butは、日常生活の会話の中でもよく使われる単語です。実際にこの単語を自分でも使ったことがあるという方がほとんどでしょう。
今回の記事では、そんなbutの意味や使い方について詳しくご紹介していきます。記事後半では語源や類語も学べる内容です。
すでに身近な単語をもっと実践的に使いこなしていきたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
butの意味
butには、接続詞、副詞、前置詞、名詞・代名詞と5つの品詞が存在し、それぞれに複数の異なる意味があります。
厳密に分けると18個ほどになりますが、ここではその中でも覚えておくと会話にも役立つものを厳選して8個ご紹介していきます。
しかし、だが、けれども
最初にご紹介するのは、butの等位接続詞としての意味「しかし、だが、けれども」です。この意味でbutを使用する場合、前の語や句、節とは反対・対照となる語や句、節を導きます。
例えば「彼女は若いですが有能な従業員です」、「彼は成功者ですが幸せではありません」内、「若いですが、成功者ですが」の部分にこの意味のbutを使います。
だが
butには等位接続詞として「(なるほど)~だが」という意味もあります。この意味で使用する場合、しばしばof course、 indeed、mayなどを持つ節の後で譲歩の意味を表します。
例えば、「もちろんそれは安いですが、実用的ではありません」、「全くその会社は大きいですが、人気がありません」内、「もちろんそれは安いですが、全くその会社は大きいですが」の部分にこの意味のbutを活用します。
~ではなくて
butの等位接続詞の最後の意味としてご紹介するのは、「~ではなくて」です。しばしば「not A but B」の用法で用い、「AではなくBである」という意味を表します。
例えば、「それは安くはないですが、美しいです」、「雨は降っていませんが、雪が降っています」内、「安くはないですが、雪は降っていませんが」の部分にこのbutの意味と用法を活用しましょう。
~のほかには、~を除いては
次にご紹介するのは、butの従位接続詞としての意味「~のほかには、~を除いては」です。例えば、「彼女の他はみんな出席しています」内、「彼女の他は」の部分にこの意味のbutを置きます。
~しないなら、~でなければ
butには従位接続詞として「~しないなら、~でなければ」の意味もあります。この意味で使用する場合、しばしば「but that」の形で否定を表す主節に対して条件節を導きます。
例えば、「彼女は決して笑いませんが、とてもよく働きます」、「それは決して安くありませんが、よく動きます」内、「決して笑いませんが、決して安くありませんが」の部分にこの意味と用法のbutを活用できます。
ただ、ほんの、~だけ
butを副詞として使用した場合、「ただ、ほんの、~だけ」の意味としても使えます。例えば、「彼女はほんの10代に過ぎません」、「彼はほんの子供にすぎません」内、「ほんの」の意味でこのbutを配置します。
まったく、本当に、断然
butを副詞として強意の意味で用いると、「まったく、本当に、断然」という意味にもなります。この意味と用法は、特にアメリカで使用される俗語です。
例えば、「あの車は実に美しいです」、「彼女は実に頭が良いです」内、「実に」の意味でこのbutを活用できます。
~の他に、~を除いた
最後にご紹介するのは、前置詞としてのbutの意味「~の他に、~を除いた」です。しばしばno one、nobody、nothing、anythingなどの後に用います。
例えば「彼女はビジネスのことしか考えていません」、「私はあなたのことしか考えられません」内、「ビジネスのことしか、あなたのことしか」の部分でこのbutの意味と用法を活用しましょう。
butの発音・読み方
それではここから、butの発音と読み方を確認していきましょう。
butの発音記号
発音記号にすると、は「bʌ’t」と表記されます。
matterの発音・読み方
butの発音・読み方は、日本語で「バァトゥ」となります。
まず「b」は唇を閉じたまま息を一瞬止め、その状態のまま勢い良く「ブッ」と発音します。次に「ʌ’」は日本語のアとほぼ同じ音をイメージしながら口を半分くらい開けて短く「ア」と出します。これら2つの音を繋げると、「バァ」になります。
最後の「t」は舌先を前歯のすぐ裏の歯茎に付け、息を一瞬止めた状態で音を破裂させるようなイメージで「トゥ」と発音します。
特にbとtの音は日本語にはない音なので、当内容を参考にしてぜひ何度も練習してみてください。
butの使い方と例文
ここまで、butのそれぞれの品詞が持つ異なる意味、発音のポイントについて解説してきました。
以下からは、butの使い方を学ぶ際のまとめのポイントと具体的な例文をご紹介します。butをより実践的に会話の中で活用していきたいという方は、ぜひチェックしてみましょう。
butの使い方
butは品詞と文の形ごとにその使い方を整理していく方法がおすすめです。以下から、それぞれの品詞・文の形ごとに例文を示しながら解説していきます。
butの例文
早速以下から、特に使い方を整理しておくと便利な例文を厳選して解説していきます。
新たに学んだ単語をしっかり具体的な例文の形で落とし込んで暗記しておくと、実際の会話で活用できるチャンスも拡がります。
ぜひ以下の内容を実際の会話でも応用してみてくださいね。
butを使った例文①
最初にご紹介するのは、butの等位接続詞としての意味「しかし、だが、けれども」を活用した例文です。意味は、「彼女は若いですが有能な従業員です」となります。
例文のように、butの後には文前半とは対照的な内容を置きます。
会話文例
(彼女は若いですが有能な従業員です。)
(素晴らしいですね。彼女はどれくらいここで働いているんですか?)
butを使った例文②
butの等位接続詞としての意味「(なるほど)~だが」を活用したこの例文は、「もちろんそれは安いですが、実用的ではありません」という意味を表します。
例文のようにof courseやindeedなどの表現と一緒に使われることがほとんどです。
会話文例
(たったの1ドルでそれを手にいれたの?それはクレイジーだね!)
(もちろん安いんだけど、実用的ではないよ。)
butを使った例文③
次にご紹介するのは、butの従位接続詞としての意味「~のほかには、~を除いては」の意味を活用した例文です。
意味は、「彼女の他はみんな出席しています」となります。例文内sheの部分をherとすることもでき、その場合はbutは前置詞となります。
会話文例
(彼女の他はみんな出席しています。)
(今回はなぜ彼女は来れなかったんだろうね。)
butを使った例文④
butの副詞の意味「ただ、ほんの、~だけ」を活用したこの例文は、「彼女はほんの10代に過ぎません」という意味を表します。
このbutはonlyとほぼ同じ意味と考えれば分かりやすいでしょう。
会話文例
(その木の傍に立っている少女は何歳ですか?)
(彼女はほんの10代に過ぎません。)
butを使った例文⑤
最後にご紹介するのは、butの前置詞としての意味「~の他に、~を除いた」を活用した例文です。意味は、「彼女はビジネスのことしか考えていません」となります。
この例文のように、butをこの意味で活用する場合はnothingやno one、no oneなどの言葉と一緒に使用します。
会話文例
(彼女はビジネスのことしか考えていません。)
(彼女は素晴らしい女性実業家のようだね!)
butを使う際の注意点
butとほぼ同じ意味を表す接続詞として、althoughやhoweverが挙げられますが、それぞれのニュアンスや使い方は異なるため注意が必要です。
以下から、この点について詳しく解説していきます。
それぞれの文中での機能とニュアンスの違いに注意
まず当記事でご紹介しているbutは、等位接続詞で文中でのみ使用でき、より口語的でカジュアルな響きがあるため書き言葉には向きません。
一方、althoughは「けれども」という意味を表す従属接続詞で、文頭でも文中でも使えます。少し硬い印象があるため、口語よりも書き言葉で使用されます。
howeverは副詞として文頭、文中、文末どこでも使用できます。しかし、かなり硬い印象のある単語のためカジュアルな口語の会話の中ではほぼ使いません。ビジネス文書や学術論文などの書き言葉で使用することが多いでしょう。
このように、それぞれの文中での機能とニュアンス、響きにはかなり差があります。それぞれを適切なシチュエーションで使いこなせるようにしてみてください。
butの語源
英単語の語源を知ることは、その単語への深い理解に繋がります。以下から、butの語源について学んでいきましょう。
butの語源は古英語「butan」、「buton」
butの語源は古英語の「butan」、もしくは「buton」とされています。これらの語源には、「そうでなければ、~を除いて、~なしに、~の外に」などの意味がありました。
「しかしながら」のような接続詞としての使用は古英語後期までは見られませんでした。語源の形は現代のbutの形に共通していますが、意味は少し離れている部分もあるのがとても興味深いですね。
butと意味が似ている単語
ここまで、butの意味や使い方、使用の際の注意点、語源について解説してきました。最後に、butと意味が似ている単語、いわゆる類語をご紹介します。
類語を会話の中で上手く活用することで、表現がマンネリ化することを防げます。ぜひ参考にしてみてください。
still
最初にご紹介するのは、副詞として「それにも関わらず」という接続詞的な意味を表す「still」です。butの等位接続詞としての意味「しかし、だが、けれども」の類語として活用できます。
stillを使った会話文例
(彼は感じの良い人には思えないけど。)
(それでも彼女は彼が好きなんだ。)
yet
次にご紹介するのは、接続詞として「それにも関わらず、しかしそれでも、それなのに」の意味を表す「yet」です。
こちらの単語ももbutの等位接続詞としての意味「しかし、だが、けれども」の類語として活用可能です。
yetを使った会話文例
(不思議なんだけど、本当の話だよ。)
(わぁ。まだそれが実際に起こったなんて信じられないよ!)
though
最後にご紹介するのは、接続詞として「~だけれども、~にも関わらず」の意味を表す「though」です。
こちらもbutの等位接続詞としての意味「しかし、だが、けれども」の類語として使えます。しかし、butを使用する際よりも硬い響きがあります。
thoughを使った会話文例
(とっても暑かったのにも関わらず、彼は長袖のシャツを着ていたんだ。)
(それはクレイジーだね!)
まとめ
butは複数の品詞と意味を持つ、日常レベルの会話でも頻出の単語です。類語も含めた他意味の類似した単語との使い分けに注意する必要はありますが、使いこなせると大変便利な単語と言えます。
ぜひ当記事内容を参考にして、実際の会話でも活用してみてください。
リー 木嶋 実有紀
「英語を使って自分の視野をもっと広げたい!」との思いから、国際関係や異文化理解を学べる学科に進み、カナダの大学に一年間留学。日本で約4年間、公立小学校で英語を教える傍ら、個人英会話教室でも英語を教える。アメリカ人の夫との結婚を機に2014年に渡米。アメリカ・日本にお住いの方に英語レッスンを行う。英語学習歴は15年以上、教授歴は10年。「今からでもすぐに使える、実践的な内容」をお届けします。
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