英語を習っている方なら誰もが直面する壁があります。
英語には「ひとつの語句でさまざまな意味がある」ということです。
学生時代から苦労された方も多くいらっしゃるでしょう。
その中でも「mean」はネイティブも日常会話でよく使う重要な単語です。「mean」には多くの意味があり、それぞれが全く違う意味になります。
しかし、使う頻度の優先順位やお決まりのフレーズはもちろん存在します。
この記事では「mean」の正しい使い方を読み方や意味とともにご紹介し、よく使われるフレーズや使うときの注意点などをお伝えします。
とてもよく使われる単語なので、皆さんの大好きな映画やドラマ、洋楽にもたくさん出てきます。
洋楽の歌詞からの例文もご紹介しますので、この記事を読んで使うコツをおさえ、今日から早速にネイティブに使ってみてください。
meanの意味
まずは「mean」の意味を確認していきましょう。よく使われる順番でご紹介します。
【動】意味する(mean)/【名】意味(meaning)
「【動】意味する(mean)/【名】意味(meaning)」は実際に最も使われている意味です。「It means…」で始まる例文はよく教科書にもでてきますね。
また、名詞になると「I don’t know the meaning of…」という形で使われることも多くあります。
会話の中で分からない語句を確認したり、会話の内容に食い違いがないかを確認したりする際にも使われますので、数ある「mean」意味の中で、まずはこちらをおさえておくことをオススメします。
サンプルフレーズ
(~という意味です)
(言っている内容が)どういう意味?
(それは)どういう意味?
(~ということです/~という意味です)
(~ということ?/~という意味?)
(彼が意味していたのは~(=こういう意味だった))
(妻は私にとってすべてです)
(この単語の意味がわかりません)
(本当だよ!(直訳:それを意味する=本当にそうである))
【動】するつもりである(mean to…)
「mean to~」で「~するつもり/予定である」という意味です。
サンプルフレーズ
(傷つけるつもりはなかった。)
ただし、「I was mean to you.」はbe動詞と文脈から「あなたに意地悪だった」となります。
【形】意地悪な / (良い、クールな)*スラング
意地悪という意味で使われることもあります。「be mean to someone」で「~に対して意地悪だ」となります。
サンプルフレーズ
(そんな意地悪いわないで!)
(意地悪なことを言う。)
【名】手段(means)
複数形で「手段」という意味になりますが、単数形として扱うややこしい名詞です。
「by all means」で「どんな手段を使っても」という使われ方をします。
サンプルフレーズ
(コミュニケーション方法)
(彼女は手話(という手段)で説明しようとした。)
(必ずやります!(直=どんな手を使ってもやる))
【形】平均
日常会話で「平均」として「mean」が出てくることは少ないかもしれません。「average」も同じく平均という意味ですが、「mean」はどちらかと言うと医療や天候などにおける平均値などを指す場合に使われることが多いです。
サンプルフレーズ
(デスバレーの平均気温は42度だった。)
meanの発音・読み方
[mean]は比較的日本人にも発音しやすく、アクセントの位置も分かりやすい単語です。過去形/過去分詞はmeanにtを付けただけですが、読み方は「メント」となります。
meanの使い方と例文
ここまで、「mean」の意味、そして実際の発音と発話の際のポイントをまとめてきました。
しかし、ここまでの解説だけでは、「実際にこの言葉を使うにはどうしたら良いのだろう?」と疑問に思う方も多いと思います。
そこでここからは、「mean」の具体的な使い方を実際の例文を使用し、分かりやすく解説していきます。
meanの使い方
「meanの意味」部分でもご紹介しましたが、使い方を詳しくみていきましょう。
多すぎて覚えきれない!という方も、大丈夫です。丸暗記しなくても文脈で分かるようになります。例えば、数学的な話(平均値としてのmean)のときに急に意地悪な誰かの話はでてきにくいですよね。
そして、メインは「意味」として使うことが圧倒的に多いので、まずはそこからマスターしましょう。直訳を含めた詳しい解説も入れますので、詳しく知りたい方はご参考ください。
【意味の確認として】の使い方
(私にとっては大切です。)
「直訳:自分にとっては、たくさんの意味がある」=大切、ということになります
(どういう意味ですか?)
とても便利なフレーズですが、あまりにも繰り返し使いすぎると会話が進まなくなりますのでご注意ください(日本語Ver.で想像してみてください…)。
(●●●ってなんて言う意味ですか?)
こちらは英語学習にも大変役に立つフレーズです。●●●に分からない単語を入れて質問すると、相手の方が他の英語で言い替えたり、意味を説明したりしてくれます。
意味を知りたいけど単語のスペルが分からなくて自分で調べられない…。そんなときにも、ぜひこの例文を使ってみてください。
例えば以下のように使ってみてはいかがでしょうか。
※wanna= want toの口語
【前置きとして】の使い方
(えっと、あの、なんか、あっ、じゃなくて…)
これは、「直訳:私は~を意味する」=こういうことが言いたかった、つまりこうだ、というような意味になりますので、言い直しや前置きに使います。
ただし、使いすぎると挙動不審になってしまいますのでご注意ください。
【~するつもりのとき】の使い方
(あっゴメン、わざとじゃないよ!)
「直訳:するつもりではなかった」=偶然だよ、わざとじゃないよ、ということです。足を踏まれた時などは、許してあげましょう。
しかし、あからさまな意地悪をされた後にこう言われた場合、「He / She is so mean.」ですので、許さなくて大丈夫です。
(私たちは一緒になる運命なの。)
ロマンチックですね。受動態にすると「~と定められている / 決められている=運命」というような意味になります。洋楽の歌詞でよく見かけます。
【手段として】の使い方
(どんな手を使ってでも任務を遂行しろ。)
「by all means」は「直訳:すべての手段によって」=どのような手を使ってでも、となります。
そこから派生して、アメリカでは何か頼まれたり誘われたりした際の返答として「By all means!」を使うと「ぜひとも!」という使われ方もします。
(交通手段)
(その家族に金銭的な援助はなかった。)
交通・コミュニケーション手段や「お金」としての使われ方もします。
【平均値として】の使い方
(冬の陸別町における平均気温はマイナス20度です。)
平均が…?寒すぎますね。このように気温や数値などの平均を示します。技術的な話や医療の現場で使われます。(例:重量、血圧など)
meanの例文
実際に使われている例文を見ていきましょう。
【意味として】の例文
♪Justin Bieberの”What Do You Mean?”より。
(どういう意味?)
(YESと頷くのに)
(NOって言いたいだなんて)
(どういうことなの?)
ジャスティン・ビーバーが乙女心に振り回されている曲ですね。世界共通の難しい乙女心が詰め込まれている曲です。
※wanna=want toの口語
♪Shawn Mendesの”If I Can’t Have You”より
(君についての歌詞しか思い浮かばない)
(酒を飲むときも君のことを考えてしまう)
(伝えるのは遅すぎるかな)
(君が一緒にいてくれないとすべてが無意味だって)
ショーン・メンデスによる熱烈なラブソングです。とにもかくにも考えることは彼女のことばかりのようです。
ここで使われている「everything means nothing」は「直訳:すべてのことが何も意味しない」=すべて無意味、という意味になります。
※thinkin’=thinkingを短縮した口語
♪Ed Sheeran の“Dive”より
(ベイビーなんて呼ばないで)
(そういうつもりじゃないなら)
エド・シーランは思わせぶりな女性に翻弄されていますね。ここで使われている「unless you mean it」は「直訳:それを意味しない限り=そういうつもりでないなら」というニュアンスです。
I mean it!
(ホントだよ!)
直訳で「私はそれを意味している」=本当に、となります。決意表明したいときにも使えます。Youで質問すると”Do you mean it?”「本当なんだね?」というニュアンスの念押しにもなります。
【前置きとして】の例文
(いま私の本って持ってる?あの、先週貸したやつね。)
(彼女は太っ…じゃなくて、ポッチャリしてるよね。)
このように、うっかり言い間違えをしてしまった際の言い直しにも使えます。言ってしまった内容を「take it back(=取り消し)」できるかどうかは時と場合によりますね。
【~するつもりのとき】の例文
♪Florida Georgia Line ft. Bebe Rexhaの”Meant To Be”より
(もしそういう運命なら、そうなるだけ)
(なるようになるよ、ベイビー)
(俺、タバコ止めるわ!)
(ふーん。手に持ってるのは?)
(えっと…最後のやつ。ホントだよ!)
(はいはい)
【意地悪なとき】の例文
♪Taylor Swiftの”Mean”より
(いつかあなたが叩けないくらい大きくなるの)
(そうしたらあなたは意地悪い人になるだけ)
(なぜそんな意地悪するの?)
どこにでもいる、いじめっ子の歌です。「you gotta to be so mean」=「直訳:意地悪でなければならない」=なんでそんなに意地悪なの?というニュアンスです。
*=have toの口語
【良い、クールな】の例文(※スラング)
(あの子たちどうしたの?)
(超クールなギターを弾くのはどっちかでケンカしてる。クラプトンかジェフ・ベックで。)
(ジミヘンに1票。神様だよ。)
【手段として】の例文
(ルパン三世は秘密のトンネルで(=という手段で)逃げた。)
(ぜひとも(直訳:どんな方法を使っても)私たちのパーティーに来てください。)
【平均として】の例文
You need to calculate the mean value in this question.
(この問題では平均を求める必要がある。)
meanを使う際の注意点
日本語でも同様ですが、先ほどご紹介した例文も場面によっては失礼になってしまうことがあります。ネイティブの学生がよく使っている表現でも、彼らは使い時をしっかり分かっています。たとえ「I didn’t mean to…」だったとしても、失礼にあたるのは避けたいですよね。
ではどのような部分に気をつければよいでしょうか。例えば、自分の言っていることが相手にきちんと伝わっているか確認したいとき、
「Do you understand what I mean?」や
「Do you know what I mean?」を使うとしましょう。
残念ながら直訳通りに「私の言ってること理解できています?/分かってる?」というニュアンスでとられてしまいます。これは何となく日本語でも嫌味が混ざってそうですよね。
代わりに「Do I make sense?」を使うとよいかもしれません。
meanの間違った使い方
ここでは気をつけたいmeanの使い方をご紹介します。
間違った使い方の例その①
(ね、分かるでしょ?)
カジュアルな表現なので上から目線に聞こえます。では、
「Do you understand what I mean?」や、
「Do you know what I mean?」はどうでしょうか。
残念ながら直訳通りに「私の言ってること理解できています?/分かってる?」というニュアンスでとられてしまいます。これは日本語でもどことなく嫌味が混ざってそうですよね。
もし自分の言っていることが相手にきちんと伝わっているか確認したいときは、代わりに
(伝わっていますか?)
を使うとよいかもしれません。
間違った使い方の例その②
- She doesn’t mean to say it.
- She was mean to you.
どちらも「mean to」を使っていますが意味はまったく異なります。be動詞があり「誰か」が続くのか、それとも動詞がくるのかでも判断することができます。
他にも、意地悪という意味でのmeanには「so」がつくことがよくあります。
(先ほどのTaylor Swiftの例文です)
間違った使い方の例その③
あまり賢くは聞こえません。日本語にも言えますが、前置き「あのー」「っていうか」「なんか」などを多用する人も子どもっぽくなってしまいます。
meanの語源
さて、さまざまな意味をもつmeanですが、実は語源もまったく異なっています。語源を知ることでその単語のイメージも沸きやすくなり、より頭に定着しやすくなりますのでご参考までに。
【動】意味する /【名】意味
古代の言葉でmēnen、運ぶという意味の語句から派生しています。
脳内の考えやプランを(頭の外に)運び出し意味をもたせたり実行するということです。
【形】平均
平均、として使われるmeanは諸説ありますが「medius, medium(中間、媒介)」という語句から派生しています。
これは日本語の「平均値」として考えてもイメージしやすいかと思います。ものごとの真ん中、というのが語源です。
【名】手段(means)
平均としての「mean」と同様、「medius, medium=中間、媒介」から来ています。
間に入って、媒介するもの→手段、となったようです。
【形】意地悪な / (良い、クールな)
意地悪な、として使われるmeanは「平均」からさらに派生したものです。一般的な、平凡な、という意味から始まり、平凡→重要ではない、つまらない、劣った…というように、どんどんネガティブな意味に変化してきました。
しかし、なぜそれが真逆の「良い、クールな」というスラングになっているのでしょうか。日本語にも悪い意味が転じて良い意味になった単語がありますが、すぐに思いつく方も多いでしょう。そうです、「ヤバい」という単語がありますね。
meanと意味が似ている単語
最後に、微妙なニュアンスの違いを知ってぜひ使えるようになりたい、「mean」に似ている単語(類語)をご紹介します。
それぞれの単語の意味とニュアンス、使い方の違いをしっかり理解して使い分ける意識をするだけで、英語でのアウトプットの質が格段に上がります。
「自分の本当に伝えたい事」にぴったり合った単語や表現を自分で選べるように、ぜひ参考にしてみてください。
average(平均)
averageは人間に対しても使います。
「average guy=平凡なヤツ」の一方で「mean guy=意地悪なヤツ」となり意味がかなり違ってきます。
intend to~(~するつもり)
「mean to~」と大きく意味は変わりませんが、「mean to~」の方がより口語的です。
cruel(意地悪な)やvicious(危険さも含む)
meanは性格の悪さを表すのによく使われます。
way(手段)
口語で一番使われるのは「way」ですが、meansは「目的を達成する手段」という意味が含まれています。
まとめ
meanは英語を話すうえで避けては通れない単語です。悪いという意味、普通という意味、良いという意味…それぞれがまったく違う意味で、その種類も豊富なので最初は戸惑うかもしれません。
しかし、使いこなせるようになれば会話の幅がぐっと広がりますし、「meanを使って意味を聞く」ことで語彙力も格段にレベルアップします。そうなると英語を話すのがさらに楽しくなることかと思います。
meanは文脈で判断できる場合も多いです。この記事を読んでmeanの意味、使い方を知っていただき早速ネイティブに使ってみていただけると幸いです。
「mean」が定着するまで、ドラマや洋楽から「mean」探しをするのも楽しく学べるのでオススメです。使えそうなフレーズがあれば自分のものにしてしまいましょう。
最後に会話例をご紹介します。たかが1分以内の会話にmeanをつめこんでみました。しつこい内容で現実的ではないですが、それぞれのmeanがどのような意味で使われているか見分けてみてください。
Am I being mean to you?
ライター(詳しいプロフィールを見る)
10歳までをフィリピンで過ごした英語と日本語のバイリンガル。優れた英会話力を活かし、初心者が抱く英語の疑問を解消する「ペラペラ英語塾」の記事を担当。また、英会話スクールやオンライン英会話、英会話カフェ等を体験してのレビュー記事も担当しており、体験したサービスの数は30以上を数える。
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