enoughは、日常会話でもよく使用される単語です。仕事やプライベートなど、普段のネイティブとの会話の中でも耳にしたことがあるという方が多いでしょう。
今回は、そんなenoughの意味や使い方、使用の際の注意点などについて徹底解説していきます。記事後半では、語源や類語についても学べます。
今まで何度も耳にすることはあったものの、その使い方がぼんやりしていたという方もこの記事を読むことで疑問点がすっきりするでしょう。
ぜひチェックしてみてください。
enoughの意味
enoughは形容詞、代名詞、副詞という3つの異なる品詞を持ちます。
それぞれの副詞の中にも更に異なる意味が存在し、厳密に分けると約15個ほどになりますが、今回はその中でも覚えておくと会話に便利な意味を厳選してお伝えしていきます。
それぞれの意味の品詞にも着目しながら、以下を読み進めてみてください。
十分な、必要なだけの
enoughには、まず形容詞として「十分な、必要なだけの」という意味があります。この意味で使用する場合、可算名詞、不可算名詞の両方を描写するのに活用できます。
名詞の前後、どちらにも配置できますが、名詞の前に置いた方がより強調的な意味になります。
例えば、「十分な卵があります」、「彼らには必要なだけの時間がありました」などの例文内、「十分な」、「必要なだけの」の部分がenoughに相当します。
~に、~するのに十分な
形容詞として、enoughは「~に、~するのに十分な」という意味も表せます。この意味で使用する場合、普通「enough+for+代名詞」の形を取ります。
例えば、「夕食をとるほどの時間がありますか?」、「少しお話をするほどの時間がありますか?」内、「夕食をとるほどの」、「お話をするほどの」の部分にenoughを活用します。
十分、~するのに足りる十分な量・数
enoughには代名詞としての意味もあり、その代表的なものが「十分、~するのに足りる十分な量・数」です。
例えば、「彼女は食べていけるだけは稼いでいます」、「彼にはリラックスするだけの時間があります」内、「食べていけるだけは」、「リラックスするだけの」の部分にenoughを活用します。
十分に、~に必要な量だけ
最後にご紹介するのは、enoughの副詞として意味、「十分に、~に必要な量だけ」です。
例えば、「このシャツはその大きさで大丈夫ですか?」、「この容器はその大きさで足りますか?」内、「その大きさで大丈夫」、「その大きさで足りますか」にenoughを活用できます。
enoughの発音・読み方
それではここから、enoughの発音と読み方を確認していきましょう。
enoughの発音記号
発音記号にすると、enoughは「inʌ’f」と表記されます。
enoughの発音・読み方
enoughの発音・読み方は、日本語で「イナァフ」となります。
まず、最初の「i」は日本語のイとエの中間の音を意識し、これら2つを同時に言うようにして「イ」と発音します。
「nʌ’」の部分はまず「n」を舌先を前歯のすぐ裏の歯茎に付け、息を一瞬止めて鼻から抜けるようにして「ヌ」と出します。次に「ʌ」は日本語のアの音とほぼ同じ音を意識し、口を少し開けた状態で短く「ア」と出します。こららを合わせると、「ナァ」となります。
最後に、「f」の音は上の前歯を下唇で軽く噛むようにして当て、その隙間から「フ」と息を抜くようにして発音して出します。
enoughの発音は、最後のfの音以外は比較的出しやすいものが多いのが特徴です。ぜひfの音の発音の練習を集中的に行い、よりクリアな発音になるよう努力していきましょう。
enoughの使い方と例文
ここまで、enoughの主な意味と発音のポイントについて分かりやすく解説してきました。
以下から、まずはenoughの使い方を学ぶ際のポイントと、具体的な例文を通した更なる深い解説を行っていきます。
今後、この単語を使用する際に使える知識ばかりですので、ぜひ読み進めてみてください。
enoughの使い方
enoughには3つの異なる品詞があるため、品詞ごとに整理してその使い方を学んでいく方法がより効果的です。
特に品詞ごとに変わるenoughの位置に着目しながら、その意味と使い方を掴んでいきましょう。
enoughの例文
それでは早速以下から、それぞれの品詞ごとに覚えておくと便利な意味を含む例文を厳選してご紹介していきます。
新たな単語をその意味の暗記だけで終わらせるのではなく、より具体的な例文の形で暗記するようにしておくと、実際に使用する際に素早く応用できるようになります。
自分がこの単語を使用する可能性のある場面を具体的に思い浮かべながら、ぜひ例文を暗記してみてください。
enoughを使った例文①
enoughの形容詞としての意味、「十分な、必要なだけの」を活用したのがこの例文です。意味は、「彼らには必要なだけの時間がありました」となります。
timeのように、時間という不可算名詞に対してもこのenoughが活用可能です。ただ時間があったという意味ではなく、あくまでも必要なだけの時間があったと伝えたい場合に活用しましょう。
会話文例
(じゃあ先週末、彼らは両親の家を結局訪ねたのかなぁ?)
(うん、そうだと思うよ。必要なだけの時間があったんだよ。)
enoughを使った例文②
次にご紹介するのは、enoughの形容詞としての意味、「~に、~するのに十分な」を活用した例文です。意味は、「あなたには今夜夕食をとるだけの時間がありますか?」となります。
先述の通り、この意味で使用する場合、「enough+for+代名詞」の形になります。この例文内でも、「enough (time) for dinner」の形になっているのが分かります。
会話文例
(今夜夕食をとるだけの時間がありますか?)
(分かりません。まず私の予定を確認させてください。)
enoughを使った例文③
enoughの代名詞としての意味、「十分、~するのに足りる十分な量・数」を活用したこの例文は、「彼女は食べていけるだけは稼いでいます」となります。
この例文のように、enoughが代名詞として使用される場合、例えば今回の場合は「enough (money)」のように、その直後に名詞が隠されていると考えると分かりやすいでしょう。
もちろん、「enough money」と表現しても間違いではないですが、使用されている動詞や文脈の中でそれが容易に想像できる場合、enoughを代名詞として使用して省略することがほとんどです。
会話文例
(彼女は未だ働いているの?)
(うん、食べていけるだけは稼いでいるよ。)
enoughを使った例文④
次にご紹介するのは、enoughの副詞としての意味、「十分に、~に必要な量だけ」の意味を活用した例文です。意味は、「このシャツの大きさは大丈夫ですか?」となります。
先の例文と異なり、副詞で使用する場合はenoughを形容詞の直後に配置するのが特徴です。
会話文例
(このシャツの大きさは大丈夫ですか?)
(はい、完璧ですよ!)
enoughを使う際の注意点
基本的には「十分な、必要な」などの意味で用いられるenoughですが、実は強いネガティブな意味で用いられる場合があり、その場合は使用の際の状況をしっかり見極める必要があります。
下記から、この点について詳しく解説していきます。
「うんざり」という意味を表すenoughの使用には注意しよう
実は、enoughを例えば「Enough is enough.」などの形で使用すると、「もううんざりだ」という意味になります。この表現は、「十分だ」と肯定的な意味を表すというよりも、むしろ話者の憤慨する否定的な意味を表します。
また、「Enough! 」など、一言でも強い口調で言うと、「もう良い!うるさい!」というような、強い否定的な意味になります。
もちろん、相手に文字通りの強い意味を伝えなければならないことはあると思いますが、それ以外の場面でこれらの表現を使用すると相手にネガティブな意味が伝わります。
上記をしっかりと認識し、この意味で使用の際は相手との関係性やその時の状況をしっかり見極めるようにしましょう。
enoughの語源
語源を知ることは、その単語に対する深い理解に繋がります。以下から、enoughの語源について解説していきます。
enoughの語源は古英語の「genog」
enoughの語源は、古英語「genog」とされています。この言葉は、13世紀頃から「量や数が十分な」という意味で使用されていました。
enoughは古英語の中では副詞として「その目的のために十分に」という意味で、中世英語の中では「十分に」という意味で使用されていたようです。
語源と現在のenoughの形はかなり違いますが、語源が使用されていた当初からその意味には大きな差が無いことが分かりますね。
enoughと意味が似ている単語
ここまで、enoughの意味や使い方、使用の際の注意点、語源になどについて解説してきました。最後に、enoughと意味が似ている単語、いわゆる類語をいくつかご紹介します。
英語表現のマンネリ化を避けるためにも、積極的に類語の意味と使い方も暗記していくことは大変有効です。
ぜひあなたも表現力豊かな会話の実現を目指し、類語も積極的に活用していきましょう。
plenty
最初にご紹介するのは、「沢山の、多くの」という意味を表す「plenty」です。この単語は、特にアメリカで口語の会話の中でよく使用されます。
厳密に言うと、enoughの現す「十分な、必要な量や数の」という意味とは異なりますが、会話で使用する際にはしばしば同じ意味で活用されます。
plentyを使った会話文例
(明日は暇?ぜひ観たい映画があるんだよねぇ。)
(ごめん、明日はやらなきゃいけないことが沢山あるんだ!)
decent
「decent」は「かなりの、相当な」という意味でenoughの類語として活用可能です。plentyの場合と同じく、その意味だけでは厳密に言うと全く同じ意味ではありませんが、この言葉も類語として使用できる許容範囲です。
この言葉もネイティブの会話の中でよく耳にします。
decentを使った会話文例
(十分な量のお金があったから、彼は自分の家を買うことにしたんだ。)
(それは素晴らしいね!)
adequate
最後にご紹介するのは、「ある目的に足りる、不足しない」という意味を持つ「adequate」です。この類語は、特に何かの数や量が最低の必要を満たすのに足りるという場合に用います。
adequateを使った会話文例
(事前に食べ物は買ったの?)
(うん、そうしたよ。ちょうど一週間分は足りるだけの食べ物はあったさ。)
まとめ
enoughは形容詞、代名詞、副詞と3つの品詞を持ち、それぞれの品詞ごとに文章内の位置や意味が異なるのが特徴です。
それぞれの意味や使い方を理解するのに初めは時間がかかるかもしれませんが、理解できると日常会話でも活躍のチャンスが多い大変便利な単語と言えます。
あなたも当記事内容を参考にして、ぜひ色んな会話の中でenough活用してみましょう。
リー 木嶋 実有紀
「英語を使って自分の視野をもっと広げたい!」との思いから、国際関係や異文化理解を学べる学科に進み、カナダの大学に一年間留学。日本で約4年間、公立小学校で英語を教える傍ら、個人英会話教室でも英語を教える。アメリカ人の夫との結婚を機に2014年に渡米。アメリカ・日本にお住いの方に英語レッスンを行う。英語学習歴は15年以上、教授歴は10年。「今からでもすぐに使える、実践的な内容」をお届けします。
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