suchは、日常生活の会話でも使用される便利な単語です。今まで耳にしたことがある、或いは自分でも使ったことがあるという方も多いでしょう。
今回の記事では、そんなsuchの意味や使い方について、具体的な例文を用いながら詳しく解説していきます。記事後半は、使用の際の注意点や語源、類語についても学べる内容です。
馴染み深い単語について今一度理解を深めたい!という方はぜひ参考にしてみてください。
suchの意味
suchには形容詞、代名詞の2つの品詞があり、ぞれぞれの品詞ごとに異なる意味が複数存在します。その数は厳密に数えると13個です。
ここでは、その中でも覚えておくと良い、代表的な10個の意味をご紹介していきます。
このような、こんな、そんな、あんな
最初にご紹介するのは、suchの限定用法の形容詞としての意味、「このような、こんな、そんな、あんな」です。何かの種類や範囲を表す形容詞の意味として活用可能です。
例えば、「私はそんな人にはなりたくありません」という例文内、「そんな」の部分にこのsuchの意味を活用できます。
~のような
suchには形容詞として「~のような」という意味もあります。この意味で使用する場合、文の形は「such ~as」となります。
例えば、「彼女のような従業員はとても珍しいです」内、「彼女のような」の部分に「such~as」の形と意味を活用します。
あれほどの、あんなに、このように、非常に、とても
次にご紹介するのは、suchの程度を表す形容詞としての意味「あれほどの、あんなに、このように、非常に、とても」の意味です。
形容詞でありながら、副詞的な意味で使用するのが特徴で、「such+副詞+名詞」の形になります。
例えば、「そんな短時間で宿題を終わらせることはできません」内、「そんな短時間で」の部分にこの意味のsuchを使用します。
非常な、大変な
suchを名詞の前に直接用いると、「非常な、大変な」という意味になります。例えば、「私はひどく急いでいました」内、「ひどく」の部分にこのsuchの意味を活用できます。
大した、すごい、途方もない、とんでもない
口語で程度を表す形容詞として、suchには「大した、すごく、途方もない、とんでもない」という意味もあります。
名詞の前に直接用い、意味を強める言葉としてしばしば会話の中で使用されます。例えば、「とってもおもしろかったです!」内、「とっても」の部分にこの意味のsuchを使用します。
非常に~なので
suchには程度を表す形容詞としての意味、「非常に~なので」という意味もあります。この意味もしばしば口語の会話で活用され、文の形は「such~that~」となります。
例えば、「彼は怖さのあまりその運転手に声を上げました」内、「怖さのあまり」の部分にこのsuchの意味を活用しましょう。
~ほどのひどい~
suchの形容詞の最後の意味としてご紹介するのは、「~ほどのひどい~」です。この意味でのsuchもよく会話の中で使用されます。文の形は「such~as」となるのが特徴です。
例えば、「今感じているものほどひどい頭痛を感じたことはありません」内、「今感じているほどのひどい頭痛」の部分にこのsuchの意味と文の形を活用します。
こんな事、もの、人、そんな事、もの、人
suchの代名詞の1つ目の意味としてご紹介するのは、「こんな事、もの、人、そんな事、もの、人」です。
例えば、「私達には別のそんな機会は訪れないでしょう」内、「別のそんな機会」の部分にこの意味のsuchを配置します。
~するような人、もの
次にご紹介するのは、suchの代名詞の意味「~するような人、もの」です。
例えば、「私達の中で彼のことを知っているような人は、恐らく驚くでしょう」内、「彼のことを知っているような人は」の部分にこの意味のsuchを活用します。
~のような種類、性質のもの
最後にご紹介するのは、suchの代名詞としての意味「~のような種類、性質のもの」という意味です。この意味で使用する場合、文の形は「such that~」となります。
例えば「彼女の態度は皆が彼女のことを好きになるようなものでした」内、「皆が彼女を好きになるようなもの」の部分にこの意味のsuchを活用しましょう。
suchの発音・読み方
それではここから、suchの発音と読み方を確認していきましょう。
suchの発音記号
発音記号にすると、は「səʧ」と表記されます。
suchの発音・読み方
suchの発音・読み方は、日本語で「サァチ」となります。
まず、最初の「sə」の発音は舌先を前歯のすぐ裏の歯茎に付け、その隙間から「ス」と息を吐き出すようなイメージで「s」の音にします。「ə」は口を大きく開かず弱く曖昧に「ア」と出し、これら2つを合わせ「サァ」とします。
次に「tʃ」の部分は唇を前に突き出し、息を吐き出すようなイメージで強めに「チ」と出します。
suchの発音は、英語特有の息を吐き出すような音を再現できるかがポイントです。ぜひ上記のポイントを参考にして、何度も練習してみてください。
suchの使い方と例文
ここまで、suchの形容詞・代名詞としてのそれぞれの意味、発音のポイントについてご紹介してきました。
以下からは、まずsuchの使い方を学ぶ際のポイントのまとめ、そして具体的な例文を交えた解説をしていきます。実際の会話の中でより実践的にこの単語を使用したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
suchの使い方
suchはまず品詞の違いと、文の形、あるいは文中のsuchの位置に着目しながらそれぞれの使い方を整理していくのがおすすめです。
suchのそれぞれの意味は、日本語にすると近いものが多いため、意味の違いのみに着目する方法では混同しやすくなります。ぜひ、意味の違い以外の点でそれぞれの使い方を整理していきましょう。
suchの例文
早速以下から、suchを使った具体的な例文を用いて使い方を解説していきます。
新しく学んだ単語は、単語と意味のみ単独で暗記するのではなく、より具体的な例文に落とし込んで暗記する方が効率的です。
自分なら、どんな場面でこの例文を応用するだろう?という視点を持って以下を読み進めてみてください。
suchを使った例文①
最初にご紹介するのは、suchの限定用法の形容詞としての意味「このような、こんな、そんな、あんな」を活用した例文です。
意味は、「私はそんな人にはなりたくありません」となります。例文のようにsuchは単数形の名詞の直後に配置します。
会話文例
(時々なら嘘をついてもよいでしょう。)
(いいえ、私はそんな人にはなりたくありません。)
suchを使った例文②
suchには形容詞としての意味「~のような」を活用した例文は、「彼女のような従業員は珍しいです」という意味を表します。
この意味で使用する場合、文の形は「such ~as」となります。
会話文例
(彼女のような従業員は珍しいです。)
(正に。彼女なような働き者の従業員を見つかるのは難しいですよね。)
suchを使った例文③
口語で程度を表す形容詞としてのsuchの意味、「大した、すごく、途方もない、とんでもない」を活用したこの例文は、「とってもおもしろかったです!」という意味を表します。
例文の通り、suchは名詞の前に直接用い、意味を強める言葉としてよく口語で使用されます。
会話文例
(ところで、旅行はどうだった?)
(とってもおもしろかったよ!)
suchを使った例文④
次にご紹介するのは、suchの程度を表す形容詞の意味「非常に~なので」を活用した例文です。意味は、「彼は怖さのあまりその運転手に声を上げました」となります。
しばしば口語の会話で活用し、文の形は「such~that~」となるのが特徴です。
会話文例
(彼は怖さのあまりその運転手に声を上げました。)
(わぁ、それはクレイジーだね!)
suchを使った例文⑤
suchの代名詞の意味、「こんな事、もの、人、そんな事、もの、人」を活用したこの例文は、「私達には別のそんな機会は訪れないでしょう」という意味を表します。
代名詞なので基本的には名詞と同様、動詞の後などに配置し目的格として活用します。
会話文例
(それは本当に素晴らしい経験だったよ!)
(そうだよね。私達には別のそんな機会は訪れないだろうな。)
suchを使った例文⑥
最後にご紹介するのは、suchの代名詞としての意味「~のような種類、性質のもの」を活用した例文です。
例文の意味は、「彼女の態度は皆が彼女のことを好きになるようなものでした」となります。文の形は「such that~」となるのが特徴です。
会話文例
(彼女の態度は皆が彼女のことを好きになるようなものでした。)
(同感です。彼女は素晴らしい人ですよね!)
suchを使う際の注意点
実は、suchにはここまでご紹介してきた意味と使い方以外に、複数のイディオムとしての意味も存在するので、注意が必要です。
以下から、この点について解説していきます。
suchのイディオムとしての意味と使い方も整理しておこう
まず、イディオム「such as」は「例えば、~など」という意味を表します。
例えば、「私はリンゴ、ミカン、パイナップルなどのフルーツが好きです」と言いたい場合、「I like fruits, such as apples, oranges and pineapples. 」とこのイディオムを使って表現できます。
イディオム「such and such」も特に口語で良く耳にする表現です。「これこれ、何何、誰誰」という意味で、会話の中でさほど重要でない事柄について表現したい際に使用します。
例えば、「She said she had met such and such.」は「彼女は誰誰と会ったと言っていました」と表現できます。
以上の通り、suchにはイディオムとしての意味と使い方も複数ありますので、これらについても整理しておきましょう。
suchの語源
英語の語源を知ることは、その単語への更なる理解を深めることに繋がります。以下から、suchの語源について学んでいきます。
suchの語源は古英語「swylc」、「swilc」
suchの語源は、1200年頃の古英語、「swylc」もしくは「swilc」だとされています。これらの類語には、当時から「ちょうど~のような、~のように、そのように」などの意味がありました。
2つの語源はどちらも現代のsuchの形とかなり異なりますが、意味は類似しています。長い歴史をかけて異なる意味や使い方が加わってきた様子が伺えるのがおもしろいですね。
suchと意味が似ている単語
最後に、suchと意味が似ている単語、いわゆる類語を複数ご紹介します。表現力豊かな会話を実現するためにも、類語を暗記して上手く使いこなすことは大変有効です。
ぜひあなたも下記の内容を参考にして、実際の英語での会話に活かしてみてください。
comparable
最初にご紹介するのは、形容詞で「相当する、同等の、類似の」という意味を表す「comparable」です。suchの「~のような」の類語として活用できます。
但し、suchよりもフォーマルで堅い響きとなります。
comparableを使った会話文例
(この動物と人間は類似した構造をしています。)
(それはとても興味深いですね!)
corresponding
次にご紹介するのは、形容詞で「一致する、対応する」という意味を表す「corresponding」です。この類語もsuchの「~のような」の類語として活用可能で、かなり硬い響きを持ちます。
corresponding を使った会話文例
(同じことが昨年の同時期に起こりました。)
(本当ですか?まだその問題を解決できてないようですね。)
equivalent
最後にご紹介するのは、形容詞で「同等の、同価値の、同等で、相当する」などの意味を表す「equivalent」です。先にご紹介した類語と同様、suchよりもフォーマルで硬い響きを持ちます。
equivalentを使った会話文例
(日本円では5ドルはいくらに相当しますか?)
(どうなんでしょう。350円くらいですかね?)
まとめ
suchは形容詞・代名詞共に異なる意味を複数持つため、それぞれの使い方しっかり整理する必要があります。これに加えてイディオムとしての使い方も整理できると、日常生活での会話にも役立てる単語です。
当記事内容を参考にして、ぜひあなたもすsuchを使いこなしてみてください。
リー 木嶋 実有紀
「英語を使って自分の視野をもっと広げたい!」との思いから、国際関係や異文化理解を学べる学科に進み、カナダの大学に一年間留学。日本で約4年間、公立小学校で英語を教える傍ら、個人英会話教室でも英語を教える。アメリカ人の夫との結婚を機に2014年に渡米。アメリカ・日本にお住いの方に英語レッスンを行う。英語学習歴は15年以上、教授歴は10年。「今からでもすぐに使える、実践的な内容」をお届けします。
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