whichは、中学・高校英語でもお馴染みの単語であると共に、日常会話でも非常によく使用される単語です。そのため、今まで耳にしたことがある、或いは実際に使用したことがあるという方も多いでしょう。
そこで今回の記事では、そんなwhichの意味や使い方について徹底解説していきます。具体的な例文を交え、発音や使用の際の注意点も学べる内容です。
この記事を読めば、今までぼんやりしていた意味や使い方が明確になり、ネイティブとの会話に自信を持つことができるようになります。
ぜひ参考にしてみてください。
whichの意味
whichには、大きく分けて疑問代名詞、関係代名詞、形容詞としての意味が存在します。大きく分けると品詞はこれら3つですが、それぞれの品詞ごとに複数の意味があります。
全ての意味をご紹介すると、15個以上になってしまうので、今回はその中でも覚えておくとよいものを厳選して解説していきます。
どちら、どれ、どの人
まず、whichには疑問代名詞として「どちら、どれ、どの人」という意味があります。この意味でwhichを使用する場合、一定数のものや人の中からの選択に関する事柄に対して使用します。
この意味で使用する場合、whichは主語、補語、目的語、間接疑問の節など複数の役割を果たします。
例えば、「この写真の中で君のお兄さんはどれですか?」、「その中でどれが一番好きですか?」などの例文内、「どれですか」、「どれが」の部分にwhichを活用しましょう。
(制限的用法で)~する・したもの、事
次にご紹介するのは、whichが関係代名詞として持つ「~する・したもの、事」という意味です。この意味で使用する場合、関係代名詞の制限的用法で使用します。
この意味・用法でwhichを使用する時、whichを含む部分は主格、所有格、目的格などの役割を果たします。また、主格・目的格で使用する場合、whichはthatに書き換え可能です。
例えば、「東京で走るその地下鉄は、地下鉄大江戸線と呼ばれます」、「これが私が先日読んだ本です」内、「東京で走るその地下鉄は」、「私が先日読んだ本」の部分でwhichを活用できます。
(非制限的用法で)そしてそれは~を、しかしそれは~を
whichには、関係代名詞の非限定用法での意味に「そしてそれは~を、しかしそれは~を」という意味もあります。
この非限定用法での使用は、日本の英語教育ではあまり強調して教えられませんが、実は日常会話のレベルでも非常によく使用されます。
限定用法で用いるwhichとは異なり、非限定用法の場合はthatに置き換え不可能、かつ省略もできません。口語のレベルで、あえて形式ばった言い方で何かを強調したい場合などに使用すると効果的です。
例えば、「私は新聞を読み始めたが、私には少し難しかった」、「彼は彼女を昨晩見たと言いましたが、それは嘘でした」内、「私はその新聞を読み始めたが」、「彼は彼女を昨晩見たと言いましたが」の意味をwhichが担います。
(名詞節を導いて)~するのはどちらでも
whichには関係代名詞で名詞節を導く場合、「~するにはどちらでも」という意味もあります。
例えば、「どちらでもお好きな方を取っていいですよ」という文章内、「どちらでもお好きな方を」の部分にこのwhichの意味を活用できます。
どちらの、どの、いずれの
最後にご紹介するのは、whichの形容詞としての意味「どちらの、どの、いずれの」です。この意味で使用する場合、whichは限定形容詞となります。
例えば、「これとそれ、あなたはどちらのお茶が好きですか?」内、「どちらのお茶が」の部分にこの意味のwhichを活用しましょう。
whichの発音・読み方
それでは以下から、whichの発音と読み方を確認していきましょう。
whichの発音記号
発音記号にすると、whichは「(h)wiʧ」と表記されます。
whichの発音・読み方
whichの発音・読み方は、日本語で「ウィチユ」となります。
まず、日本語のワの音を意識しながら、唇を丸めた形のまま前に突き出し、短く「ウ」と発音することで最初の「w」の音にします。
次に「i」は日本語のエとイの中間の音を意識し、それぞれを同時に言うような意識で「イ」と発音します。
最後に、「tʃ」は唇を丸めた形のまま前に突き出し、息を吐き出すようにして「チュ」と出します。
厳密に言うと、whichを構成するそれぞれの音は日本語にない音です。しかし、解説したように日本語の中にそれに近い音が存在しますので、その音を参考にしながら何度も発音の練習を繰り返してみましょう。
whichの使い方と例文
ここまで、whichの疑問代名詞、関係代名詞、形容詞としての代表的な意味と発音のポイントについてまとめてきました。
以下からは、まずwhichの使い方を学ぶ際のポイントをまとめた上で、実際の例文を解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。
whichの使い方
whichは、それぞれの品詞と用法ごとにその使い方を整理していくのがおすすめです。品詞と用法の違いに着目しながら、それぞれの使い方をすっきり整理していきましょう。
whichの例文
早速以下から、具体的な例文を用いてwhichの使い方を確認していきます。
新たな単語を意味だけを暗記した状態で放置しておくのは、とてももったいないです。会話での実践的な活用を目指すのであれば、必ず具体的な例文の形で暗記してしまいましょう。
自分だったら日常生活やビジネスの場でこの単語をどんな風に使用するだろう?というより具体的な視点を持って以下の内容を読み進めてみてください。
whichを使った例文①
最初にご紹介する例文は、whichの疑問代名詞としての意味、「どちら、どの、どの人」の意味を活用したものです。意味は、「この写真の中で君のお兄さんはどれですか?」となります。
この例文の場合は疑問代名詞を用いて尋ねる対象が人ですが、他にもWhich is your bag? など物に対しても使用可能です。
会話文例
(この写真の中で君のお兄さんはどれですか?)
(ちょうど私の隣に立っている人ですよ。)
whichを使った例文②
次にご紹介するのは、whichを関係代名詞の制限的用法で使用した際の例文です。意味は、「これが私が先日読んだ本です」となります。
この関係代名詞の制限的用法での使用は、多くの方にとって馴染み深いものだと言えるでしょう。先の意味解説でお伝えした通り、この使い方ではwhichが「~する・したもの、事」という意味を表します。
which以下の情報が、the bookを修飾すると考えると理解しやすいでしょう。ただ、口語のレベルでは、当例文内に示した目的格の関係代名詞であるwhichはしばしば省略されます。
会話文例
(これが私が先日読んだ本です。)
(そうだ!前回会った時に君がそれについて話してたのを覚えているよ。)
whichを使った例文③
次にご紹介するのは、whichの関係代名詞としての非限定用法の意味を活用した例文です。意味は、「私は新聞を読み始めたが、私には少し難しかった」となります。
ポイントは、whichの前にコンマが置かれ、whichが接続詞のような役割を果たしている点です。先にお伝えした通り、このwhichはthatにも置き換え不可能、かつ省略もできません。
本来は、形式ばった表現ですが、日常生活での会話で何かについて強調したい際などにあえて使用すると効果的です。
ぜひこの機会に使い方のコツを掴んで活用してみましょう。
会話文例
(新聞を読み始めたんだけど、少し難しいんだよね。)
(そうだろうね。実のところ、私は新聞を一度も読んだことがないよ。)
whichを使った例文④
whichを名詞節を導く意味で使用する場合、「~するのはどちらでも」という意味になります。例文の意味は、「どちらでもお好きな方を取っていいですよ」です。
whichの後に、which of the bookなど選ぶ対象となるものをより具体的に表す形にすることも可能です。また、whichをwhicheverとすることもあります。
会話文例
(どれを頂けるんでしょうか?)
(どちらでも好きな方を取って良いですよ。)
whichを使った例文⑤
最後にご紹介するのは、whichの疑問形容詞としての意味、「どちらの、どの、いずれの」の意味を活用した例文です。意味は、「これとそれ、あなたはどちらのお茶が好きですか?」となります。
この例文の前半部分は、そのまま暗記しておけば後半部分に状況に合わせた具体的な対象物を入れるだけで応用でき、大変便利です。
会話文例
(これとそれ、あなたはどちらのお茶が好きですか?)
(このお茶の方が好きですね。より風味豊かですから。)
whichを使う際の注意点
whichを使う際に注意したいのは、特に会話内、口語の形で関係代名詞として使用された場合の限定・非限定用法の聞き分けです。
先に解説した通り、この2つは意味の違いは分かりやすいものの、形の上ではコンマの有無しか違いがありません。以下から詳しく解説していきます。
微妙な間に注意して会話内での違いを聞き分けよう
会話内でwhichが関係代名詞の限定・非限定用法かを判断する際は、会話内での微妙な間に注意するのがポイントです。
whichを関係代名詞の限定用法で使用する場合は、コンマが無いため特に間はありません。しかし、非限定用法で使用する場合は、コンマがあるのでそこに分かりやすく間を置いて話すのが通例です。
特に、この意味と使い方でwhichを使用する場合、先に述べたことについて強調や追加を加えたいという意図があります。従って、会話の場合、普通はとても分かりやすく間を空けて使用します。
ちょっとした文章の聞き方のコツですが、これが分かると相手の言いたいことを的確に捉えられるようになるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。
whichの語源
英単語の語源を知ることは、その単語に対する更なる理解を深めるきっかけにもなります。以下から、whichの語源について学んでいきましょう。
whichの語源は古英語の「hwilc 」
whichの語源は、古英語の「hwilc 」とされています。この言葉と並行して、「hwylc」という言葉も使用されていたようですが、15世紀頃には使われなくなりました。
それぞれの語源は綴りも現代のものとかなり異なるという点がとても興味深いですね。
まとめ
いかがでしたか?whichには大きく分けて3つの品詞があり、それぞれの品詞の中にも複数の意味が存在します。
このため、文脈に合わせてその意味を捉えていく必要がありますが、特に関係代名詞、疑問代名詞としての使用をマスターすると、会話でも活用できるチャンスがぐっと上がります。
ぜひ当記事内容を参考にして、あなたもwhichを色んな場面で活用してみてください。
リー 木嶋 実有紀
「英語を使って自分の視野をもっと広げたい!」との思いから、国際関係や異文化理解を学べる学科に進み、カナダの大学に一年間留学。日本で約4年間、公立小学校で英語を教える傍ら、個人英会話教室でも英語を教える。アメリカ人の夫との結婚を機に2014年に渡米。アメリカ・日本にお住いの方に英語レッスンを行う。英語学習歴は15年以上、教授歴は10年。「今からでもすぐに使える、実践的な内容」をお届けします。
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