埼玉県立越谷北高校を卒業後、上智大学文学部英文学科に進む。卒業後は、ガイド通訳士、東進ハイスクール講師、進学の名門・県立浦和高校などを経て現在は作家・文筆業に専念。シリーズ累計70万部突破の「(続)英単語の語源図鑑」、シリーズ40万部突破の「英会話1秒レッスン」、累計10万部突破の「新編集、語源とイラストで一気に覚える英単語」など多数の著作がある。
英語で「割引」を表す場合、discountとreductionの2つの表現があります。どちらもほとんど同じ意味の英単語ですが、この2つを場面に応じて使いこなせていない人が多く見られます。
例えば、「このお店は大幅に値下げをしている」を英語に変換したい場合、以下2つのどちらが正しいかわかりますか?
- This store is offering big price discount.
- This store is offering big price reductions.
正解は2の「This store is offering big price reductions.」です。
reductionは、”割引”という意味でも「値下げ」という表現があります。
この場合であれば、「大幅に(定価より)値段を”下げる”」ことを言っているのでreductionを使うのが適切です。
discountは、”何%”割引しているのかを具体的に求める場合に使う表現なのでここで使用できません。
このように同じ「割引」という意味の単語でも、使い方によって意味がわかりづらくなることがあるので、理解して正しく使い分ける必要があります。
今回は、そんな日本人が意外と知らないdiscountとreductionの違いを説明するとともに、正しい使い方についてもレッスンしていきましょう。
また、discountとreduction以外にも「割引」と言う単語に似ている表現についてもお話ししていきます。
discountとreductionの違い
discountとreductionの違いは、割引しているものが具体的かそうでないかです。
discountは、(割引)値引きをするという意味で、主に何%引いているのかが具体的な場合に使う表現です。
値引きは一時的に商品の値段が定価よりも安くなることを表すので「このパンは〇〇%割引」「このサービス券を提示するだけで合計金額が〇〇%オフ」などのように、値札は変わらずレジで金額が下がる際にdiscountを使います。
一方reductionは、値下げという意味で具体的に何パーセント引いているのかではなく今後ずっと商品の値段を定価より下げて売る(値札の金額が変わる)場合に使う表現です。
例えば、「〇〇%値下げしました!」であれば「この商品の定価価格は〇〇円だったが、これからはずっと何%下げて〇〇円で売る」ことを意味するので、こういった場合はreductionを使います。
discountの使い方
discountの使い方について、例文を使って説明します。
「値引きしてくれませんか?」
「格安航空券を利用しましょう」
「この商品は割引対象外です」
reductionの使い方
reductionの使い方について、例文を使って説明します。
「彼は家賃の値下げを迫りました」
「私はそのコスト削減を実現します」
「給料の引き下げは、不景気の時代によるものでした。」
理解度チェックテスト
それではここで、discountとreductionを正しく使い分けることが出来るか、いくつかテストをしましょう。
英文の中の(カッコ)にはdiscountかreductionのどちらかが入ります。正しいと思うものを入れてみてください。
答えは記事の最後にあります。
- We will propose a cost ( ).
私たちは費用のコスト削減を目指したいです。 - I can’t ( )this any further.
これ以上値引きをすることができません。 - What is your ( )rate?
割引率はどのくらいですか? - Social instability led to a ( )in foreign investment.
社会不安が、海外からの投資の減少に繋がりました。 - I buy that bike at a 20 percent ( ).
私はその自転車を2割引きで買います。
「割引」を表すその他の英単語
「割引」を表す単語はdiscountとreduction以外にもあります。それら英単語がどのように使用されるのか、例文を使って説明します。
bargain price
bargain priceは、見切り値段・特売品などと言った意味です。
以下のように使われます。
reduce
reduceは、(数量・大きさ・程度などの点で)減らす・減少させる・下げるなどと言った意味です。
以下のように使い割れます。
まとめ
今回はdiscountとreductionの違いについてやそれ以外の「割引」についてもお話ししてきました。
以下、おさらいです。
- discount=主に何%引いているのかが具体的な場合に使う
- reduction=今後ずっと商品の値段を定価より下げて売る(値札の金額が変わる)場合に使う
を表します。この使い分けができると、一時的に割引しているのかまたは今後ずっと値段が下がるのかがわかるようになります。
前項の例文などを使って、練習しながら感覚を身につけていきましょう。
テストの答え
- reduction
”コスト削減”は費用や原価を単に減らすことを表すのでreductionを使います。 - discount
”値引き”は定価よりも「安くして欲しい」ことを表すのでdiscountを使います。 - discount
”割引率”は具体的に何%を表すのでdiscountを使います。 - reduction
”投資の減少”はもともと定まった数(金額)の投資を下げることなのでreductionを使います。 - discount
”2割引き”は具体的に何%なのかを表しているのでdiscountを使います。
ライター(詳しいプロフィールを見る)
10歳までをフィリピンで過ごした英語と日本語のバイリンガル。優れた英会話力を活かし、初心者が抱く英語の疑問を解消する「ペラペラ英語塾」の記事を担当。また、英会話スクールやオンライン英会話、英会話カフェ等を体験してのレビュー記事も担当しており、体験したサービスの数は30以上を数える。
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