thenは日常生活でもよく使用される言葉です。ネイティブとの会話や海外ドラマ・映画などで何度も耳にしたことがあるという方も多いでしょう。
今回の記事では、そんな覚えておくと便利なthenの意味と使い方を、具体的な例文を示しながら丁寧に解説していきます。
記事後半では、使用の際の注意点や類語についても学べます。今まで何となくぼんやりしていたthenの意味や使い方を今一度明確にしたい!という方は、ぜひ参考にしてみてください。
thenの意味
今回取り上げるthenには、副詞として8つの異なる意味が存在します。以下から早速、それぞれの意味について解説していきます。
(過去・または未来の)その時は、あの時は
thenにはまず、「その時は、あの時は」という意味があります。過去または未来のある時点を表す際に使用します。
例えば、「その時私はサンフランシスコに住んでいました」、「その時には彼は戻ってくるでしょう」などの文章内、「その時」、「その時には」がこのthenにあたります。
(whenに導かれる時の副詞節とともに)その時には
thenをwhenを伴う副詞節とともに使用する場合、「その時には」という意味になります。
例えば、「彼女が困ってしまった時には、その時になると彼はいつも助けに行きました」内、「その時になると」がthenで表せます。
(前置詞の目的語として用いて)その時
thenを前置詞の目的語として用いる場合、「その時」という意味を表します。
例えば、「その時までには私の母は家に帰ってくるでしょう」という文章内、「その時」がこのthenにあたります。文脈に合わせて前置詞を使い分けることができます。
(now, sometimesなどを伴って相関的に)また今度は、次は
次にご紹介するのは、thenの持つ「また今度は、次は」という意味です。この意味を表す時、thenと一緒にnowやsometimesなどの言葉を併用します。
例えば、「彼は時々うるさくなったかと思えば、今度は突然静かになります」内、「今度は」がこのthenにあたります。
(しばしばandを伴って前に続くことを示して)それから、その後で
andを伴ってthenを使用する場合、「それから、その後で」という意味になります。
例えば、「最初に彼女がやってきて、それから彼がやってきた」という表現内、「それから」がこのthenの意味です。
(文頭・文尾、または条件節で)それなら、それでは
文頭や文尾、または条件節でthenを使用する場合、「それなら、それでは」という意味を表します。
例えば、「それなら引き出しの中にあるはずです」内、「それなら」がこの意味のthenにあたります。
(しばしばandを伴って)その上、さらにまた
thenは、しばしばandを伴う形で「その上、さらにまた」という意味でも使用可能です。何かについて強調したい気持ちを強める使い方です。
例えば、「彼は仕事に遅れてきて、その上会議についても忘れていました」という文章内、「さらにまた」がこのthenです。
(間投詞的に)そういう訳で、それで、それにしても
最後にご紹介するのは、thenを間投詞的に使用する際の「そういう訳で、それで、それにしても」という意味です。
例えば、「そういう訳で、あなたはこの問題についてどう思いますか?」という文章内、「そういう訳で」がこのthenにあたります。
thenの発音・読み方
それでは以下から、thenの発音と読み方を確認していきましょう。
thenの発音記号
発音記号にすると、thenは「ðén」と表記されます。
thenの発音・読み方
thenの発音・読み方は、日本語で「ゼェン(ヌ)」となります。
まず、「ðé」内「ð」は、舌先を上の前歯で軽く噛むようにして当て、その隙間から息を出して発音します。「é」は日本語のエの音を意識し、左右に唇を大きく開けながら「エ」とします。この2つを組み合わせると、「ゼェ」となります。
「n」の音は、舌先を前歯のすぐ裏の歯茎につけ、一瞬息を止めて軽く「ヌ」と言うような意識で鼻から抜けるように「ヌ」と発音します。
特に「ð」と「n」の音は、日本語にない音なので日本人にとって発音がしずらい音です。何度も発音のポイントを確認しながら、練習を重ねていきましょう。
thenの使い方と例文
ここまで、thenの副詞としての8つの異なる意味と、発音のポイントについて解説してきました。
以下から、まずthenの使い方を学ぶ際のポイントと、例文について詳しく解説していきます。thenの実践的な使い方について理解を深めたい方は、ぜひ読み進めてみてください。
thenの使い方
thenは、8つある異なる意味それぞれに分けながら、使い方を整理していくのがおすすめです。また、その中でも日常会話で特によく使用されるものに絞って学ぶと効率的です。
上記の理由から、日常生活の中で頻度の高い意味のものを、ぞれぞれの意味ごとに整理して学んでいきましょう。
thenの例文
早速以下から、日常生活の中でも特に汎用度の高いthenの意味をピックアップし、その例文をそれぞれご紹介していきます。
新たに学んだ単語をそのままの形で暗記するのではなく、具体的な例文に落とし込んで暗記すると、会話で活用できる可能性も高まります。
自分の生活の中でこの単語が活用できそうな、具体的な場面を思い描きながら、下記例文を参考にしてみてください。
thenを使った例文①
最初にご紹介する例文は、thenの「その時は、あの時は」の意味を活用したものです。例文の意味は、「その時私はサンフランシスコに住んでいました」となります。
当例文のように、この意味でthenを使用する場合、過去または未来のある時点を表す表現を伴います。
会話文例
(あら、あなたはニューヨークを出たことはないと思ってたわ。)
(実は出たことがあって、その時私はサンフランシスコに住んでいたんです。)
thenを使った例文②
次にご紹介する例文は、thenを前置詞の目的語に用いた場合の例です。「彼女はその時までに戻ってくるでしょう」という意味を表します。
then自体は、「その時」という意味を表しますが、その直前にどんな前置詞がくるかで意味が変わってきます。今回の例文では、「~までに」という意味を表すbyを伴っているため、「その時までに」という意味を表します。
会話文例
(彼女はどこに行ったの?1時ごろに彼女とミーティングするつもりだったんだけど。)
(ランチで出てるんじゃないですかね。その時までには戻ってくるでしょう。)
thenを使った例文③
次にご紹介するのは、thenの「それから、その後で」の意味を活用した例文です。例文の意味は、「まずはマリアが来て、それからトムが来ました」となります。
この例のように、前に続くことを示しながら順を追って何かについて説明する際に使用します。
会話文例
(で、次に何が起こったんでしょう?)
(それで、まずはマリアが来て、それからトムが来たんですよ。)
thenを使った例文④
次にご紹介するのは、thenの「その上、さらにまた」の意味を含む例文です。意味は、「彼は仕事に遅れてきて、その上自分の会議について忘れていました」となります。
会話文例
(何で君は彼に対して怒っているの?)
(なぜ彼に対して怒っているかって?彼は仕事に遅れてきて、その上自分の会議を忘れていたんだよ!)
thenを使った例文⑤
thenは、「それなら、それでは」の意味で使用することもできます。例文は、「それならそれは引き出しに入っているはずです」という意味を表します。
会話文例
(なぜか自分のペンが机の上にないんだ。)
(それなら引き出しに入っているはずですよ。)
thenを使った例文⑥
最後にご紹介するのは、thenを間投詞的な意味、「そういう訳で、それで、それにしても」の意味で活用した例文です。意味は、「それで、あなたはこの問題についてどう思いますか?」となります。
会話文例
(それで、あなたはこの問題についてどう思いますか?)
(いやぁ、答えるのに苦労する質問ですねぇ。)
thenを使う際の注意点
thenを使う際に注意したいのが、その意味の使い分けです。ここまで解説してきた通り、thenには品詞としては副詞の意味しかありませんが、その1つの品詞の中に、8つの異なる意味が存在します。
このため、それぞれ文脈に合った意味を捉えて理解する必要があります。以下から、この点について詳しく解説していきます。
thenの意味の取り違え
thenのように品詞ごとに意味を区別することが難しい単語は、意味の取り違えが起こりやすくなります。このような単語の場合、それぞれの意味で使用される際の時制や文型を一緒に覚えておくことをおすすめします。
例えばthenの場合、過去・未来のある時点についての文章の場合は「その時は、あの時は」という意味になり、andを伴うと「その上、さらにまた」という意味になります。
以上のように、共に用いられる時制、文型を一緒に覚えておくと、意味の取り違えを防ぐことができます。また、前後の文脈から最適な意味を判断するというスキルも持っておくと便利です。
以上のスキル習得には、基本的な英語文法知識と英文読解の練習が役立つはずです。単語の意味理解や例文学習だけでなく、ぜひ同スキルの向上にも目を向けてみてください。
thenの語源
類語を学ぶことはその言葉への深い理解に繋がり、その学びが実際の会話に活かされることもあります。以下から、thenの語源について学んでいきましょう。
thenの語源は古英語の「þanne」
thenの語源は、古英語である「þanne」とされています。この語源は、ゲルマン祖語の「thana-」 からきていると言われています。
この語源自体がどんな意味で使用されていたかは不明ですが、特にthana-の形は、現代のthenの形とも近いというのが興味深いところです。
thenと意味が似ている単語
以上まで、thenの意味や使い方、使用の際の注意点について分かりやすくまとめてきました。最後に、thenと意味が似ている単語、いわゆる類語をいくつかご紹介します。
類語もまとめて覚えて会話で活用できると、語彙力も上がって表現の幅が拡がります。ぜひ以下の類語も合わせて活用してみてください。
so
soは、thenの間投詞的な意味、「そういう訳で、それで、それにしても」の類語として活用できます。thenと同様、話の起点を作る際などに活用することができます。
会話文例
(それで、君はどう思う?率直な答えが聞きたいんだ。)
(実のところ、僕は全然その映画が好きじゃなかったよ。)
at that time
at that timeは、「その時は、あの時は」という意味でthenの類語として活用できます。過去のある時点を表す文章内で使用してみましょう。
会話文例
(その頃はどこにいたんですか?)
(自分の地元に戻っていたんですよ。)
after that
after thatは、「それから、その後で」という意味でthenの類語として使えます。何らかの前後関係を表したい場合に活用してみましょう。
会話文例
(私が家を出たその後で、ちょうど雨が降り出しました。)
(何とまぁ!何というタイミングでしょう!)
まとめ
いかがでしたか?thenは副詞として複数の意味を持つ単語です。そのため、文脈に合った意味を捉えて理解する必要があります。
慣れるまでは少し複雑な気がしますが、色んな表現に慣れていくと、状況ごとに合った適切な意味を読み取れるようになるはずです。
あなたもぜひ、当記事の内容を参考にthenを英会話の中で活用してみてください。
リー 木嶋 実有紀
「英語を使って自分の視野をもっと広げたい!」との思いから、国際関係や異文化理解を学べる学科に進み、カナダの大学に一年間留学。日本で約4年間、公立小学校で英語を教える傍ら、個人英会話教室でも英語を教える。アメリカ人の夫との結婚を機に2014年に渡米。アメリカ・日本にお住いの方に英語レッスンを行う。英語学習歴は15年以上、教授歴は10年。「今からでもすぐに使える、実践的な内容」をお届けします。
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