慶應義塾大学文学部英米文学専攻卒業。関東・東海地方の複数の予備校を経て、リクルートが主催するネット講義サービス「スタディサプリ」で教鞭をとる。「英文読解」の講座は年間25万人が受講する超人気講座となっている。『肘井学の作文のための英文法が面白いほどわかる本』、『語源とマンガで英単語が面白いほど覚えられる本』をはじめ著書も多数執筆。
英語で「森」を表す表現として、forestとwoodsという2つの単語があります。日本でも馴染みがあり、どちらも良く使われる単語ですが、それぞれの違いを理解していない人が多く見られます。
例えば、「子供の頃、森で友達と駆け回っていた」を英語で言いたい場合、以下2つのどちらが正しいかわかりますか?
- When I was a child, I wandered in the forest with my friends.
- When I was a child, I wandered in the woods with my friends.
正解は2の「When I was a child, I wandered in the woods with my friends.」です。
forestは、樹木に覆われ広大な地域自体を表す場合に使います。woodsはforestよりも規模の小さい森林のことを指し、人が立ち入れるよう小道などが施されている森林を表す場合に使います。
例文の場合「子供の頃に駆け回っていた」と言っているので子供が入っても危険ではない、公園のようになっている森林だということが予想出来ます。したがってここでは「woods」を使うのが適切です。
基本的にどちらを使っても間違いではないですが、それぞれの持つニュアンスを理解して使い分けられるようになることで情景描写をより明確にすることができます。
今回は、日本人が意外と知らないforestとwoodsの違いを説明するとともに、正しい使い方についてもレッスンしていきましょう。
また、forestとwoods以外の「森林」という意味に似ている単語についてもいくつかご紹介していきます。
forestとwoodsの違い
forestは、人が立ち寄ることは出来ない広大な森林地帯を指します。人里離れていて、野生動物も住んでいるので危険です。自然が生み出したそのままの、木に覆われた地域を基本的には指します。
woodsは、人が基本的に立ち寄れる小さな森を指します。小道があって、森林浴をしたりハイキングをしたりすることが出来ます。人工的に作られた、自然に触れ合える公園のようなイメージです。
forestの使い方
forestの使い方について、例文を使って説明します。
マイケルは森林監視員になる決心をしています。
もう二度とあの森に行ってはいけません。
昨夜、オレゴン州のシウスワフ国有林で大火災が発生しました。
woodsの使い方
woodsの使い方について、例文を使って説明します。
彼女は小さい頃、森の中を友達と駆け回りました。
小さな森を犬と一緒に朝散歩するのが最近の日課です。
今週末、学校の近くの森にハイキングしに行こうよ。
使い分けの感覚を掴むコツ
使い分けのコツは、人が何か軽いアクティビティを森でやっている様子を描写するなら“woods”を使います。
森林火災が起きたり、狩猟をするのは“forest”です。
人が入るための施しがある場合は“woods”、そういった施しがなく、自然生み出したままの広大な木に覆われた地域は“forest”となります。
理解度チェックテスト
それではここで、forestとwoodsを正しく使い分けることができるかいくつかテストをしましょう。
英文の中の(カッコ)には、forestとwoodsのどちらかが入ります。正しいと思うものを入れてみてください。
答えは記事の最後にあります。
- She had lunch in the ( ).
- Tongass National ( ) is the largest ( ) in the United States.
- I went hiking in the ( ).
- The children wandered in the ( ).
- They tried to collect wood from the ( ).
「森」を表すその他の英単語
「森」を表す単語は、 forestとwoods以外にもあります。それらの単語がどのように使われるのか、例文を使って説明します。
jungle
forestとは規模的に見ると同じですが、熱帯雨林なので暑くて湿度の高い森林を指します。forestは、隙間を通り抜けできるタイプの樹木で一帯を覆われていますが、jungleは隙間を通り抜けることも前に進むことも難しくなるほどに、絡まって生えている樹木で覆われています。
(ロビーはグアテマラのジャングルで迷子になった)
(ジャングルはターザンの中で綺麗に描かれている)
(ジャングルには、たくさんの種類の病原菌のせいで病気にかかるリスクがたくさんある)
grove
“forest”や“woods”よりももっと規模の小さい森林であり、木立や林のことを指します。基本的には、下草が生えていない状態です。
(茂みはレモンの香りでいっぱいだった)
(その山の頂上は、背の高い木で出来た林だった)
(メアリーのお父さんはオレンジの果樹園を所有しています)
まとめ
今回は、forestとwoodsの違いまたはそれ以外の「森林」という表現に似ている単語についてもお話ししてきました。
以下おさらいです。
- forest=人が簡単には立ち入ることの出来ない、木で覆われた広大な地域
- woods=人が入れるように施されている、“forest”よりも基本的に人里に近い場所にある森林
それぞれの意味を理解して使い分けることで、より明確な情景描写をすることが可能になります。前項の例文などで練習をしながら感覚を身につけていきましょう。Good Luck!
テストの答え
- woods
woodsは人が簡単に入れる小さな森を指します。 - forest
国立公園などの自然遺産は広大な地域を指すので、forestが正解です。 - forest
ハイキングは歩く範囲がとても広く比較的標高が低い自然環境下で歩くことを指し、広大な森であることが推測されるのでforestが適切です。 - woods
子供が走り回れるということは、人里から近い場所にあると推測されるのでwoodsが正解です。 - forest
木を採集するなら、広大な森林であるべきなのでforestが正解です。
ライター(詳しいプロフィールを見る)
10歳までをフィリピンで過ごした英語と日本語のバイリンガル。優れた英会話力を活かし、初心者が抱く英語の疑問を解消する「ペラペラ英語塾」の記事を担当。また、英会話スクールやオンライン英会話、英会話カフェ等を体験してのレビュー記事も担当しており、体験したサービスの数は30以上を数える。
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