慶應義塾大学文学部英米文学専攻卒業。関東・東海地方の複数の予備校を経て、リクルートが主催するネット講義サービス「スタディサプリ」で教鞭をとる。「英文読解」の講座は年間25万人が受講する超人気講座となっている。『肘井学の作文のための英文法が面白いほどわかる本』、『語源とマンガで英単語が面白いほど覚えられる本』をはじめ著書も多数執筆。
英語で「努力」を表す表現として、effort とendeavor という2つの単語があります。
どちらも何かに打ち込んでいる姿勢を表す言葉として使われますが、それぞれの違いを理解していない人が多く見られます。
例えば、「彼はテストに受かるために努力した」を英語で言いたい場合、以下2つのどちらが正しいかわかりますか?
- He made an effort to pass the exam.
- He made his endeavor to pass the exam.
正解は1の「He made an effort to pass the exam.」です。
effortは、短期的な努力、例えば試験や夏休みだけのバイトなどで成果を出すために頑張ったことを言い表す場合に使います。
一方、endeavorはeffortよりももっとフォーマル言い方であり、長期的な努力を指すときに使います。
例文の場合「彼はテストに受かるために努力した」と言っているのでテスト期間という限定された時間の枠の中での努力ということが予想出来ます。
したがってここでは「effort」を使うのが適切です。
基本的にどちらを使っても間違いではないですが、それぞれの持つニュアンスを理解して覚えておくことで、カジュアルな言い方をしていい場面とそうではないフォーマルな場面で言葉の使い分けられるので恥をかかずに済みます。
今回は、日本人が意外と知らないeffortとendeavorの違いを説明するとともに、正しい使い方についてもレッスンしていきましょう。
また、effortとendeavor以外の「努力」という単語についてもいくつかご紹介していきます。
effortとendeavorの違い
effortは、短い期間やある一定の期間内の間の努力のことを指します。
例えば、入学試験、免許の試験や資格試験、あとは短期バイトやバイトのシフト時間などがそれに当たります。
endeavorは、effortと比べて長期的な頑張りを指します。例えば、起業するための努力や人として強くなるための努力はendeavorを使うことが好ましいです。
effortよりもフォーマルな言い方なので、友達の前や家族の前ではなかなか使いません。
effortの使い方
effortの使い方について、例文を使って説明します。
簡単とはそんなに努力しなくていいという意味です。
このプレゼンテーションのためにどれくらいの努力を注いだの?
彼女は弁護士になるための試験に受かる努力をこんなにした。
endeavorの使い方
endeavorの使い方について、例文を使って説明します。
彼は起業家になるための努力をし続けている。
私たちは君の売上記録を賞賛する。
使い分けの感覚を掴むコツ
比較的、人生の課題のような長期的な努力ではなくて、目先の目標を達成するための努力なら“effort”を使います。
一方、長期的ですぐには解決しなさそうな問題や、達成出来なさそうな大きな問題に立ち向かっている様子を表す時は、”endeavor”を使います。
理解度チェックテスト
それではここで、effortとendeavorを正しく使い分けることができるかいくつかテストをしましょう。
英文の中の(カッコ)には、effortとendeavorのどちらかが入ります。正しいと思うものを入れてみてください。
答えは記事の最後にあります。
- I have to make an ( ) to pass the next driving test.
- He has been making an ( ) into this song which he composed by himself.
- She made an ( ) to finish my work.
- Let’s praise his ( ) for these 14 years to be successful on his business.
- This is my ( ) to collect all of these anime figures.
「努力」を表すその他の英単語
「努力」を表す単語は、effortとendeavor以外にもあります。
それらの単語がどのように使われるのか、例文を使って説明します。
attempt
attemptとは、何かを試してみる、挑戦してみるという意味があります。
例えば、お菓子作りやギターを弾くこと、ダンスなど行動ベースで何かに挑戦するときにattemptを使います。
exertion
こちらは、奮闘や激しい努力を指します。attemptと共通して、行動ベースの努力になります。
例えば、exertionは骨折りの仕事を頑張ったときに使われることが多く、大工や車の修理、配達などが当てはまります。
まとめ
今回は、effortとendeavorの違いとそれ以外の「努力」という単語についてもお話ししてきました。
以下おさらいです。
- effort=短期的な、とある目標達成のためだけの努力。カジュアルな言い方。
- endeavor=長期的な努力。将来や人間的な成長に対する努力のときに使われる。effortよりもフォーマルな言い方。
それぞれの意味を理解して使い分けることで、状況を判断しながら失礼のない言葉を選ぶことが可能になります。
前項の例文などで練習をしながら感覚を身につけていきましょう。Good Luck!
テストの答え
- effort
ドライビングテストは一定期間中の努力なのでeffortがふさわしいです。 - effort
曲作りも一定期間中なのでeffortがふさわしいです。 - effort
- endeavor
ビジネスで成功するのに14年もかけていることがはっきりしているので、これは長期的な努力です。 - effort
アニメのフィギュアを集めるための努力で、一定の期間ですのでeffortがふさわしいです。
ライター(詳しいプロフィールを見る)
10歳までをフィリピンで過ごした英語と日本語のバイリンガル。優れた英会話力を活かし、初心者が抱く英語の疑問を解消する「ペラペラ英語塾」の記事を担当。また、英会話スクールやオンライン英会話、英会話カフェ等を体験してのレビュー記事も担当しており、体験したサービスの数は30以上を数える。
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