レストランで海外の方に接客するのは珍しくない時代になりました。とはいえ、やはり、英語での接客には緊張してしまいますよね。
「料理のことを聞かれたら、とてもじゃないけれど説明できない」と頭を抱えてしまうかもしれませんが、難しく考える必要はありません。
お客さまからすれば、食べたいものが注文できればOKなのです。そうであれば、難しい料理の説明などはつたない英語で説明するより、読んだり見たりして理解するものを用意しておけば事足ります。
それよりも、基本の短いお声がけ英語フレーズをたくさん覚えておくほうが、よいおもてなしをすることができます。日本語でも英語でもレストランの接客は決り文句がとても多いものです。
シンプルで覚えやすい基本の英語フレーズをばっちり使えるようにしておくと、海外からのお客さまが来店されても気持ちよく過ごしてもらうことができますよ。
ということで、今回はレストランの接客で使える30の英語基本フレーズを「来店時」「注文時」「サーブ時」「お支払い時」のシチュエーションに分けてご紹介します。
まずは来店時の接客をスマートに!レストランで活躍する5つの定番英語フレーズ
海外のお客さまが来店されたら、まずは笑顔でごあいさつ。“Hi ” とシンプルにお伝えして、スマートにお席にご案内しましょう。
尋ねることは日本語とそれほど変わりません。人数、予約の有無、席の希望、待ち時間を伝えることができれば、注文を聞く準備は完了です。
【意味】何名様ですか?
【発音記号】aʊ ˈmɛni ɪn jʊər ˈpɑrti
【カナ読み】ハウ メニー イン ユアー パーティ
レストランの来店時に人数を確認できるフレーズです。Partyは「団体」という意味です。同じ意味でシンプルな表現として、次の言い方も覚えておくとよいでしょう。
- For how many?
- Table for 2?
(何名様ですか?)
(2人です。)
(かしこまりました。 どうぞこちらへ。)
(ありがとう。)
【意味】ご予約ですか?
【発音記号】du ju hæv ə ˌrɛzərˈveɪʃən
【カナ読み】ドゥ ユー ハヴ ア レザーヴェイシャン
あなたのレストランが予約を受け付けているお店であれば、来店時に人数と共に確認するとよいでしょう。
(ご予約ですか?)
(はい。)
(お名前をお願いします。)
(山田です。)
(山田様、ご来店ありがとうございます。どうぞこちらへ。)
【意味】待ち時間は10分ほどです。
【発音記号】ɪt wɪl bi əˈbaʊt eɪ 10-ˈmɪnət weɪt
【カナ読み】イット ウィル ビー アバウト 10ミィネット ウェイト
予約がない場合、時間帯によっては待ち時間が発生することも。気分よく待ってもらえるように声がけするのは接客の基本です。
目安の待ち時間をきちんと伝えたいときに便利なフレーズですので、覚えておきましょう。
(待ち時間はどのくらいですか? 予約はしていません。)
(10分程度です。お待ちになりますか?)
(はい、待ちます。)
(ありがとうございます。)
【意味】ボックス席はいかがですか?
【発音記号】wʊd ju laɪk ə buθ
【カナ読み】ウッジュー ライク ア ブース
具体的な座席に案内したいときに使えるフレーズです。接客のプロとして、心地よく過ごせる席をおすすめしたいものです。
使い方は “Would you like〜”の後にそのまま続ければOKです。おすすめする席の言い回しバリエーションを紹介しますので、あなたのお店にあったものを使ってみてください。
(角のテーブル席)
(窓際の席)
(眺めのいい席)
(お座敷席)
【意味】お好きな席へどうぞ。
【発音記号】wɪˈʧɛvər wʌn ju laɪk
【カナ読み】ウィッチ エヴァー ワン ユゥ ライク
お客様にお好きな席を選んでもらうときに使えるフレーズです。
(窓際の席に座ってもいいですか?)
(もちろんです!お好きなお席にどうぞ。)
(いいね!ありがとう。)
注文時の接客もシンプルでOK!10の英語定番フレーズ
料理の説明は写真や詳しい英語解説を添えたメニューを用意しておけば、お客さまは注文に困ることはありません。ぜひ、お店でそのような準備をしておくことをおすすめします。
覚えておくべきはシンプルな決り文句です。お客さまが注文しやすくなるようなお声がけ、気遣いフレーズをばっちりおさえておきましょう。
【意味】こちらがメニューです。
【発音記号】hir ɪz ðə ˈmɛnju
【カナ読み】ヒァ イズ ザ メニュー
お客様に「こちらが○○です。」と言う時の接客定番フレーズです。メニュー以外でも頻繁に使われる簡単なフレーズなので、覚えておきましょう。
(コーヒーをお持ちしました)
(予備のナプキンをお持ちしました)
【意味】ご注文はお決まりですか?
【発音記号】ɑr ju ˈrɛdi tu ˈɔrdər
【カナ読み】アー ユー レディ トゥー オーダー
ご注文をお伺いするときの定番フレーズです。まだ決まっていない場合もあるので、あわせて聞いてあげると親切ですね。
(ご注文はお決まりですか?それとも、もう少し後にしますか?)
(もう少しメニューを見させてください。)
(かしこまりました。)
【意味】(ご注文は)何になさいますか?
【発音記号】wʌt kæn aɪ gɛt fɔr ju
【カナ読み】ワット キャナイ ゲット フォー ユ ー
ご注文が決まったお客様に尋ねる最初の一言定番フレーズです。追加のオーダーをお伺いするときにも使えます。
【意味】牛丼は当店一番人気です。
【発音記号】gyudon ɪz ˈaʊər moʊst ˈpɑpjələr dɪʃ
【カナ読み】ギュードンイズ アワ モースト ポピュラー ディッシュ
ご注文時、おすすめを聞かれたときや、迷っている時に使える接客フレーズです。季節ごとのおすすめ、男性・女性のおすすめなど、あなたオリジナルのおすすめリストを考えておくと、素敵なおもてなしができますよ。
(すみません。)
(ご注文は何になさいますか?)
(おすすめは何ですか?)
(**は当店で一番人気です。)
(いいね、それにします。)
(きっとお気に召しますよ!)
【意味】こちらのお料理は、スープかサラダが選べます。
【発音記号】ju hæv ə ʧɔɪs ʌv ə sup ɔr ˈsæləd
【カナ読み】ユー ハヴ ア チョイス アヴ ア スープ オア サラッド
レストランのセットメニューには、お得なサイドメニューが付いていることが多いですね。お客さまに選んでもらうときに使えるフレーズです。
(スープかサラダをお選びいただけます。野菜スープか海藻サラダです。)
(海藻サラダで。)
(はい。では、海藻サラダをお持ちします。)
(ありがとう。)
【意味】ステーキの焼き加減はどうなさいますか?
【発音記号】haʊ du ju laɪk jʊər steɪk kʊkt
【カナ読み】ハウ ドゥー ユー ライク ユア ステイク クックド
ステーキの焼き加減は必ず確認を取りましょう。基本的な焼き加減は5種類です。
- Rare:表面は焼けているが、中は生の状態
- Medium rare:レアよりも火が通っており、中心部が生の状態
- Medium:断面が薄っすらとピンクで、少しだけ肉汁がでることもある状態
- Medium well:生な部分はないけれど、肉の柔らかさもある状態
- Well done:中までよく焼いてあり、柔らかさが少ない状態
【意味】他にご注文はございますか?
【発音記号】kæn aɪ gɛt ju ˈɛniˌθɪŋ ɛls
【カナ読み】キャナイ ゲッチュー エニィスィング エルス
ご注文の最終確認の定番フレーズです。聞き忘れのないように間違いのないようにしたいですね。同じ意味で他の言い方も覚えておくと便利です。
- Would you like to order anything else?
- Would you like to add anything else?
(他にご注文はございますか?)
(いいえ、大丈夫です。)
(では、お飲み物をお持ちします。)
(ありがとう。)
【意味】メニューをお下げします。
【発音記号】aɪ wɪl hæv/teɪk ðɛr(ˈmɛnju)aʊt ʌv jʊər weɪ
【カナ読み】アイル ハヴ/テイク ゼァ(メニュー)アウト アヴ ユア ウェイ
ご注文後は食事の邪魔にならないよう、不要なメニューを下げるときに使えるフレーズです。まだメニューが必要な時には、お客様からリクエストがあるはずです。
“Take out of your way” はここでは「片付ける」という意味で使います。
(メニューをおさげします。)
(メニューは持っていていい? 後で、他に注文するかもしれないから。)
(どうぞ。)
【意味】お飲み物をお持ちします。
【発音記号】aɪ wɪl bi raɪt bæk wɪð jʊər drɪŋks
【カナ読み】アイル ビー ライトバック ウィズ ユア ドリンクス
直訳すると、「あなたの飲み物を持って、すぐ戻ってきます」という意味。何かをお持ちする際に使う定番フレーズなので、覚えておきましょう。レストラン以外でもヘビロテできる言い回しです。
【意味】お料理はすぐにきますのでお待ちください。
【発音記号】jʊər fud wɪl bi raɪt aʊt
【カナ読み】ユア フード ウィル ビー ライト アウト
レストランでは、こういったお声がけは大切です。お料理はまだですか?と聞かれたときにも使います。
ここでの”out” は「見えないところから目の前に出てくる」というニュアンスです。”Right” は「すぐ」なので、“ It will be right out” で「すぐ出てきます」という意味になります。
(お飲み物です。)
(ありがとう。)
(お料理はすぐにきます。)
受け答え、お声がけに挑戦!サーブ時、食事中に使える10の接客定番英語フレーズ
注文が完了すれば、第一段階終了でホッと一息ですね。次は食事のサーブや食事中の受け答え、お声がけのフレーズの出番です。レストランでの楽しいひとときを過ごしてもらえるように、受け答えやお声がけは積極的にチャレンジしましょう。
【意味】ただいま伺います。
【発音記号】aɪ wɪl bi ɪn ə ˈmɪnət
【カナ読み】アイル ビー インナ ミィネット
「すみません」と声をかけらたら、この一言で、直ぐに伺う意思を伝えましょう。混み合った店内や手が離せない状況のときによく使われるフレーズです。
よく似た表現では、
(すぐに伺います)
(すでに向かっているニュアンスです)
【意味】お待たせしました。
【発音記号】sɑri tu kip ju ˈweɪtɪŋ
【カナ読み】サーリィー トゥー キープ ユー ウェイティング
ご注文をお伺いする時、お料理をお持ちする時などまずはこの一言を添えると丁寧な接客になります。レストラン内での英会話ではマストのフレースですね。
(すみません。)
(ただいまうかがいます。)
(お待たせしました。ご注文は何になさいますか?)
(子供用のメニューをもらえますか?)
(かしこまりました。)
【意味】こちらがデザートです。
【発音記号】hir ɪz jʊər dɪzˈɚːt
【カナ読み】ヒア イズ ユア ト
何かを提供する時の定型フレーズです。ちなみに食後のデザートは“dessert” です。砂漠を意味する”desert” とは綴りと発音が違いますので、練習しておくといいですね。
(アクセントは後、ディザート、「ディ」と発音)
(アクセントは前、デザート、「デ」と発音)
【意味】ご注文はおそろいですか?
【発音記号】ɪz ðæt ˈɛvriˌθɪŋ
【カナ読み】イズ ザット エヴリィスィング
オーダーが全て揃っているか、最終確認するときに使うフレーズです。
(こちらがAランチとお飲物です。ご注文はお揃いですか?)
(はい、ありがとう。)
言い方は違いますが、次のように聞いても同じですね。
(他にありますか?)
また、ケーキを頼んでいるのに飲みものがない、スープを頼んでいるなら、パンどうか、デザートはどうか、少し気遣いのある接客をする場合は次のフレーズが便利です。
(飲み物/パン/デザートはいかがですか?)
【意味】ごゆっくりどうぞ。
【発音記号】ɛnˈʤɔɪ ðə mil
【カナ読み】エンジョイ ザ ミール
“Enjoy 〜”で、「〜を楽しむ=食事を楽しむ=ごゆっくりどうぞ」となります。Mealの代りにdinnerやlunchを使ってもいいですね。
注文が決まらなくて慌てているような場合につかう「ごゆっくりどうぞ」は “Take your time.” を使います。
【意味】お食事(お味)はいかがですか?
【発音記号】haʊ ɪz ˈɛvriˌθɪŋ
【カナ読み】ハウズ エヴリィスィング
お客様がお食事を楽しんでいるかどうかを声がけできると、スマートな接客です。このお声がけでお客様との会話を楽しむきっかけにもなりますし、追加注文をいただけることも。
おもてなしフレーズとして、覚えておくと便利です。
【意味】(追加の)お飲み物はいかがですか?
【発音記号】wʊd ju laɪk əˈnʌðər drɪŋk
【カナ読み】ウッジューライク アナザー ドリンク
お食事をお楽しみいただいたあとに追加注文を提案するおもてなしフレーズです。提案されると欲しくなってしまうことって、多いですよね。
(お飲物はいかがですか?)
(コーヒーをお願いします。)
(あなたはいかがですか?)
(私は紅茶をお願いします。)
(かしこまりました。お飲物をお持ちしますので少々お待ちください。)
(ありがとう。)
【意味】申し訳ありません、直ぐに確認します。
【発音記号】sɑri, aɪ wɪl goʊ ʧɛk ɑn ðæt
【カナ読み】サーリィ アイ ル ゴー チェック アン ザット
お客さまから間違いのご指摘があった場合はすぐに確認。自分の落ち度ではないかもしれませんが、丁寧にお詫びを添えましょう。
(すみません、お料理がまだきていません。)
(申し訳ありません、直ぐに確認します。)
(わかりました。)
【意味】お皿をお下げしましょうか?
【発音記号】kæn aɪ teɪk jʊər pleɪt
【カナ読み】キャナイ テイク ユア プレイト
お客様のお食事が終わり、狭いテーブルに空のお皿がいっぱいになっているときに使うフレーズです。
【意味】お会計伝票をここに置きます。
【発音記号】aɪ wɪl liv ðə ʧɛk hir
【カナ読み】アイル リーヴ ザ チェック ヒア
海外では、テーブル会計が主流のため、日本のお会計伝票に戸惑う人も多いです。きちんと一言伝えてから、お渡ししましょう。
お会計伝票を持って、レジでのお支払いをお願いする際の説明は次の通りです。 急かすことのないよう、“No rush”を添えるとスマートです。
(おかえりの準備ができましたら、この伝票を持って、レジでお会計をお願いします。ごゆっくり)
お会計からお見送りで使える5つの接客定番英語フレーズ
お食事後の接客は残すところ、お会計とお見送りです。お支払いの接客英語フレーズはレストランに限らず、どこでも使えますので、覚えてしまえば大丈夫です。レストラン特有の「別々でお勘定」「割り勘」の違いは要チェックです。
【意味】お会計はご一緒ですか?別にしますか?
【発音記号】wʊd ju laɪk tu peɪ təˈgɛðər ɔr ˈsɛpərətli
【カナ読み】ウッジューライク トゥ ペイ タゲザー オア セパラトリ
複数人でのお食事のときに「別々で支払う」を表現する定番フレーズです。必ず覚えておきましょう。レジの横に書いておくと便利ですよ。
ちなみに、割り勘のときは“split(the bill)” を使います。
【意味】お支払いはどのようにされますか?
【発音記号】haʊ wʊd ju laɪk tu peɪ
【カナ読み】ハウ ウッジュー ライク トゥ ペイ
お支払い方法を確認する際の定型フレーズです。お会計伝票を渡されたら、“このフレーズが自然に口から出る”が理想形です。
【意味】暗証番号の入力をお願いします。
【発音記号】ɛntər jʊər pɪn, pliz
【カナ読み】エンター ユア ピン プリーズ
クレジットカードでのお会計では暗証番号の入力をお願いすることは多いので、覚えておきたいフレーズです。
【意味】おつりです。
【発音記号】hir ɪz jʊər ʧeɪnʤ
【カナ読み】ヒア イズ ユア チェインジ
おつりをお渡しする際も、“here is” を使います。お会計での英語のフレーズはシンプルに、流れで覚えておきましょう。
お会計時の会話のやりとりにまとめると、次のようになります。
(お会計伝票です。)
(ありがとうございます。お会計はご一緒ですか、別にしますか?)
(一緒でお願いします。)
(お支払い方法はどうなさいますか?)
(カードで。)
(暗証番号の入力をお願いします。ありがとうございます。こちらがレシートです。)
(どうもありがとう。)
【意味】ご来店ありがとうございました。
【発音記号】θæŋk ju fɔr ˈkʌmɪŋ
【カナ読み】サンキュー フォー カミング
お見送りもシンプルかつ、丁寧に。
(ありがとうございました。またのご来店をお待ちしています。)
まとめ
以上、レストランの接客として、入店時、注文時、サーブ時、お会計時の4つのシチュエーションに分けて20の英語フレーズをお届けしました。
レストランでの接客英会話は、基本的にとてもシンプルです。来店から見送りまでの流れで、1日に何度も使うことで自然に身に付きます。慌てる必要は全くありません。ゆっくりと、丁寧に話すことが、上達の近道です。
英語落ちこぼれ中学時代を過ごしました。「魔女の宅急便」に憧れて「外国に住みたい!」と思うようになり、高校時代は英語を猛勉強。その後アメリカ ウィスコンシン州に留学。商社、メーカーでの貿易業を経てライターに。微妙なニュアンスやイメージが分かりやすい記事をお届けします。
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