慶應義塾大学文学部英米文学専攻卒業。関東・東海地方の複数の予備校を経て、リクルートが主催するネット講義サービス「スタディサプリ」で教鞭をとる。「英文読解」の講座は年間25万人が受講する超人気講座となっている。『肘井学の作文のための英文法が面白いほどわかる本』、『語源とマンガで英単語が面白いほど覚えられる本』をはじめ著書も多数執筆。
英語で「返事をする」を表す表現で、answerとreplyという2つの単語があります。どちらも中学で習う簡単な英単語ですが、この2つの異なるニュアンスの違いを理解していない人が多くみられます。
例えば、「大きな声で答えなさい」を英語で言いたい場合、以下2つのどちらが正しいかわかりますか?
- Answer in a loud voice.
- Reply in a loud voice.
正解は1の「Answer in a loud voice.」です。
answerは、質問・命令・呼びかけ・要求などに”応じる答え”を意味する最も一般的で、replyより口語的な言葉です。
replyは、質問や要求などに対して考慮を払った上で「返事をする」もしくは「返答をする」という意味で、answerより堅い言葉です。
今回の例文では、「答えなさい」と命令形で言っており、口語体なのでanswerを使う方が適切です。
replyはanswerに比べてややフォーマルな表現で、”考えてから返事をする”というニュアンスで使われることが多いのでここで使うと意味が伝わりづらくなってしまいます。
このように同じ意味を持つ単語でも、それぞれに異なるニュアンスがあるのでしっかり理解して正しく使い分ける必要があります。
今回は、そんな日本人にとって紛らわしいanswerとreplyの違いを説明するとともに、正しい使い方についてもレッスンしていきましょう。
また、answerとreply以外の「返事をする」という表現に似ている英単語についても、いくつかご紹介していきます。
answerとreplyの違い
answerは、人・質問・命令・呼びかけ・要求などに応じて答えることを意味します。一般的な回答の意味で幅広く使われる表現です。また、「電話に出る」などの日常的な行為としても使うことができます。
replyは、質問・要求・メール・手紙などに(考えてから)返事をすることを意味します。answerに比べてよりフォーマルで堅い表現になります。
answerの使い方
answerの使い方について、例文を使って説明します。
彼女の質問になぜ答えないのですか?
この質問に答えてごらんなさい。
電話に出てちょうだい。
replyの使い方
replyの使い方について、例文を使って説明します。
彼女の質問書に回答をお願いします。
彼女は1時間以内に手紙の返事をするようにした。
あなたは何と返事をしたのですか?
理解度チェックテスト
それではここで、answerとreplyを正しく使い分けることができるかいくつかテストをしましょう。
英文の中の(カッコ)には、answerかreplyのどちらかが入ります。正しいと思うものを入れてみてください。
答えは記事の最後にあります。
- I’m not sure how I should ( )to his email.
彼のメールに対してどう返事をすれば良いのかわかりません。 - I couldn’t understand the ( ).
その回答が理解できませんでした。 - Do you know the ( )to the question?
あの問題の答えを知っていますか? - Can somebody ( ) me ?
誰か答えてくれませんか? - Please give me a ( )to email.
メールでのお返事を下さい。
「答える」を表すその他の英単語
「返事をする」を表す単語には、answerとreply以外にもあります。それらの単語がどのように使われるのか、例文を使って説明します。
respond
respondは、返答・回答・応答・反応・対応をするなどといった意味です。answerより堅く、replyに近い表現です。ビジネスメールや問い合わせなどのシーンでも使われる表現です。以下のように使われます。
retort
retortは、言い返すという意味です。相手の意見や批判などに対して(言い返して)答える場合に使われます。以下のように使われます。
まとめ
今回はanswerとreplyの違いやそれ以外の「返事をする」という単語についてもご紹介してきました。
以下、おさらいです。
- answer=人・質問・命令・呼びかけ・要求などに応じて答えること
- reply=質問・要求・メール・手紙などに(考えてから)返事をすること
それぞれの異なるニュアンスを理解し、正しく使い分けることで、自分の言いたいことがより伝わりやすくなります。
前項の例文などを使って、練習をしながら感覚を身につけていきましょう。
テストの答え
- reply
メールに対しての返事を考えた上で「どう返せば良いのか」と表しているのでreplyを使います。 - reply/answer
口頭で回答をした場合はanswer、文章的なものであればreplyを使ったほうが伝わりやすくなります。 - answer
問題に対する答えなので、はanswerを使います。 - answer
呼びかけに対して誰かの返事を求めている場合はanswerが適切です。 - reply
メールなどの文章的なものにはreplyが適切です。
ライター(詳しいプロフィールを見る)
10歳までをフィリピンで過ごした英語と日本語のバイリンガル。優れた英会話力を活かし、初心者が抱く英語の疑問を解消する「ペラペラ英語塾」の記事を担当。また、英会話スクールやオンライン英会話、英会話カフェ等を体験してのレビュー記事も担当しており、体験したサービスの数は30以上を数える。
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