埼玉県立越谷北高校を卒業後、上智大学文学部英文学科に進む。卒業後は、ガイド通訳士、東進ハイスクール講師、進学の名門・県立浦和高校などを経て現在は作家・文筆業に専念。シリーズ累計70万部突破の「(続)英単語の語源図鑑」、シリーズ40万部突破の「英会話1秒レッスン」、累計10万部突破の「新編集、語源とイラストで一気に覚える英単語」など多数の著作がある。
「正しい」を英語で表す際、correctとrightの2つの表現があります。どちらもほとんど同じ意味で一般的によく使われる単語ですが、この2つの微妙なニュアンスの違いを理解していない人が多く見られます。
例えば、「あなたの名前のスペルはこれで合ってますか?」を英語に変換したい場合、以下2つのどちらが正しいかわかりますか?
- Is this the correct spelling of your name?
- Is this the right spelling of your name ?
正解は1の「Is this the correct spelling of your name?」です。
correctは答えが決まっているもの(答えが一つしかないもの)を表す単語です。したがってこの場合であれば、名前のスペルは決まっている(答えが一つしかない)のでcorrectを使うのが適切です。
rightは決まった一つの答えはないが、「(道徳的に見て・人として)正しい」ことを表すので、ここで使うと聞き方があやふやになり英語表現が成立しなくなります。
このように同じ「正しい」という単語の意味でも、それぞれのニュアンスの微妙な違いがあり、理解して使い分ける必要があります。
今回は、そんな日本人が意外と知らないcorrectとrightの違いを説明するとともに、正しい使い方についてもレッスンしましょう。
また、correctとright以外に「正しい」という単語に似ている表現についてもお話ししていきます。
correctとrightの違い
correctとrightの違いは正しい答えや解釈が決まっているかそうでないかです。
correctは、物事などに誤りがなく正確な答えや解釈が決まっているものに使う「正しい」です。
例えば、計算問題の答え・人や物の名前・地名・国名などを聞かれた場合、答えは決まっている(用意された解答がある)のでcorrectを使います。
一方rightは、(道徳的に・社会的に・人として問題がない)一般的な基準に沿ったものの際に使う表現です。
例えば、人の思考・意見などは、主観的な判断で”一般的な感覚に問題がない”表現を表す際にrightを使います。
correctの使い方
correctの使い方について、例文を使って説明します。
「正しい手順を教えていただけますか?」
「私はその記事を訂正します」
「彼女は正しい英語を話す」
rightの使い方
rightの使い方について、例文を使って説明します。
「全くあなたの言う通りです」
「あなたは正しいかもしれないけど、間違っていると思います」
「ぴったりの場所に来ましたね」
理解度チェックテスト
それではここで、correctとrightを正しく使い分けることが出来るか、いくつかテストをしましょう。
以下の英文の(カッコ)の中にはcorrectかrightのどちらかが入ります。正しいと思うものを入れてみてください。
答えは記事の最後にあります。
- Do what you think is ( ).
正しいと思うことをやってください。 - Please ( )my pronunciation.
私の発音を正しく直してください。 - It is not( )to harbor a criminal.
犯罪者をかくまうのはよくないです。 - Your explanation is absolutely ( ).
あなたの説明は全く正しいです。 - I spent six hours ( )exam papers.
試験を採点するのに、6時間かかってしまいました。
「正しい」を表すその他の英単語
「正しい」を表す単語は、correctとright以外にもあります。それらの英単語がどのように使用されるのか、例文を使って説明します。
accurate
accurateは、(極めて細かい点にまで注意が行き届いている程)正確という意味です。
以下のように使われます。
true
trueは、(現実の物事が)正しい・偽りのない・本当の・真実のなどと言った意味です。
以下のように使われます。
exact
exactは、(計って、誤りがなく)正確な・厳重な・厳格な・的確ななどと言った意味です。
以下のように使われます。
precise
preciseは、精密な・規則通りの・几帳面な・明確ななどと言いたい意味です。
以下のように使われます。
まとめ
今回は、correctとrightの違いやそれ以外の「正しい」という意味の単語についてもご紹介してきました。
おさらいしますと、
- correct=正確な答えや解釈が決まっているもの
- right=一般的な感覚に問題がないもの
を表します。これらを理解して正しく使い分けることで、自分の言いたいことがより伝わりやすくなりますし、相手の言いたいこともより理解できるようになります。
前項の例文などを使って、練習しながら感覚を身につけていきましょう。
テストの答え
- right
”正しいと思うこと”は決まった正解はなく”自分の判断”で正しいと思うことを表すのでrightを使います。 - correct
”発音を正しく直して”は決まった発音(答え)があるのでcorrectを使います。 - right
”よくない”は人の基準として(道徳的に見て)「正しくない」事を表すのでrightを使います。 - right
”説明”は人それぞれの方法があり、それを”主観的に判断”して正しいと言っているのでrightを使います。 - correcting
”試験”は用意された解答があるのでcorrectを使います。
ライター(詳しいプロフィールを見る)
10歳までをフィリピンで過ごした英語と日本語のバイリンガル。優れた英会話力を活かし、初心者が抱く英語の疑問を解消する「ペラペラ英語塾」の記事を担当。また、英会話スクールやオンライン英会話、英会話カフェ等を体験してのレビュー記事も担当しており、体験したサービスの数は30以上を数える。
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