「actually」という英単語は、英語圏への留学経験があったり英語話者と会話したことがあったりする人なら一度は会話中に必ず聞いたことがある単語ではないかと思います。実際に、留学先で最も耳にする表現の一つと言っても過言ではありません。
この「actually」という単語は意味や表現の仕方が多様であることから、英会話のスキルを身につけようとしている人が最初に知り得る馴染みの単語と言えます。
しかし、それほど聞き慣れた単語であるからこそ、実際に使おうとしても、「この使い方ってあっているのか?」や「この発音は正しいのか?」と不安に思うことも出てくるかもしれません。
そこで今回は、「actually」の正しい意味や使用方法、発音などを紹介し、この記事を読むことで自信をもって英会話で「actually」を使えるようになってもらえたらと思います。
actuallyの意味
まずは、「actually」の意味を紹介していきます。この単語には大きく分けると以下の4つもの意味があります。
- 「本当に、実際に」
- 「意外なことに、実際は」
- 「本当は、実は」
- 「やっぱり」
見ていただけるとわかるように、この単語には「実際」という意味が核にあります。それが使用用途によってニュアンスが変わり、4つの意味に分かれています。
これらの違いについて、もう少し詳しく意味の内容を見て理解を深めていきましょう。
actuallyの意味①「本当に、実際に」
まずは一番使われる用法として、「本当に、実際に」という意味があります。
これは順接の意味であり、「○○と言っていたように、実際に(本当に)○○だった」というような内容を相手に伝える際に用いられます。「予想通り」という意味を含んでいることを意識すると使いやすいかもしれません。
actuallyの意味②「意外なことに、実際は」
続いては、先ほどとは反対で逆接の意味を含んだ使い方で、「意外なことに、実際は」という意味をactuallyはもっています。
これは、「○○だと思っていたが、意外なことに(実際は)○○だった」という逆説の内容を相手に伝えたいときに使うことができます。
この場合は意外性を相手に伝えることになりますので、「but」や「however」の後に使うイメージを持つと良いでしょう。
actuallyの意味③「本当は」
3つ目は、「本当は」という意味です。
これは2つ目のものと似ているように見えるのですが、こちらは逆接などとは関係なく、今まで相手が知らなかったことを初めて伝える時に「本当は、○○だよ」というような意味を含ませる際に使われます。
相手に何かを強調して伝える時に有効で、サプライズのニュアンスを含めています。
actuallyの意味④「やっぱり」
最後は、「やっぱり」という意味です。
こちらは今までのものと比べると使用頻度は個人的には低いように感じますが、意見を変えるときなどに「やっぱり○○にします」というように使います。
この場合は、最初に選択した内容を訂正することになりますので、「sorry, I actually…」のように謝りつつ使うシチュエーションが多いでしょう。
actuallyの発音・読み方
「actually」の意味にどのようなものがあるかが分かったところで、続いてはそれを口に出して言う際に知らなければならない発音についてマスターしましょう。
actuallyの発音記号
Actuallyを発音記号で表すと【æ’kʧuəli】となります。
actuallyの発音・読み方
先ほどの発音記号を見ていただくと、最初の【æ’】の上にアポストロフィー(「‘のこと」)があります。これはアクセントの位置を示しており、最初の「ア」という発音のところにアクセントがあるため、この部分を強く発することで正しい発音になります。
つまり、「actually」の発音・読み方をカタカナで表現すると「アクツァリ」となります。
発音のコツ
次に、それぞれの発音記号についてみていきましょう。基本的にはカタカナで表現した通りに発音すれば少なからずネイティブスピーカーには伝わりますが、より会話に自信を持てるように使いたいならば、「ア」の部分にこだわる必要があります。
日本語では「ア」の発音はそれ一つなのですが、英語では4つもあります。ここでは詳細な説明は省略しますが、今回発音されるのがその内【æ】と【ə】となりますのでこちらを説明していきます。
【æ】の発音は「ア」と「エ」の中間音
まず【æ】ですが、こちらは「エ」の口をしながら「ア」と発音するような音です。記号にも見られますが、ちょうど「ア」と「エ」の中間音となります。発音のコツは、大きく口を開けて「エ」と発音することなので練習してみてください。
【ə】の発音はあまり力を込めない「ア」
もう一つの【ə】について、こちらはあいまい母音と呼ばれており、その名の通り非常にあいまいな発音になります。あいまいと呼ばれる所以は、この記号の場所にはアクセントが付かず、前後の音を滑らかにつなげる役割であるからです。そのため、あまり力を込めない「ア」となります。
発音のコツは、口の力を抜いて、半開きの状態で「ア」と発音することです。
actuallyの使い方と例文
ここまでで「actually」の意味と発音・読み方は理解できたかと思いますので、ここからは実際に使用例を先ほど紹介した4つの種類に分けて順番に見ていきましょう。
使い方その①「本当に、実際に」
まずは順接の意味である「本当に、実際に」という意味での使い方です。
例えば、ある試験を受ける際に友人に対して、「今回はたくさん勉強したから満点を取る自信があるよ。」と宣言したとします。それに対して後日実際に満点を取った際に、「言った通り、実際に(本当に)この試験で満点を取ったよ。」と相手に伝える時に使う「実際に」が順接での使い方になります。
この場合、英文では
となります。
これは順接であると同時に、満点を取ったことを強調するニュアンスも含まれています。
使い方その②「意外なことに、実際は」
続いては逆接の意味となる「意外なことに、実際は」という内容での使い方です。
ある日友人Bさんと、その場にはいない先生Cさんについて会話をしているとします。その際に、「C先生は若く見えるから30歳だと思っていたけど、実際は40歳超えているんだよ。」とBさんに伝えたい場合に使うこの「実際は(意外なことに)」が逆接での「actually」の使用例になります。
英文では、
となります。
30歳ぐらいだと思っていた先生の年齢が40歳を超えていたら、意外と思うでしょう。このニュアンスを伝えるのに「actually」を使うことができるのです。
使い方その③「本当は」
こちらは、逆接の意味合いというよりかはカミングアウトのようなニュアンスを含ませたい場合に使う用法です。見方によっては「意外なことに」と似ていますが、こちらは日本語で言うと「今まで知らなかったと思うけど、実は○○なんだよ」という意味になります。
例えば、久しぶりに再会した友人に結婚を報告する際に、「実は昨年、結婚しました!」と伝えるとします。この場合の「実は」は「○○ではなくて実は」という逆接の意味ではなくて「知らなかったと思うけど、実は○○」という意味になりますよね。
これを英語で言うと、
となります。
使い方その④「やっぱり」
最後は、「やっぱり」という意味で「actually」を使用する用法になります。
こちらは、例えばAとBと選択肢があり、最初はAを選んでいたがBに変更したいときに、「Aが欲しいです。あ、やっぱりBがいいです!」という際の「やっぱり」が当てはまります。この場合も実際はBを選んでおり、「actually」の核の意味である「実際」を含んでいます。
この用法では、基本的に「actually」は文頭もしくは文末に使用します。
先ほどの例文を英語に直すと、
となります。
4つの使い方まとめ
以上が、「actually」の使い方と例文になります。ここでもう一度、4つの使用例を以下まとめていますのでご覧ください。
【日本語】言った通り、実際に(本当に)この試験で満点を取ったよ。
【英語】As I said, I actually got a perfect score on this exam.
【日本語】C先生は若く見えるから30歳だと思っていたけど、実際は40歳超えているんだよ。
【英語】Dr. C looks young and I thought he was around 30 years old, but his age is actually more than 40.
【日本語】実は昨年、結婚しました!
【英語】Actually, I get married last year!
【日本語】Aが欲しいです。あ、やっぱりBがいいです!
【英語】I want A. Ah, actually, I want B.
actuallyを使う際の注意点
ここまで記事を読んでいただけたら、もう「actually」を使うことは問題ないでしょう。しかし、最初にも述べたようにこの単語は非常に多くの場面で使われることから、中には適切でない使い方やシチュエーションがあるのです。
続いては実際に使う場面についてみていきましょう。
間違った使い方
まずは使い方についてですが、「actually」は文法的には副詞という部類に入り、これは文頭や文末だけではなく、文中でも使うことができます。一見すると文中のどこでも使ってよいのかと思いますが、注意も必要です。
少し言語的な話になりますが、副詞は形容詞や動詞を修飾するものなので、文中で使用する際はその前に置く必要があります。
使用を避けるべきシチュエーション
使える場面が多いことから、口癖のように使う人も少なくありません。したがって、ビジネスシーンでは多用は控えた方がよいでしょう。
しかし、「actually」にはやんわりと反論するニュアンスが含まれているため、商談事などで的確に使うことができれば相手に好印象を与えることは十分に可能なので、自分の意見に話を持っていきたいときにさりげなく使ってみるとよいかもしれません。
また、友人との会話の際でも、あまり多用しすぎることは控えましょう。英語では、基本的には同じ単語を一文に入れないことがルールとなっているため、多用すると相手がしつこく感じてしまうかもしれません。
さらに、意味が多いことからも場合によっては意味をはき違えて捉えかねない単語でもありますので、毎回毎回「actually」を使用するのは避けましょう。
actuallyの語源
「actually」は副詞であると先ほど述べましたが、元々は形容詞である「actual(実際の)」からきています。
さらにこの「actual」を分解してみていくと、「act」と「al」に分けることができます。
ここでピンときた人もいるかもしれませんが、この単語の語源には「act(行動)」が「含まれているのです。
「行動」というのは、実際に行った(動いた)ことを指すため、そこから「act(行動)」→「actual(実際の)」→「actually(実際に)」とつながっていきます。
actuallyと意味が似ている単語
最後は、「actually」と意味が似ている単語について紹介していきます。序盤で紹介したように「actually」には大きく分けて4つの意味があります。
それぞれについて、意味が似ている単語を紹介するとともに、その使い方にも注目していきましょう。
意味が似ている単語その①「本当に、実際に」
まずは「本当に、実際に」の意味で使われる際の似ている単語ですが、こちらは「really(本当に)」が相当します。
こちらの単語は「actually」と同じく副詞であるため、同様の用法で使うことが可能です。
意味の違いもほとんどないため、言いやすさで選んでもらって構いません。しかし、当然ながら他の意味での「actually」には代用はできませんのでご注意ください。
意味が似ている単語その②「意外なことに、実際は」
続いては逆接の意味で使う場合ですが、こちらは「in fact(実際は、)」が似ている語として挙げられます。しかし、こちらは単語ではなく連語である点はご了承ください。
さらに、こちらは副詞ではないため、文中や文末で使用することはできません。もし「actually」の代用として使用する場合は、文頭で使うと自然な使い回しになります。
また、この「in fact」ですが、必ずしも逆接でしか使えないわけではなく、①の意味でも使用することが可能です。
意味が似ている単語その③「本当は」
こちらはピッタリの類義語はないのですが、最も近しい意味として「honestly(本当のことを言うと)」が当てはまるかと思います。
「honestly」の場合は、「今まで秘密にしていたけれど実は」というニュアンスが含まれており、一方で「actually」の場合は秘密にしていたかどうかは関係なく初めて言うということをニュアンスに含めるため、そこが少し意味合いに乖離があります。
しかし基本的には「honestly」とほぼ同義であり、また同じ副詞であるため、代用可能となります。
意味が似ている単語その④「やっぱり」
最後は「やっぱり」の意味で使用する際の「actually」に似ている単語ですが、それは「On second thought」です。
今まで紹介してきた類義語と比較すると少し難しくなりますが、最も近い類義語はこちらになるかと思います。
これは先ほどの「in fact」と同様に副詞ではなく連語となるため、文頭で使用しましょう。
しかし、正直なところ、この「On second thought」は少し長くて使いづらいため、口語ではあまり用いられません。チャットや口語では「actually」が適格であると思われますので、「actually」だけ覚えていれば問題ありません。
まとめ
今回は、「actually」の意味や使い方、発音などについて紹介してきました。
冒頭でも述べたように、この「actually」はネイティブスピーカーが口癖のように使用する単語の一つであるため、本当に良く出会うかと思います。
しかし一方でそれだけ多用できるが故に正しい使い方が分かりにくいというのも事実であるため、英語を学習するにあたってこの「actually」を使いこなすだけで、周りと少し差をつけることができるはずです。
今回この記事で学んだことをぜひ実践で使ってみて、英会話のレベルを一つ上げてもらえると幸いです。
「actually」を使いこなして英会話のレベルをひとつあげましょう!
ライター(詳しいプロフィールを見る)
10歳までをフィリピンで過ごした英語と日本語のバイリンガル。優れた英会話力を活かし、初心者が抱く英語の疑問を解消する「ペラペラ英語塾」の記事を担当。また、英会話スクールやオンライン英会話、英会話カフェ等を体験してのレビュー記事も担当しており、体験したサービスの数は30以上を数える。
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