞の意味を7個、動詞の意味を1個の合計8個の意味をご紹介していきます。
問題、事、事柄
最初にご紹介するのは、matterです。直後に「of」を付けて使用することが多く、例えば「それは死活問題です」などの文中、「問題」の部分にmatterを活用します。
原因となる事柄、~の種
matterは、可算名詞として「原因となる事柄、~の種」という意味も持ちます。この意味で使用する場合、直後に「for」、または「of」を置きます。
例えば、「多くのお金が何もメリットなしにそのプロジェクトに注がれたことは遺憾です」内、「遺憾です」の部分にmatterを活用できます。
物事、事態
次にご紹介するのは、matterの複数形の可算名詞の意味です。この場合、matterは「matters」と複数形の意味で用い、漠然とした物事、事態という意味を指します。
例えば、「彼はいつも物事を安易に考えます」内、「物事を安易に考えます」の部分にmatterを活用可能です。
困ったこと、厄介なこと
matterの可算名詞の最後の意味としてご紹介するのが、「困ったこと、厄介なこと」という意味です。この意味で使用する場合、matterは主語にならないという前提があります。
例えば、「どうしたの?」という表現にこの意味のmatterを使用します。この意味での使用は、日本の英語の教科書にも出てくる表現なので馴染みのある方も多いでしょう。
物質、物体
matterには、不可算名詞として「物質、物体」という意味があります。ここでの物質、物体は、精神世界と対照して、目に見える世界を構成しているものを指します。
例えば、「物質は個体、液体、気体として存在することができます」内、「物質は」の部分にこの意味のmatterを活用します。
~質、~素、~体、~物
不可算名詞として、matterには「~質、~素、~体、~物」という意味もあります。例えば「それらはどちらも有機物質からきています」内、「有機物質」の一部にこの意味のmatterを活用しましょう。
重要なこと
matterの名詞としての最後の意味としてご紹介するのは、不可算名詞として使用する際の「重要なこと」です。この意味で使用する場合、通例「no matter」の形を取ります。
例えば、「彼女が来ようが来まいが、どうでも良いことです」内、「どうでも良いことです」の部分がこの「no matter」の部分に当たります。
問題となる、重要である
最後に、matterの動詞としての意味、「問題となる、重要である」をご紹介します。この意味で使用する際、進行形・命令形にはならないというのが通例です。
例えば、「それは全く問題になりません」内、「問題になりません」の部分にmatterを活用可能です。
matterの発音・読み方
それではここから、matterの発音と読み方を確認していきましょう。
matterの発音記号
発音記号にすると、は「mæ’tər」と表記されます。
matterの発音・読み方
matterの発音・読み方は、日本語で「マァタァ(ル)」となります。
最初の「mǽ」の部分は、まず「m」を唇を閉じて息を一瞬止めた状態で、鼻から出すような意識で「ム」と出します。次に「ǽ」はアとエの中間の音を意識して、両頬を左右に引っ張り、口を横に開けて「ア」と発音します。
「tə」はまず「t」の音を舌先を前歯のすぐ後ろの歯茎に付け、一瞬息を止めた状態で勢いよく「トゥ」と発音します。「ə」は口を大きく開けることなく、曖昧で弱い音を意識しながら「ア」と出します。
最後に、「r」は舌先を内側に巻いて、口のどこにも触れずに「ア」と「ル」の中間の音を意識して「(ル)」と出します。
特に「tə」の音は、実際の会話になると音の変化が起こり、文字から少し離れる音になるため、注意が必要です。ぜひ何度も発音の練習を重ねてみてください。
matterの使い方と例文
ここまで、matterの名詞・動詞としてのそれぞれの意味と、発音のポイントについて解説してきました。
以下から、まずはmatterの使い方を学ぶ際のまとめと、具体的な例文について学んでいきましょう。
matterの使い方
先述した通り、matterには特に名詞としての意味が多いため、それぞれの意味を混同してしまいがちです。
これを避けるためには、それが可算名詞か、不可算名詞か、単数か複数かなど形と意味をリンクさせて使い方を理解する方法がおすすめです。
matterの例文
早速以下から、意味と形ごとに整理しながらmatterの具体的な例文を見ていきましょう。ちなみに、ここでは名詞を使った例文を、より汎用度の高いもののみに絞ってご紹介していきます。
新たに学んだ単語は、必ず例文の形に落とし込んで意味と使い方を理解するようにしましょう。こうすることで、実際の会話する場面にしっかり備えることができます。
matterを使った例文①
最初にご紹介するのは、matterの可算名詞としての意味、「問題、事、事柄」を使った例文です。例文の意味は、「それは死活問題です」となります。
可算名詞なので直前に「a」を付ける形にします。
会話文例
(僕は自分の仕事のために英語を上達させる必要があると思う?)
(それは死活問題だよ。)
matterを使った例文②
次にご紹介するのは、可算名詞の「原因となる事柄、~の種」という意味を活用した例文です。
意味は、「多くのお金が何もメリットなしにそのプロジェクトに注がれたことは遺憾です」となります。こちらの例文でも、matterを可算名詞として扱うため、直前に「a」を配置します。「a matter of regret」の部分が「遺憾だ」という意味になります。
会話文例
(多くのお金が何もメリットなしにそのプロジェクトに注がれたことは遺憾です。)
(私も全く同じ意見です。)
matterを使った例文③
matterの可算名詞の意味を用いた最後の例文として紹介するのが、「どうしたの?」という意味を表す例文です。これは、「困ったこと、厄介な」というmatterの意味を活用しています。
この意味で使用する場合、普通主語としての使用は避け、「the matter」の形にします。この例文は、日常生活レベルでも良く使われますので、ぜひ覚えてみてください。
会話文例
(どうしたの?)
(何なのか自分でも良く分からないんだけど、なぜかお腹が痛むんだ。)
matterを使った例文④
次にご紹介するのは、不可算名詞としてのmatterの意味「重要なこと」を活用した例文です。例文の意味は、「彼女が来ようが来まいが、どうでも良いことです」となります。
この意味で使用する場合、通例「no matter」の形を取り、この部分で「重要でない、取るに足らない、関係ない」という意味を表します。
会話文例
(彼女が今日来て助けてくれたら良いのに。)
(そうかなぁ?彼女が来ようが来まいが、どうでも良いことだよ。)
matterを使った例文⑤
最後に、matterの動詞としての意味、「問題となる、重要である」を活用した例文をご紹介します。例文の意味は「それは全く問題になりません」となります。
この動詞としての意味は、日常生活のレベルでも非常に良く使われますので、ぜひ覚えておきましょう。
会話文例
(もう一つ質問をお伺いしても良いですか?)
(それは全く問題になりません。どうぞ。)
matterを使う際の注意点
matterの可算名詞の意味、「困ったこと、厄介な」の意味を活用した「What’s the matter?」という表現を使用する際には、使用する際の状況に注意する必要があります。
以下から、この点について詳しく解説していきます。
What’s the matter? は明らかに問題があるように見える状況で使用する
「What’s the matter?」は、日本語では「どうしたの?」と訳されますが、先にご紹介した意味を見ても分かる通り、何かを「困ったこと、厄介な」と捉える視点が含まれています。
この表現を直訳すると、「何が困ったことなの?」という意味になることでも分かるでしょう。従って、基本的に「相手や目の前の状況に明らかに何か問題があるように見える状況」でしか使用できません。
例えば、相手が明らかに体調が悪そう、気分が悪そうなど、誰の目から見ても問題がありそうな場合にのみ使用するようにしてください。
それ以外の場面で使用してしまうと、状況を自分の都合や主観で勝手にネガティブな状況として捉えているということが相手に伝わり、悪い印象を与えかねません。
使用の際の状況に十分注意してくださいね。
matterの語源
英単語の語源を知ることはその単語へ理解を深め、知的好奇心を刺激してくれます。以下から、matterの語源について学んでいきましょう。
matterの語源はラテン語の「materia」
matterの語源は、ラテン語の「materia」とされています。この語源は、「物質、木の内側の硬い部分」を指す意味として使われていました。
どちらの意味も、matterの現代の意味と重なる部分もあり、綴りも似ているので分かりやすいですね。
matterと意味が似ている単語
ここまで、matterの意味や使い方、注意点などについて詳しく解説していきました。最後に、matterと意味が似ている単語、類語をいくつかご紹介します。
会話にバリエーションを持たせるために、類語も覚えて活用することは大変有効です。ぜひチェックしてみてくださいね。
element
matterの不可算名詞として意味、「物質、物体」の類語として使えるのが、「element」です。elementには「要素、成分、構成要素」などの意味があります。
elementを使った会話文例
(君はもっと文の要素を注意して見てみるべきだよ。)
(そうですね。私はそうすべきかもしれません。)
material
materialも、「原料、材料」などの意味でmatterの不可算名詞として意味、「物質、物体」の類語として使用できます。
materialを使った会話文例
(この商品を作るためにどんな原料を使うんですか?)
(銅を使います。)
subject
最後にご紹介するのは、可算名詞として「議論・研究などの主題、問題」の意味を持つ「subject」です。matterの可算名詞としての意味、「問題、事、事柄」の類語として活用できます。
subjectを使った会話文例
(これは本当に異論のある問題です。)
(まさにそうです!)
まとめ
matterは、名詞としての意味が多い単語ですが、それぞれの形と意味を上手く紐づけて学べま意外と整理しやすい単語と言えます。
ぜひ日常生活レベルの会話でも使われる、汎用性の高い意味のものから優先的に覚え、実際の会話にも活用してみてください。
リー 木嶋 実有紀
「英語を使って自分の視野をもっと広げたい!」との思いから、国際関係や異文化理解を学べる学科に進み、カナダの大学に一年間留学。日本で約4年間、公立小学校で英語を教える傍ら、個人英会話教室でも英語を教える。アメリカ人の夫との結婚を機に2014年に渡米。アメリカ・日本にお住いの方に英語レッスンを行う。英語学習歴は15年以上、教授歴は10年。「今からでもすぐに使える、実践的な内容」をお届けします。
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