couldは、canの過去形として良く知られている単語です。日常会話でも頻繁に登場する単語なので、今まで一度は使ったことがある!という方も多いでしょう。
今回の記事では、そんなcouldの意味や使い方について詳しく解説していきます。具体的な例文他、発音や使用の際の注意点についても学べる内容です。
この記事を読めば、今まで何となくしか理解できなかったcouldの意味や使い方が明確になることでしょう。
ぜひ、参考にしてみてください。
couldの意味
couldは助動詞として直接法、仮定法で使用する場合の意味の大きく2つに大別できます。それぞれの用法ごとに存在する異なる意味を、ここでは8つご紹介していきます。
~することができた
最初にご紹介するのは、couldを直接法で使用した場合の意味、「~することができた」です。canの能力や可能を表す意味の過去形と考えると分かりやすいでしょう。
couldの他の意味との混同を防ぐために、be able toの形に置き換えられることもしばしばあります。
例えば、「私は彼が言っていることをはっきりと聞くことができました」内、「聞くことができました」の部分にこの意味のcouldを活用します。
~できる、~してよい
couldを直接法で使用する場合、「~できる、~してよい」という意味にもなります。
これは、いわゆる時制の一致が起こった時の意味で、主節に合わせて従属節の中のcanが過去形になる、あるいは間接話法でcanが過去形になる時にこの意味になります。
例えば、「彼女はその試験をパスできるだろうと思っていました」、「彼は私に電話できると言いました」内、「パスできるだろう」、「電話できると」の部分にcouldを使用します。
~できる(なら)
couldを仮定法で用いて事実に反する条件節に用いた場合「~できる (なら)」という意味になります。
条件節以外にも、願望を表す名詞節で用いる時にもこの意味になります。
例えば、「自分にも夢を叶えられたらいいのですが」内、「叶えられたらいいのですが」の部部分でcouldを活用することができます。
~できるだろう
仮定法で現実の事実に反対の仮定の帰結節内でcouldを使用した場合、「~できるだろう」という意味になります。
例えば、「彼女はそれを望めばそれをすることができるのですが、実はしないのです」内、「それをすることができる」の部分にcouldを配置します。
~できただろうに
couldを仮定法で過去の事実に反対の仮定の帰結節に用いた場合、「~できただろうに」という意味を表せます。
1つ前の意味として挙げた、「~できるだろう」の過去に遡ったバージョンと捉えると分かりやすいかもしれません。
例えば、「彼はそれを言おうと思えばできたのですが、実は言わなかったのです」内、「それを言おうと思えばできた」の部分にこの意味のcouldを活用します。
~できるだろうに、~したいくらいだ、~しているみたいだ
仮定法で条件節の内容を言外に含めた、主節だけの文でcouldを使用すると、婉曲的に「~できるだろうに、~したいくらいだ、~しているみたいだ」という意味を表せます。
例えば、「私にはとても宇宙船なんて作れませんよ!」内、「宇宙船なんて作れませんよ」の部分にcouldを活用してみましょう。
~できただろうに、~したいくらいだった、~しているみたいだった
「could have +過去分詞」の形で、couldは「~できただろうに、~したいくらいだった、~しているみたいだった」という意味を表します。
例えば、「彼は私に言ってくれればよかったのに!」内、「言ってくれればよかった」の部分にcouldを配置可能です。
~していただけますか、~してよいですか
最後にご紹介するのは、couldを許可、依頼を表す疑問文として使用した際の意味、「~していただけますか」、「~してよいですか」です。
この意味でcouldを使う場合、canよりも丁寧さが増します。
例えば、「お願いを聞いて頂けますか?」内、「頂けますか?」の部分の意味をこのcouldが担います。
couldの発音・読み方
それではここから、couldの発音と読み方を確認していきましょう。
couldの発音記号
発音記号にすると、は「kúd」と表記されます。
couldの発音・読み方
couldの発音・読み方は、日本語で「クゥド」となります。
まず、最初の「k」の音は舌の後ろの部分を押し上げた後、その部分を上あごの奥に付けたまま一瞬息を止めます。その後、素早く舌を離して音を破裂させるような意識で「クッ」と出します。
「ú」の部分は唇を丸く突き出し、軽く「ウ」と発音します。
最後の「d」は舌先を前歯のすぐ裏の歯ぐきに付け、息を一瞬止めてから勢いよく「ド」と出します。
couldの発音は、比較的短くシンプルな音で構成されているため分かりやすいと言えます。ぜひ上記の発音のポイントを押さえて何度も練習してみてください。
couldの使い方と例文
ここまで、couldの直接法、仮定法でのそれぞれの異なる意味、発音のポイントについて詳しく解説してきました。
以下から、まずはcouldの使い方を学ぶ際のポイントのまとめ、次に具体的な例文をご紹介していきます。英語でのより実践的な会話能力を磨きたいという方はぜひ参考にしてみてください。
couldの使い方
couldは、それぞれの用法と文の形、そして意味を組み合わせた形で使い方を整理していくとすっきりするでしょう。
ここでは、上記の形にそれぞれを整理しながら例文もご紹介していきます。
couldの例文
早速以下から、couldのそれぞれの用法と文の形、意味ごとに整理しながらそれぞれの例文をご紹介していきます。
新たに学んだ単語を単独で覚えるのではなく、例文というより具体的な形に落とし込んで覚える方がより効果的です。
ぜひ自分だったらどんな場面でこの例文を使用するだろう?という視点を持って下記内容を読み進めてみましょう。
couldを使った例文①
最初にご紹介するのは、couldを直接法で使用した場合の意味、「~することができた」の意味を活用した例文です。
例文の意味は「私は彼が言っていることをはっきりと聞くことができました」となります。能力・可能を表すcanの過去形としてcouldを活用した例です。
会話文例
(昨日彼が私に何て言っていたのかよく分からなかったんだよね。)
(本当ですか?私は彼が言っていることをはっきり聞くことができましたよ。)
couldを使った例文②
couldを直接法で使用する際の「~できる、~してよい」という意味を活用したこの例文の意味は、「彼女はその試験をパスできるだろうと思っていました」です。
主節である「She thought」の動詞の過去形に合わせて、従属節の「she could pass the exam」内のcouldが時制の一致により過去形となっています。thatは省略可能です。
会話文例
(彼女はその試験をパスできるだろうと思っていたんだよ。)
(できなかったってこと?)
couldを使った例文③
次にご紹介するのは、couldを仮定法で用いて事実に反する条件節に用いた場合の意味「~できる (なら)」を使用した例文です。
意味は「自分にも夢を叶えられたらいいのですが」となります。
会話文例
(自分にも夢を叶えられたらいいんだけど。)
(何言ってるんだい、君なら絶対にできるよ!)
couldを使った例文 ④
「could have +過去分詞」の形の文中、couldの「~できただろうに、~したいくらいだった、~しているみたいだった」の意味を活用したこの例文は、
「彼は私に言ってくれればよかったのに!」となります。
このcouldの使い方は日常会話でもよく耳にします。使いすぎると相手を責め立てているような響きになってしまうので注意が必要ですが、ぜひ覚えておきたい使い方・例文です。
会話文例
(来月彼はニューヨークに転勤予定だって聞いた?)
(え?私に言ってくれればよかったのに!)
couldを使った例文⑤
最後にご紹介するのは、couldを許可、依頼を表す疑問文として使用した際の意味、「~していただけますか」、「~してよいですか」を活用した例文です。
例文の意味は「お願いを聞いて頂けますか?」となります。この使い方も、日常生活でよく使います。
「Can you」を使った時よりも丁寧さの度合いがぐっと上がりますので、ぜひ活用してみましょう。
会話文例
(お願いを聞いて頂けますか?)
(もちろん、どうされましたか?)
couldを使う際の注意点
couldを使う際に注意したいのは「be able to」との使い方の違いです。以下でこの点について解説していきます。
couldとbe able toの使い分け
couldを直接話法で「~できる」の意味で使用する場合、その能力は一般的なものである必要があります。
一方、一般的な能力ではなく、ある状況においてその時可能だった行動や行為を表現する場合には「be able to」を使用します。
例を挙げると、例えば「私は小さい頃、歌を上手に歌うことができました」にはcouldを使用し、「私は昨日スーパーでリンゴを買うことができました」にはbe able toを使用するのが適当ということになります。
日本語ではどちらの状況でも「できた」と同じ表現を使用するため混同しやすいですが、ぜひcouldとbe able toも使い分けられるようにしておきましょう。
couldの語源
英語の語源を知ることは、その単語に対するより深い理解に繋がります。以下から、couldの語源について一緒に学んでいきましょう。
couldの語源は古英語「cuðe」
couldの語源は、古英語の「cuðe」とされています。この語源は「~できる」の意味を表す「cunnan」の過去形とされています。
語源の意味が現代のものと共通しており、形も少し似ている点が大変興味深いですね。
couldと意味が似ている単語
ここまで、couldの意味や使い方、使用の際の注意点などについて解説してきました。最後に、couldと意味が似ている単語、いわゆる類語をご紹介していきます。
類語を上手く活用して、あなたも表現力豊かな会話を実現させましょう。
manage
最初にご紹介するのは、動詞で「どうにかして~する、うまく~する」という意味を持つ「manage」です。しばしば、to不定詞の形で使用します。
manageを使った会話文例
(昨日は何とか家に早く到着できたんだ。)
(それは素晴らしいね!)
may
「~してよい」の許可の意味を表す「may」もcouldの類語として使用可能です。特に立場が上の人が、誰かに指示を与える場合などにmayを使用すると有効です。
mayを使った会話文例
(トイレに行ってもよろしいでしょうか?)
(はい、行ってもよいですよ。)
be capable of
最後にご紹介するのは、「be capable of」という表現です。「~可能な、~し兼ねない」という意味を表します。
couldを使用した時より若干丁寧な響きになりますが、類語として使用できます。
be capable ofを使った会話文例
(僕は彼が大きな家を買うことは可能だと思うな。)
(同感。彼は大金を稼ぐと耳にしたよ。)
まとめ
couldは、ネイティブとの会話の中でもよく出てくる単語です。意味が多いため混同しやすいですが、文の形も合わせて整理できると分かりやすいでしょう。
あなたもぜひ当記事内容を参考に、couldを色んな場面で活用してみてくださいね。
リー 木嶋 実有紀
「英語を使って自分の視野をもっと広げたい!」との思いから、国際関係や異文化理解を学べる学科に進み、カナダの大学に一年間留学。日本で約4年間、公立小学校で英語を教える傍ら、個人英会話教室でも英語を教える。アメリカ人の夫との結婚を機に2014年に渡米。アメリカ・日本にお住いの方に英語レッスンを行う。英語学習歴は15年以上、教授歴は10年。「今からでもすぐに使える、実践的な内容」をお届けします。
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