thereforeは、少し硬い響きのある単語として使用される言葉です。日常生活でよく耳にすると言うよりも、テレビのニュースや公的な場での発言の中でこの言葉を聞いたことがある方の方が多いでしょう。
今回は、そんなthereforeの意味と使い方について詳しく解説していきます。記事後半は、使用の際の注意点や類語についても学べる内容で構成しました。
この言葉への理解をより深め、活用していきたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
thereforeの意味
thereforeには品詞、意味共に1つしか存在しません。意味についてはより厳密に区別し、2つとすることもありますが、両者の意味にさほど意味の開きがないため、ここでは両者を合わせて1つの意味と捉えて解説していきます。
それゆえに、そのため、従って
thereforeには、副詞として「それゆえに、そのため、従って」という意味があります。文頭に置くか文中に置くかで微妙に意味が異なります。
例えば、デカルトの有名な格言「我思う、ゆえに我あり」の中の、「ゆえに」がこのthereforeにあたります。
thereforeの発音・読み方
それでは以下から、thereforeの発音と読み方を確認していきましょう。
thereforeの発音記号
発音記号にすると、thereforeは「ðéərfɔ`:r」と表記されます。
thereforeの発音・読み方
thereforeの発音・読み方は、日本語で「ゼェア(ル)フォー(ル)」となります。
まず、「ðé」の部分は、舌先を上前歯に軽く噛むようにして当て、その隙間から「ズ」を意識して「ð」の音にします。「é」は日本語の「エ」の音を意識し、唇を左右に大きめに開きながら発音します。これらを組み合わせ、「ゼェ」の音とします。
次に、「ə」の部分は口を大きく開かず、弱く曖昧な音で「ア」とし、「r」は舌先を内側に巻き、口のどの部分にも触れずに「ア・ル」の間の音を意識して「(ル)」とします。
「fɔ`ːr」の部分は、まず「f」は上前歯を下唇に軽く噛む感覚で当て、その隙間から「フ」の音を意識しながら息を出すようにして発音します。「ɔ`ː」の部分は、口を大きく開いた後、唇を前に丸く突き出して形で長めの音を意識し、「オー」と出します。
最後に、「r」は先に挙げたやり方と同様にして「(ル)」とします。
上記の通り、thereforeの発音には、日本語にある音が含まれません。まずは日本語に似ている音の練習から入り、「ð」や「r」のような英語独特の音をしっかり練習するというやり方がおすすめです。
thereforeの使い方と例文
ここまで、thereforeの意味、発音のポイントについてご紹介してきました。以下から、まずはthereforeの使い方を学ぶ際のポイントについてまとめていきます。
thereforeの使い方
thereforeは、品詞・意味共に1つしかありません。そのため、その配置の違いごとに使い方を整理していくと分かりやすいでしょう。
thereforeの例文
早速以下から、具体的な例文を交えながら、thereforeの使い方を見ていきます。
新たな単語を具体的な例文の形で記憶することは、実際の会話でその単語を使用し、相手と意志の疎通を図るチャンスを高めてくれます。
自分なら、この単語や例文をどんな場面で使用するだろう?また、どんなアレンジを加えるだろう?というより具体的な視点を持って、読み進めてみてください。
thereforeを使った例文①
最初にご紹介する例文は、thereforeを文頭に配置したものです。意味は、「だから、私はこれをします」です。文頭にthereforeを置く場合、コンマを使用するのが普通です。
特に、自分の行動や考えの背景にある理由を強調した形で相手に伝えたい場合に使用します。
会話文例
(これについてもっと説明をしてもらいたいように思うのですが。)
(これは単純に私が好きなことなんです。だから、私はこれをします。)
thereforeを使った例文②
次にご紹介する例文は、thereforeを文中に置いたものです。意味は、「我思う、ゆえに我あり」です。この例文の中では、thereforeは「それゆえに、そのため」という意味を表しています。
会話文例
(私達は自分自身をどうやって人間だと認識できるのと思う?)
(ことわざにあるように、我思う、ゆえに我ありだよ。)
thereforeを使う際の注意点
thereforeは、硬いイメージのある単語です。そのため、使用する際のシチュエーションを見極めて使用しないと、こちらが意図しない意味で伝わってしまうということが起こります。
以下から、この点について詳しく解説していきます。
状況を見誤ると嫌味な響きになる
先述した通りthereforeには硬いイメージがあるので、日常生活レベルの会話(口語)ではほぼ使用することはありません。
日常会話では、後にご紹介するsoなどの類語を使用するのが一般的です。それを知らず、普段から仲の良い人に向けてこの単語を使用すると、強調の意味でこの言葉を敢えて使用したと取られる可能性が高く、それが嫌味な響きになって相手に伝わることもあります。
もちろん、ビジネスや何か公的・形式的な場での発言にこの単語を含むことは問題ありません。しかし、それ以外で使用する場合は、発信者の何らかの意図が含まれると解釈される言葉ですので、ぜひ活用する場面を自分で見極めるようにしましょう。
thereforeの語源
単語の語源を知ることで、その単語への新たな気づきや示唆を得られるということもあります。以下から、thereforeの語源について学びを深めてみてください。
thereforeの語源は古英語「 þærfore」
thereforeの語源は、古英語の「 þærfore」とされており、この言葉はfrom thereと、forの古英語と中 (期) 英語の傍系型であるforeが組み合わさっています。
ちなみに、1800年代頃まではthereforが「そのために、それが理由により」という意味で使用され、thereforeが「そのために、それが故に」という意味で使用されていました。
歴史を辿ると、似通ってはいながら微妙にスペルが異なる2つの言葉が状況によって使い分けられていたということが分かります。
thereforeと意味が似ている単語
ここまで、thereforeの意味や使い方、発音や使用の際のポイントについて解説してきました。最後に、thereforeと意味が似ている単語、いわゆる類語をいくつかご紹介します。
常に同じ単語ばかりを使用していると、会話のマンネリ化は避けられません。ぜひ今回ご紹介する類語も覚えて、表現力溢れる会話を実現してみてください。
so
最初にご紹介する類語は、「so」です。意味は、副詞として間投詞的に「そういう訳で、それで」となります。先述の通り、日常会話レベルの会話の中では、最も好んで使用される単語と言えます。
soを使った会話文例
(彼が時間通り現れなかったので、その場を去ったんだ。)
(それは理にかなってるね。)
That’s why
次にご紹介するのは、「That’s why」です。意味は、「だから~」となります。thereforeと同じく、何かに対する理由を述べたい際に使用できます。soと同じく、日常会話レベルの会話でもよく使用します。
That’s whyを使った会話文例
(ちょっと疲れてきちゃってさ。だからいつもより早く退社したんだ。)
(ああ、そうだったのね。)
thus
次にご紹介するのは、「thus」です。副詞で「だから、従って」という意味を持ちます。thereforeと同じく、硬いイメージの強い単語なため、カジュアルな場面で使用することはあまりありません。
thusを使った文例
(従って彼らはその犯人を有罪だと判断した。)
hence
最後にご紹介するのは、「hence」です。この類語は、副詞で「このゆえに」という意味を表します。thereforeやthusと同じく、硬いイメージの強い単語で、カジュアルな場面の口語の会話では、ほぼ使用されることはありません。
物語の中のナレーションなど、限られた場面でのみ耳にする言葉だと認識しておきましょう。余裕がある方のみ覚えてみてください。
henceを使った文例
(これゆえ彼らはその提案に賛同することができなかったのだ。)
まとめ
当記事では、thereforeの意味や使い方について解説してきました。硬いイメージのある単語なため、使用する場面は限られてはきますが、覚えておいて損はない単語です。
類語も含め、自分の生活の中のどんな場面で活用できるかな?という視点を持ちながら、ぜひあなたも活用してみてくださいね。
リー 木嶋 実有紀
「英語を使って自分の視野をもっと広げたい!」との思いから、国際関係や異文化理解を学べる学科に進み、カナダの大学に一年間留学。日本で約4年間、公立小学校で英語を教える傍ら、個人英会話教室でも英語を教える。アメリカ人の夫との結婚を機に2014年に渡米。アメリカ・日本にお住いの方に英語レッスンを行う。英語学習歴は15年以上、教授歴は10年。「今からでもすぐに使える、実践的な内容」をお届けします。
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