慶應義塾大学文学部英米文学専攻卒業。関東・東海地方の複数の予備校を経て、リクルートが主催するネット講義サービス「スタディサプリ」で教鞭をとる。「英文読解」の講座は年間25万人が受講する超人気講座となっている。『肘井学の作文のための英文法が面白いほどわかる本』、『語源とマンガで英単語が面白いほど覚えられる本』をはじめ著書も多数執筆。
英語で「助ける」を表す表現で、saveとhelpという2つの単語があります。どちらも中学英語で習う簡単な英単語ですが、それぞれの少し異なるニュアンスを理解していない人が多く見られます。
例えば「彼女は私の命を助けてくれた」を英語で言いたい場合、以下2つのどちらが正しいかわかりますか?
- She saved my life.
- She helped my life.
正解は1の「She saved my life.」です。
saveは救出するという意味で差し迫った危険や困難から”救う”という場合に使います。
helpは「助ける」という意味ですが、saveの救出行動というよりも”手を貸して助ける”というニュアンスがあります。
ここでhelpを使うと「彼女は私の人生を助けた」という意味に捉えられることもあるのでsaveを使うのが適切です。
このように同じ「助ける」という意味の単語でも、使い方によって意味が変わることがあるので、きちんと理解して正しく使い分ける必要があります。
今回はそんな日本人にとって紛らわしいsaveとhelpの違いを説明するとともに、正しい使い方についてもレッスンしていきましょう。
また、saveやhelp以外の「助ける」という意味に似ている表現についてもいくつかご紹介していきます。
saveとhelpの違い
saveとhelpの違いは、「救う」か「助ける」かです。 saveは、「救う」・「救い出す」・「安全に守る」などといった意味です。
人・もの・財産・環境などを危険や損失から救い出して安全な状態にすることを表します。
例えば、「命を救う」「〇〇をとっておく」「お金を貯める」などの場合にsaveを使います。
helpは、「助ける」「力を貸す」「手伝う」「促進する」「~に役立つ」などといった意味です。
人を危険や困難から助けたり、物事などがうまく運ぶように力を貸すことを表します。
例えば、saveの救出行動に比べ、helpは親切心で助けを与えることに重点を置いています。
saveの使い方
saveの使い方について、例文を使って説明します。
「彼女はいつも私を救ってくれます」
「彼はお金を貯金することを決意しました」
「それを保管してください」
helpの使い方
helpの使い方について、例文を使って説明します。
「私は家事の手伝いをします」
「私はあなたの力になりたいです」
「この本は様々な点であなたのお役に立ちます」
理解度チェックテスト
それではここでsaveとhelpを正しく使い分けることができるか、いくつかテストしましょう。
英文の(カッコ)の中にはsaveかhelpのどちらかが入ります。正しいと思うものを入れてみてください。
答えは記事の最後にあります。
- Please let us know if this ( ). これが役立つかどうかお知らせください。
- Will you ( )wash the dishes? 皿洗いを手伝ってくれますか?
- Can I ( )you? 何かお困りですか?
- Please ( )me from the torture. 私を苦しみから救ってください。
- ( )some of candy for the children. 子供たちのためにいくらかキャンディーを取っておいてください。
「助ける」を表すその他の英単語
「助ける」を表す単語は、saveとhelp以外にもあります。それらの単語がどのように使われるか、例文を使って説明します。
rescue
rescueは、「救出する」という意味です。差し迫った危険から人・物などを組織的かつ迅速に救うことを表します。 以下のように使われます。
assist
assistは、「助ける」「手伝う」「助手となって働く」などといった意味です。主に舞台・会場などの改まった場所や仕事などで使われるフォーマルな表現です。 以下のように使われます。
aid
aidは、「手伝う」「(…を)手助けする」「(…を)援助する」「促進する」などといった意味です。以下のように使われます。
まとめ
今回は、saveとhelpの違いやそれ以外の「助ける」という単語についてご紹介してきました。 おさらいしますと、
- save=「救う」・「救い出す」・「安全に守る」
- help=「助ける」「力を貸す」「手伝う」「促進する」「~に役立つ」
という意味です。 前項の例文などを使って、練習をしながら感覚を身につけていきましょう。
テストの答え
- helps
”役立つ”はhelpを使います。 - help
”手伝い”はhelpを使います。 - help
困っていることを助けようとしている様子を表しているのでhelpを使います。 - save
苦しんでいる人の苦痛を取り去る”救う”はsaveを使います。 - save
”とっておく(保管する)”はsaveを使います。
ライター(詳しいプロフィールを見る)
10歳までをフィリピンで過ごした英語と日本語のバイリンガル。優れた英会話力を活かし、初心者が抱く英語の疑問を解消する「ペラペラ英語塾」の記事を担当。また、英会話スクールやオンライン英会話、英会話カフェ等を体験してのレビュー記事も担当しており、体験したサービスの数は30以上を数える。
最新記事 by 岡田 ティナ (全て見る)
- ネイティブ相手に今日から使える!meanの意味と使い方 - 2020年9月14日
- ネイティブ相手に今日から使える!belowの意味と使い方 - 2020年9月7日
- ネイティブ相手に今日から使える!weirdの意味と使い方 - 2020年8月31日