【英語講師が教える】リピーティングの4つの効果と正しいやり方3つのコツ

ペラペラ

あなたは、リピーティングという英語学習法を知っていますか?これまでに中学校や高校の英語のクラスの中で、知らず知らずのうちにこの学習法に取り組んでいたという方も多いでしょう。

実はリピーティングの仕組みや取り組み方自体はとても単純ですが、その目的や得られる効果を自分で認識していないと、せっかくの練習も苦しくなってしまいます。

そこで今回は、リピーティングの効果や具体的なやり方、コツなどを詳しくい解説していきます。記事後半では、リピーティングにおすすめの教材についても学べます。

特にまとまった内容の英語をある一定期間聞くと、内容が頭の中に記憶として残りにくく、それが原因でリスニングやスピーキングが上手くいかないと感じている方に参考になる内容です。

ぜひチェックしてみてください。

リピーティングとは

リピーティングは、「英語音声を聞いた後、それを同じように繰り返し発話する練習方法」と定義できます。

基本的にはCDなどに収録された英語音声を使って、文章ごとに音声をポーズしながら発話を繰り返し行っていきます。

リピーティングの4つの効果

リピーティングの効果には大きく分けて以下の4つがあります。

  1. 短期記憶の強化
  2. より多くの語彙・表現を長期記憶化する
  3. 英語特有の音声変化への理解が深まる
  4. 英語の正しい発音や抑揚、リズムを習得

特に、記憶に関する効果が他の類似した英語学習法にはない特徴的なものと言えるでしょう。

早速以下から、それぞれの効果を確認していきます。

1.短期記憶の強化

まず、リピーティングを行うことで短期記憶の強化の効果が期待できます。短期記憶とは、比較的短い秒単位の時間しか保持されない記憶を指します。

英語で会話をする際の仕組みを考えてみると、この短期記憶が非常に重要な役目を果たすことが分かります。基本的に、会話の中で相手の話を聞く場合、その場で聞いた音だけの情報を脳内にある程度記憶しておく必要がありますよね。

詳しいやり方は後述しますが、リピーティングでは音声を止めた後、自分の短期記憶だけを頼りにそれを繰り返して発話する必要があります。

一文ずつこの作業を繰り返すので、結果として短期記憶の強化ができるのです。これにより、英語で会話する際により楽に耳から得た情報を脳内に記憶し、その情報を基に自分の発言を組み立てることができるようになります。

2.より多くの語彙・表現を長期記憶化する

リピーティングには、より多くの語彙・表現を長期記憶化するという効果も期待できます。長期記憶とは、先に挙げた短期記憶に対する言葉で、比較的長い期間脳に保持される記憶を指します。

実は、英語の語彙や表現などをしっかり記憶し、すぐに使えるレベルにするにはそれらの情報を長期記憶化しておくことが必要です。

英語の語彙や表現を長期記憶化してすぐ使える状態にするには、とにかく何らかの形でそれを繰り返すことが重要です。

基本的にリピーティングでは、何度も繰り返し文章を聞いて、それを発話することを繰り返しますので、会話でも活用できる語彙や表現を自然と長期記憶化することが期待できます。

3.英語特有の音声変化への理解が深まる

リピーティングを通して繰り返し英語の文章を聞くことになるため、英語特有の音声変化への理解が深まる効果もあります。

特に英語特有の音の弱形、脱落、連結、同化などに気づきやすくなり、このことがリスニング力の効果にも繋がるのです。

英語の正しい発音や抑揚、リズムを習得

リピーティングで、英語の正しい発音や抑揚、リズムを習得する効果も期待できます。英語は発音、抑揚、リズムとどこを取っても、日本語とは異なる特徴を持っています。

リピーティングを通して繰り返し音声を聞くこと、そしてそれをまねて発話を試みることで、それらの自然な形を学ぶことができるのです。

リピーティングこんな人におすすめ

リピーティングは、特に以下のような悩みや目標を持つ方におすすめです。

  • 英語を聞いた際に音と意味の理解は何とかできるが、どんな内容だったか記憶に残りにくい
  • 音声知覚、意味理解の強化はある程度進んだが、短期記憶強化が未だできていない
  • 効率的な方法でより多くの語彙や表現を長期記憶化したい
  • 記憶の強化と同時に、英語特有の音声変化や発音、抑揚・リズムの習得をしたい
  • シャドーイング活用した教材を違う形で有効活用したい

先述した通り、この中でも特に日々の会話の中で「英語の会話の中の音や意味も大体理解できるが、それを脳内に記憶してそれに合わせた反応をするのが苦手」という方にリピーティングがおすすめです。

リピーティングのやり方

リピーティングのやり方は、大きく分けて以下5つのステップに分けられます。

  1. 教材を選ぶ
  2. 音声を聞く
  3. 一文ずつ音声をポーズしながらリピーティング
  4. トランスクリプトでつまずいた箇所を分析・修正
  5. 再び一文ずつ音声をポーズしながらリピーティング

各ステップごとに解説も加えていきますので、順にチェックしていきましょう。

1.教材を選ぶ

まず、リピーティングで使用する教材を選びます。選ぶ教材は、必ず音声、トランスクリプト(字幕)の両方が付いたものを選びましょう。日英どとらもあるのがベストですが、最低でも英語のものが付いているのが最低条件です。

内容は自分が興味の持てるもので、形式はスピーチ、会話形式など自分が今一番学習すべきと感じる形式のものを選びましょう。

リピーティングは基本的にシャドーイング後に行えるようになる練習法なので、シャドーイングで使用しているのと同じ教材を使ってそれをリピーティングに活用するのもおすすめです。

2.音声を聞く

次に、音声を聞きます。まずは、一文ずつではなく全体の音声を聞いてみましょう。この時、トランスクリプトは見ません。どんな話の流れで音にどんなリズムがあるのか、話の意味はどんなものかを簡単に自分の中で整理してみてください。

どうしてもトランスクリプトなしでは音も意味も全く分からない、という場合のみトランスクリプトを目で追いながら音声を聞きます。

3.一文ずつ音声をポーズしながらリピーティング

全体の音声を確認できたら、いよいよリピーティングの練習に入ります。まずはピリオドがある文の終わりで音声を止め、聞こえた通りに発話していきます。

文の終わりまで聞いてからのリピーティングが難しい場合は、文中の接続詞やコンマ、意味の上で区切るのが適当な部分で適宜音声を止め、リピーティングしていきます。これを、音声の最後まで繰り返します。

4.トランスクリプトでつまずいた箇所を分析・修正

一度、トランスクリプトなしでリピーティングを行った後、トランスクリプトに目を通します。ここで、③のリピーティング時で自分が言えなかった箇所、スムーズに言えなかった箇所などをしっかり確認しましょう。

必要であれば、自分が言えなかった箇所だけもう一度音声を流した後、トランスクリプトを見ながら音読します。文字の力を借りながら、自分の発話が正しいリズムや音になるよう練習を重ねましょう。

5.再び一文ずつ音声をポーズしながらリピーティング

最後に、③と同じ要領で再び一文ずつポーズしながらリピーティングを行います。今回は2回目の練習、そしてトランスクリプトの内容を確認しているので、初回よりもよりスムーズにいくはずです。

もしここでもまだ躓く箇所があれば、適宜④の要領でそこを修正し、再びリピーティングをします。

リピーティングをより効果的に行うための3つのコツ

ここまで、リピーティングの効果と具体的なやり方をご紹介してきました。内容を読み進める中で、未だコツ・注意点が掴めないという方も多いでしょう。

そこでここからは、現役英語講師としてリピーティングをより効果的に行うためのコツを3つご紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。

必ずシャドーイング練習を先に行う

まず、リピーティングを行う前にシャドーイングの練習を行ってください。

それぞれの違いについては後述しますが、リピーティングはある程度の長さの英語を脳に記憶し、それを瞬時に発話するという練習法であるため、シャドーイングを通して音とほぼ同時に発話することが難しい方が実践しても、全く手が出ないということが多々あります。

もちろん、教材のレベルが1文5単語以内、ゆっくりな音声など簡単なものであればリピーティングの練習から始めても大丈夫です。

しかし、学習の効率を考えると、ある程度の単語数があり音声の速さも自然なものをシャドーイングした後に、同レベルの教材でリピーティングした方が効率も良いでしょう。まずは焦らず、シャドーイングの練習に取り組んでみてください。

全部言えたかと同時にそれが自然かどうかに着目

リピーティング練習では、もちろん耳で聞いた音声を自分で全部発話できたかも重要です。しかし、同時にその発話が自然かどうかにも着目してみてください。

仮に練習を繰り返して音声を全て言えたとしても、例えば間やリズムが悪かったり、抑揚がなく一本調子だったりと英語の発話として不自然だと、この練習を実際の会話に最大限生かすことが難しくなります。

これは他の練習方法を実践する場合にも起こりがちですが、練習を終わらせることが目標ではなく、それを通して得たい最終的な効果を得ることが本当の目標です。

自分の発話レベルを無視し、とりあえず英文を暗記して機械的に口に出すだけの練習は、非常にもったいないと言えます。ぜひ自分の発話の自然さにも着目しながら練習を進めていきましょう。

慣れてきたら自分の音声を録音してフィードバック

リピーティングの練習に慣れてきたら、自分の音声を録音して自分で聞いてみることをおすすめします。お持ちのスマホの機能を使って、簡単に音声の録音が可能です。

自分の音声を録音してみると、練習中には言えていると思っていた箇所が上手く言えていないということに気づいたり、より客観的な視点で自分の実力を測ることが可能になります。

先に挙げた、自分の発話の自然さに着目するのにもこの方法は役立ちます。初めは練習に必死で録音してそれを振り返る余裕がないと思いますが、ぜひ練習を始めて数週間を目途に取り組んでみてください。

シャドーイングとの違い

ここまでも折に触れてリピーティングとシャドーイングの違いについて軽く触れてきましたが、もっと具体的にその違いが知りたいという方も多いでしょう。

そこでここからは、シャドーイングの簡単な解説と共に、両者の違いをご紹介していきます。

シャドーイングとは

シャドーイングとは、簡単にまとめると「英語での聞き取り・発話の両方を強化する練習法」のことです。リピーティングとのやり方の上での最大の違いは、シャドーイングでは基本的に音声を聞きながら発話を行う点です。

リピーティングと異なり、常に音を聞きながら言い換えると音をヒントにしながら発話を行うことができるので、短期記憶の強化には基本的になりません。

両者の違いをまとめると以下のようになります。

  • シャドーイング…短期記憶の強化よりも音声知覚・意味理解の強化
  • リピーティング…音声知覚・意味理解よりも短期記憶の強化

難易度は、音声知覚と意味理解に合わせて記憶する作業も必要なのでリピーティングの方が若干高いと言えます。ただ、先述した通りシャドーイングをある程度できるレベルから始めれば、両者をほぼ同レベルの難易度と捉えて練習することが可能です。

シャドーイングは英語レベルに関係なく、リスニング力と発話力を強化したい全ての方におすすめです。特に「ネイティブが自然なスピードで話し始めると、何を言っているかさっぱり分からない」という方は、すぐにでもシャドーイングを始めてみましょう。

一方リピーティングは、ネイティブの会話は自然なスピードでも大体理解できるが、それをある一定期間聞き続けた後にそれに対して意見を述べるなどの何らかの反応する際、相手の発言が何だったか思い出せない等、短期記憶の強化が必要だと感じている方に特におすすめします。

リピーティングのおすすめ教材

最後に、おすすめのリピーティング教材をご紹介します。先述の通り、迷ったらまずはシャドーイングをした教材を使ってリピーティングを行うのがおすすめですが、事情によっては両者を分けて取り組みたい方もいるでしょう。

教材のタイプごとに整理して分かりやすくご紹介しますので、ぜひ活用してみてください。

おすすめスマホアプリ

スマホアプリの良さは何と言ってもその便利さです。ダウンロードしておくだけで、通勤や家事の合間にも気軽に取り組めます。より手軽にリピーティングに取り組みたいという方は、ぜひ試してみましょう。

VOA Learning English
費用:無料(App内課金あり)
対応OS:iOS、Android
開発会社:Innoloop Inc.

VOA Learning Englishというアプリでは、最新のニュースレポートから物語、教育・ビジネスなど実に幅広い分野の英語を音声・字幕、動画付きで学べます。

音声の再生速度の調整、気に入った内容を他デバイスと同期可能など、リピーティングの際に役立つ機能も複数搭載されています。

基本的に毎日コンテンツが更新されるので、毎回新たな題材を使って飽きることなくリピーティングを続けたい方にぴったりです。アメリカにまつわる話題が中心なので、アメリカ文化について学びを深めたい方にもおすすめできます。

appstore

googleplay

おすすめ書籍教材

書籍を教材として選ぶ場合は、ネイティブの自然な発音やスピード、音声変化が含まれる音声が収録されているもの、必ずトランスクリプトが付いているものを選んでください。

音源のレベルは、自分で聞いてみて8割程度意味が理解できるものであるのが望ましいと言えます。可能な場合は、購入前に実際の音源やトランスクリプトの内容を確認するのがおすすめです。

音読パッケージトレーニング

 

音読パッケージトレーニングは使用されている単語や文法が中学レベルなため、リピーティング初心者の方でも安心して使用できます。

本書は音読とリピーティング、シャドーイング全てを実践できるという構成になっており、CD音声にはすでにリピーティング用のポーズも収録されています。

そのため、練習の際に自分で音を止める作業を省けるのでとても楽です。また、リピーティングの前に同じ教材で音読・シャドーイングもやりたいと思っている方にはぴったりの教材と言えます。

まずは初心者レベルの教材で、基礎から練習を重ねたい方は試してみましょう。

TOEIC 公式問題集

 

TOEICを会社で受ける必要があるため問題集がすでに手元にあるという方もいるでしょう。そんな方はぜひ問題集内のパート3,4を使ってリピーティング練習をしてみてください。

それぞれの音声が1分以内、トランスクリプトも日英両方ついているため、リピーティングも非常にやりやすいです。

TOEIC問題集を使えば、リピーティングの練習がそのままテスト対策にもなります。特に効率よくテスト対策と英語のリスニング・スピーキングの対策をしていきたいという方におすすめです。

おすすめ音声

オンライン上でアクセス、またはダウンロードするだけの音声教材もリピーティングに活用できます。種類としては音声だけのもの、動画と音声が収録されたものがあります。どちらでも自分の好みのものを選んでOKですが、必ずトランスクリプト付きのものを選びましょう。

音声タイプの教材は、色んなジャンルの音声を自分好みに組み合わせながら練習を進めていきたいという方に特におすすめです。

TED

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リスニングレベルが中級以上の方には、各分野の著名人のスピーチを動画で無料視聴可能なTEDをおすすめします。

日英どちらもトランスクリプト表示可能、音声スピードも調整可能なため、リピーティングの練習にもぴったりです。

まずは自分が興味のある分野や、好みのスピーカーのスピーチから練習を始めてみましょう。基本的なプレゼンテーションの型も自然に学べるため、将来仕事で英語でスピーチをする必要があるという方にもおすすめできます。

BBC Learning English

公式サイトを開く

普段から聞きなれたアメリカ英語ではなく、あえてイギリス英語でリピーティングの練習をしたいという方におすすめなのが、イギリス公共放送局BBCが運営する英語学習サイトです。

学習者のレベルに合わせて教材が整理されており、日常会話からニュースまで幅広い種類の音声を使ってリピーティングの練習ができます。

英語のトランスクリプトが表示できるので、自分の音声との照らし合わせや内容の確認も文字で行えます。

まとめ

リピーティングは、特に短期記憶の強化に効果が期待できる英語学習法です。

今回お伝えしたようなリピーティングの目的や効果、具体的なやり方を念頭に取り組むと、最後まで挫折せずに学習を進めることができるでしょう。

ぜひ、あなたも楽しくリピーティングの練習を重ね、その成果を英会話に活かしてみてくださいね。

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リー 木嶋 実有紀

リー 木嶋 実有紀

「英語を使って自分の視野をもっと広げたい!」との思いから、国際関係や異文化理解を学べる学科に進み、カナダの大学に一年間留学。日本で約4年間、公立小学校で英語を教える傍ら、個人英会話教室でも英語を教える。アメリカ人の夫との結婚を機に2014年に渡米。アメリカ・日本にお住いの方に英語レッスンを行う。英語学習歴は15年以上、教授歴は10年。「今からでもすぐに使える、実践的な内容」をお届けします。

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