thereは、主に場所を表す言葉として日常会話でも非常によく使用されます。今まで、自分でもこの単語を何度か使用したことがあるという方が多いでしょう。
今回の記事では、そんなthereの意味や使い方を中心に、発音や使用の際の注意点、語源や類語などについて詳しく解説していきます。
この記事を読めば、今まで知らなかったthereの意味や使い方をマスターし、会話の幅を拡げることが可能となります。
ぜひチェックしてみてください。
thereの意味
thereには副詞、間投詞という2つの品詞が存在し、それぞれの品詞の中に複数の意味があります。
今回は、意味の数が多い副詞の意味を中心に、意外と知られていない間投詞の意味を含めた10個の意味をご紹介していきます。
そこに(で、へ)、あそこに(で、へ)
最初にご紹介するのは、thereの副詞の意味である「そこに(で、へ)、あそこに(で、へ)」です。場所や方向を表す意味として使用されhereが対義語となります。
例えば、「そこには誰も見えませんでした」、「あそこでは多くの人が音楽を楽しんでいます」などの文中、「そこには」、「あそこでは」の部分がthereに当たります。
あちらに、そこに
thereには副詞として、「あちらに、そこに」という意味もあります。方向の副詞を伴い、誰かに方向性を示す際などに活用します。
例えば、「どうぞ向こうに行って立ってください」内、「向こうに」の部分をthereが担います。
そこ、あそこ
次にご紹介するのは、thereの副詞の意味「そこ、あそこ」です。前置詞・他動詞の目的語として名詞的に用います。
「彼らはそこからそう遠くないところで待っています」、「彼女はあそこからこちらを見ています。」内、「そこ」、「あそこ」がthereの部分です。
そこの
口語的な表現として、thereの副詞としての意味に「そこの」という意味があります。名詞・代名詞の後に置いて、しばしば強調的に用いられるのが特徴です。
例えば、「おいそこの君!止まりなさい!」、「こんにちは、そこのお客様!」内、「そこの」の意味がthereです。
そらあそこに
「There +動詞+主語」の形を取ると、thereは副詞として「そらあそこに」という意味を表します。この意味は、特に目前の動作を強調的に表す目的で使用します。
例えば、「そらあそこに、バスが行く!」、「そらあそこに、彼は行くよ!」内、「そらあそこに」の部分がthereとなります。
ほら、あれ
「There+主語+動詞」の形を取る場合、thereは副詞として「ほら、あれ」という意味を持ちます。主に目前の物事や人に注意を促す目的で用います。
例えば、「ほら車が行く!」、「ほら電車が行く!」内、「ほら」がこのthereの意味に当たります。
~がある、いる
次にご紹介するのは、「~がある、いる」という意味を表すthereの副詞の意味です。いわゆる、存在を表す「There is/ are」の形でthereが用いられる際、この意味になります
例えば、「テーブルの上には一冊の本があります」、「公園には沢山の人がいます」内、「あります」、「います」の部分をthere+is/ areの部分が表します。
この意味・構文でthereを使用する場合、thereは形式上主語のように扱われ、「そこには、あそこには」など主語として訳出す必要はありません。
そら!それ!それ見ろ!そうらごらん!
次にご紹介するのは、間投詞として勝利、満足、反抗などを表すthereの意味、「そら!それ!それ見ろ!そらごらん!」です。
例えば、「そら!僕は君に言っただろう!」、「それ!やっぱり彼女は来ただろう!」内の「そら!」、「それ!」がthereに当たります。
まあまあ!よしよし!
thereには間投詞として「まあまあ!、よしよし!」という意味もあります。慰め、激励、同情を表す意味として活用可能です。
例えば、「よしよし、いくらでもチャンスはあるよ!」、「まあまあ!心配するなよ!」内、「よしよし!」、「まあまぁ!」がthereが担う部分です。
そら!ああ!
最後にご紹介するのは、thereの間投詞としての意味「そら!ああ!」です。困惑、苦痛を表す意味で用いられます。
例えば、「そら!君は彼女を泣かせてしまったじゃないか!」、「ああ!赤ちゃんが起きてしまったじゃないか!」内、「そら!」、「ああ!」の意味をthereで表せます。
thereの発音・読み方
それではここから、thereの発音と読み方を確認していきましょう。
thereの発音記号
発音記号にすると、thereは「ðéər」と表記されます。
thereの発音・読み方
thereの発音・読み方は、日本語で「ゼェア(ル)」となります。
まず、「ðé」の部分は、「ð」を舌先を上の前歯で軽く噛むようにして当て、その隙間から息を吐くようにして「ズ」と発音します。「é」は日本語のエの音を意識しながら唇を左右に大きめに開けた状態で「エ」と発音します。これらを合わせると、「ゼェ」となります。
次に、「ə」は口を大きく開けずに弱く曖昧な音で「ア」と発音し、最後の「r」は舌先を内側に巻き、口のどこにも触れない状態でアとルの中間の音を意識しながら「(ル)」と出します。
特に「ð」や「r」の音は日本語とかけ離れた音なので、何度も練習して正しい音を習得していきましょう。
thereの使い方と例文
ここまで、thereの副詞、間投詞それぞれの品詞ごとの意味と発音のポイントについて解説してきました。
以下から、まずはthereの使い方を学ぶ際のポイント、次に具体的な例文を交えた実際の使い方の解説をしていきます。より実践的にこの単語を使いこなしたいという方はぜひ参考にしてみてください。
thereの使い方
thereは、副詞と間投詞という二つの異なる品詞ごとに分けながら、まずは使用頻度のより高い副詞の代表的な意味の使い方から覚えていくのがおすすめです。
以下から、品詞ごとにまずは副詞、次に間投詞の順番で使い方を解説していきます。
thereの例文
早速以下から、具体的な例文を交えてthereの使い方を確認していきましょう。
新たに学んだ単語は、その形と意味の暗記のみで終わらせるのではなく、具体的な例文の形で暗記する方が記憶にも残りやすいため、おすすめです。
ぜひあなたも具体的な例文の学習を通して、実際の英語での会話での活用に繋げてみてください。
thereを使った例文①
最初にご紹介するのは、thereの副詞としての意味「そこに(で、へ)、あそこに(で、へ)」を活用した例文です。意味は、「そこには誰も見えませんでした」となります。
例文のように、場所や方向を表す意味として活用します。
会話文例
(昨日そこに行ったの?)
(実は行ったさ。でもそこには誰も見えなかったよ。)
thereを使った例文②
thereの副詞の意味「あちらに、そこに」を活用したこの例文は、「どうぞ向こうに行って立ってください」という意味を表します。
例文のように方向の副詞を伴って使用し、何らかの行動を促す際によく活用されます。
会話文例
(写真を撮るのにどの辺りが一番良いでしょうね?)
(どうぞ向こうに行って立ってください。)
thereを使った例文③
次にご紹介するのは、thereの副詞の意味「そこの」を含む例文です。意味は、「こんにちは、そこのお客様!」となります。
これは、英語圏の海外のお店で非常に良く使用される表現です。カジュアルな雰囲気のお店では入店時に店員さんがこの表現で声をかけてくることが多々あります。
会話文例
(こんにちは、そこのお客様!本日はご来店ありがとうございます!いかがお過ごしですか?)
(非常に良い感じですよ、ありがとう。)
thereを使った例文④
thereの副詞の意味「そらあそこに」の意味を用いたこの例文は、「そらあそこに、バスが行く!」という意味を表します。
例文のように目の前の動作を強調的に表し、より臨場感を伝える役割をthereが果たします。
会話文例
(そらあそこに、バスが行くぞ!)
(わぁ!あそこの大きなバスを見てみなよ!)
thereを使った例文⑤
thereの副詞としての意味の最後として、「~がある、いる」の意味を用いた例文をご紹介します。こちらの例文の意味は、「公園には沢山の人がいました」です。
例文のようにいわゆる「There is/ are」の形を用いて表現します。この時、thereは形式主語のように扱うため、「そこに」など主語としての意味を付け加える必要はありません。
会話文例
(ピクニックはどうだった、ケン?)
(楽しかったよ!でも公園には沢山人がいたよ。)
thereを使った例文⑥
次にご紹介するのは、thereの間投詞としての意味、「そら!それ!それ見ろ!そらごらん!」を含む例文です。例文の意味は、「そら!僕は君に言っただろう!」となります。
この意味でthereを使用する場合は、使いすぎると強すぎたり嫌味に聞こえたりするので注意が必要です。しっかり関係性が取れた、相手がこちらが冗談で言っているということが分かる状況で使用してみてください。
会話文例
(うわぁ!鍵を失くしちゃったかも!)
(そら!僕は君に言っただろう!何度か君に警告したのに、僕の話を聞き入れなかったんだ!)
thereを使った例文⑦
最後にご紹介するのは、thereの間投詞としての意味「まあまあ!、よしよし!」」を活用したものです。例文の意味は、「よしよし!いくらでもチャンスはあるよ!」となります。
この場合、相手を慰める意味で使用できますが、相手によっては子供扱いを受けたと不快に思う場合もあります。先ほどの例と同様、使用の際は相手との関係性と状況をしっかり確認しましょう。
会話文例
(ああ!本当に時々自分のことが嫌になっちゃう!また同じ失敗しちゃった!)
(よしよし!いくらでもチャンスはあるよ!)
thereを使う際の注意点
thereの副詞の意味「~がある、いる」」の意味、「There is/ are」での形の使用は非常にポピュラーですが、実はその後に来る名詞には注意が必要です。
意外と見落としがちなこの点について、下記から詳しく解説していきます。
There is/ areの後には特定可能な名詞を置くことはできない
実は、There is/ areの構文は、不特定多数の人や物(名詞)がある、いるという意味を表すことしかできません。表現を変えると、特定可能な名詞の存在を表すことができません。
そのため、例えば「There is my older brother in this picture. 」のように、「my older brother 」という形で特定可能な名詞を使用するのは間違いとなります。この例文の場合、同じ意味を表す正しい文章は、「My older brother is in this picture.」です。
意味や構文の形のみポイントとして取り上げられることの多いThere is/ are構文ですが、表現したい対象物がどんな名詞なのか?にも注意して使用するようにしてみてください。
thereの語源
英単語の語源を知ることは、その単語に対するより深い理解を促し、それが実際の会話での表現に繋がることもあります。以下から、thereの語源について学んでいきましょう。
thereの語源は古英語の「þær」
thereの語源は、古英語の「þær」とされています。この語源にはかつて、「その場所の中、またはその場所で、~の限りでは、ある場合に限って、その点では」という意味がありました。
ちなみにthereの間投詞としての使用は1530年代頃から認められており、現代のように励ましや慰めなどの意味で使用されていました。
語源の形は現代のものと全く異なりますが、当初から使われている意味には現代にも繋がるものもあることが分かりますね。
thereと意味が似ている単語
ここまで、thereの意味や使い方、発音・使用の際の注意点、更には語源について解説してきました。最後に、thereと意味が似ている単語、類語をいくつかご紹介します。
日本語を話す時と同じく、やはり同じ概念を色んな言葉で表現できた方が相手に与える印象も良く、表現力豊かな会話を実現できます。
ぜひあなたも以下の内容を参考に、類語もフル活用してみてください。
in that location
最初にご紹介するのは、「その場所で」という意味を表す「in that location」です。thereの副詞の意味「そこで」の類語として活用できます。
thereよりもやや場所に関して強調した響きにしたい際に使用すると効果的です。
in that locationを使った会話文例
(その事件についてのニュース聞いた?)
(うん、聞いたさ!それはその場所で本当に起こったの?)
at that place
次にご紹介するのは、先と同じく「その場所で」という意味を表し、thereの副詞の意味「そこで」の類語として使える「at that place」です。
こちらの類語も、thereよりもより場所に関して強調するニュアンスが強くなります。
at that place を使った会話文例
(明日その場所で三時に会おう。)
(いいね。じゃ、またね!)
まとめ
thereは主に場所を表す単語としてよく知られていますが、今回ご紹介したように、口語では間投詞としてもよく使用されます。
品詞ごとにそれぞれ異なる意味があるため整理が必要ですが、正しい意味と使い方を覚えておけば会話の色んな場面で活躍してくれます。
ぜひあなたも当記事内容を参考にして、thereを様々な場面に活用してみてください。
リー 木嶋 実有紀
「英語を使って自分の視野をもっと広げたい!」との思いから、国際関係や異文化理解を学べる学科に進み、カナダの大学に一年間留学。日本で約4年間、公立小学校で英語を教える傍ら、個人英会話教室でも英語を教える。アメリカ人の夫との結婚を機に2014年に渡米。アメリカ・日本にお住いの方に英語レッスンを行う。英語学習歴は15年以上、教授歴は10年。「今からでもすぐに使える、実践的な内容」をお届けします。
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