no longerは、過去とは異なる現在の様子を表す際に活用できる表現です。今まで、特にビジネスシーンやスピーチなどの中で耳にしたことがあるという方も多いでしょう。
今回の記事では、そんなno longerの意味や使い方について解説していきます。具体的な例文を交えながら解説し、記事後半では使用の際の注意点、語源や類語についても学べます。
ぜひ参考にしてみてください。
no longerの意味
no longerには副詞的に使用する際の1つの意味しかありません。多くの単語や表現には品詞・意味共に複数あるものが普通なので、その意味ではこの表現の意味は比較的覚えやすいと言えます。
以下から、その意味について詳しく見ていきます。
もはや~しないで、もはや~ない
no longerは「もはや~しないで、もはや~ない」という意味を表します。副詞的に使用し、「過去はこんな状態だったが、今はそうではない」と過去と比較した上での今の状態の変化について描写する際に活用します。
例えば、「その書類はもう必要ではありません」、「彼女はもうスキーをすることができません」、「もうそれをする必要はありません」などの例文内、「もう必要ではありません」、「もうスキーをすることができません」、「もうそれをする必要はありません」の部分にこのno longerを活用できます。
no longerの発音・読み方
それではここから、no longerの発音と読み方を確認していきましょう。
no longerの発音記号
発音記号にすると、は「nóu lɑ:ŋər」と表記されます。
no longerの発音・読み方
no longerの発音は、日本語にすると「ノォウ ロンガァ (ル)」となります。
まず、「nóu」の部分は舌先を前歯のすぐ裏の歯茎に付け、息を一瞬止めて「ヌ」と発音しこれを「n」の音とします。
「óu」は二重母音なので、日本語の「オゥ」の音を意識しながら発音し、最後の「u」の部分は口を丸めて前に突き出すようにして出します。以上2つの音を合わせてると、「ノォウ」となります。
次に、「lɑ:ŋər」の部分の音は、まず舌先を前歯のすぐ裏の歯茎に付け、その状態のまま舌の両側から「ウ」と「ル」を同時に出すようして「ロ」とし、これが「l」の音になります。
「ɑ:」は口を大きく開いた後に唇を丸めて前に突き出し、少し長めに「オー」と発音します。これら2つの音を合わせると、「ロォ」となります。
「ŋ」は舌の後ろの部分を持ち上げ、上顎の奥に付けたら一瞬息を止め、鼻から出すような意識で「ン(グ)」と曖昧な音を出します。
最後に、「ər」は「ə」の部分を唇を横に引き、口を大きく開けず、上下の歯に軽く触れるような感じで「ア」と出します。
「r」は舌先を内側に巻き、口のどの部分にも触れないようにしながらアとルの間の音を意識し、「(ル)」とします。
特に「ŋ」や「ər」の音は日本語にはない音のため、発音の練習が必要です。こちらの内容を参考にしながら、ぜひ自分でも発音練習を重ねてより自然な発音を目指しましょう。
no longerの使い方と例文
ここまで、no longerの意味と発音の際のポイントについて解説してきました。以下から、まずはno longerの使い方を学ぶ際のポイントのまとめと、具体的な例文をご紹介していきます。
より実践的にこの表現を活用していきたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
no longerの使い方
no longerは副詞的な使い方をする1つの意味しか存在しません。そのため、意味の違いではなく、文中no longerの位置の違いに着目して使い方を整理していく方法がおすすめです。
no longerの例文
早速以下から、no longerの実際の使い方を具体的な例文ごとに確認していきます。
新たに学んだ単語や表現を、具体的な例文の形に落とし込んで学ぶと、日常会話でも活用できるチャンスが増えます。
例文を自分が使用したいシチュエーションに合わせて応用し、ぜひ活用してみてください。
no longerを使った例文①
最初にご紹介するのは、「その書類はもう必要ではありません」という意味の例文です。be動詞を含む文の場合、no longerはbe 動詞の直後に配置します。
会話文例
(今日これを提出した方が良いですか?)
(いいえ、大丈夫です。その書類はもう必要ではありません。)
no longerを使った例文②
次にご紹介する例文は、「彼女はもうスキーをすることができません」という意味を表します。
この例のように一般動詞を含む文中でno longerを使用する場合、一般動詞の直前にno longerを置くようにします。
会話文例
(彼女はもうスキーをすることができません。)
(脚の骨か何かでも折ったんですか?)
no longerを使った例文③
最後にご紹介するのは、「もうそれをする必要はありません」という意味を表す例文です。
「~がある」の意味を表す「There is (are)」の構文を活用した例文で、be動詞が含まれるため、no longerはその直後に置きましょう。
会話文例
(今日の午後の会議について話すために上司に電話する必要があるでしょうか?)
(いえ、もうそれを必要はありません。私はもうそれをやりました。)
no longerを使う際の注意点
no longerには、フォーマルな響きがありますので、使用する際には注意が必要です。以下から、この点について詳しく解説していきます。
no longerはカジュアルな場面の会話には不向き
no longerは基本的にフォーマルで堅い響きがある表現です。そのため、友達や家族との会話などカジュアルな場面の会話での使用は不向きと言えます。
ビジネスや論文、レポート内での表現など、フォーマルで堅い響きの口調が適当な場面で使用するとより効果的です。
カジュアルな場面での会話で同じ意味を表したい場合は、当記事最後にご紹介している「not any longer」、「not any more」などの類語を使用するようにしましょう。
no longerの語源
英単語や英語表現の語源を知ることで理解が深まり、そのことが実際の会話での活用にも繋がります。以下から、no longerの語源について解説していきます。
no longerの語源は古英語の「na」と「lang」
まず、no longerの「no」の語源は、古英語の「na」です。この語源には、「どの程度もない、全くない」という意味があります。
「longer」は形容詞「long」に比較を表す「er」が付いたものです。元の形容詞「long」の語源は、古英語「lang」とされています。
この類語には「長い線形範囲を持ち、端から端まで良く伸びる、高い」という意味がありました。
どちらの単語の語源も現代のものと形・意味共にさほど変化がないことが分かります。古英語は450年から1150年頃に使用されていたものなので、時代が変わっても共通する部分があるというのは大変興味深いですね。
no longerと意味が似ている単語
ここまで、no longerの意味や使い方、使用の際の注意点や語源について詳しく解説してきました。最後に、no longerと意味が似ている単語や表現、いわゆる類語をご紹介します。
英語で話す際に自分が話す表現のマンネリ化を感じている方は、類語を覚えて語彙力UPを目指すことをおすすめします。
ぜひ表現できる幅を拡げ、表現力豊かな会話を実現しましょう。
once
最初にご紹介するのは、副詞で「昔、かつては」という意味を表す「once」です。
no longerは過去と現在の様子を比較した上で現在の様子に着目しますが、onceは過去の様子のみ伝えながらも、現在の様子を推測させる表現として使えます。
onceを使った会話文例
(彼女はかつて東京に住んでいたと思うよ。)
(へぇ、それは知らなかったよ。)
not any longer
次にご紹介するのは、「もはや~ない、しない」の意味を持つ「not any longer」です。no longerとほぼ同じ意味で使用でき、カジュアルな場面の会話でも使えます。
not any longerを使った会話文例
(もう彼女を待てなかったんだ。)
(そうだよね、彼女はもっと早く来るべきだったよ。)
not any more
最後にご紹介するのは、「もうこれ以上~ない」の意味を表す「not any more」です。こちらの表現も、not any longerと同じくno longerとほぼ同じ意味で活用できます。
not any moreを使った会話文例
(あなた達の間で何があったの?)
(何も。ただもうこれ以上彼とは話したくないだけ。)
まとめ
no longerは口語で使用すると少しフォーマルで堅い響きはあるものの、過去と比較した現在の様子を描写する便利な表現と言えます。
文中で配置する位置に注意が必要ですが、類語も含めて活用できれば会話の幅も拡がります。ぜひ当記事の内容を参考にして、あなたも実際の会話にどんどん活用してみてください。
リー 木嶋 実有紀
「英語を使って自分の視野をもっと広げたい!」との思いから、国際関係や異文化理解を学べる学科に進み、カナダの大学に一年間留学。日本で約4年間、公立小学校で英語を教える傍ら、個人英会話教室でも英語を教える。アメリカ人の夫との結婚を機に2014年に渡米。アメリカ・日本にお住いの方に英語レッスンを行う。英語学習歴は15年以上、教授歴は10年。「今からでもすぐに使える、実践的な内容」をお届けします。
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