埼玉県立越谷北高校を卒業後、上智大学文学部英文学科に進む。卒業後は、ガイド通訳士、東進ハイスクール講師、進学の名門・県立浦和高校などを経て現在は作家・文筆業に専念。シリーズ累計70万部突破の「(続)英単語の語源図鑑」、シリーズ40万部突破の「英会話1秒レッスン」、累計10万部突破の「新編集、語源とイラストで一気に覚える英単語」など多数の著作がある。
英語で「大きい」と表す際、bigとlargeという単語を使います。どちらもほとんど同じ意味ですが、これらを場面に応じて使いこなせていない人が多く見られます。
例えば、銭湯などの「大浴場」を表す際、以下2つのどちらが正しいかわかりますか?
- Large public bath
- Big public bath
正解は、1の「Large public bath」です。
Largeは他と比べて大きいこと、つまり客観的に見た物理的に大きいことを表し、「一般的なサイズよりも大きな浴場」なので、a large public bathです。
一方、bigは主観的に見た大きさです。a big public bathも可能な表現ですが、こちらは今まで見てきた通常の大浴場よりも自分が大きいと感じた場合に使います。
このように、同じ「大きい」という意味の単語でも、ちょっとしたニュアンスの違いを理解して使い分けなければ、自分の言いたいことが正確に伝わらなくなってしまいます。
今回は、そんな日本人が意外と知らないbigとlargeの違いを説明するとともに、正しい使い方についてもレッスンしていきましょう。
また、bigとlarge以外にも「大きい」という単語に似ている表現についてもお話ししていきます。
bigとlargeの違い
bigとlargeの違いは、他と比較した時の客観的な大きさと感情を込めた主観的な大きさにあります。
bigは、個人の主観に基づく判断で決められた「大きい」ものを表します。
例えば、「These are big pants」という文であれば、”自分が大きいと感じている”ことを表すので「このパンツは、(自分にとって)大きい」となります。
bigは主観に基づいたサイズ・規模・重要度・存在などの大きさを表す際に使用されます。
一方largeは、SMLのサイズがあるように、客観的な基準による大きさです。先ほどの例文をlargeと置き換えた場合、「Lサイズのパンツ」の意味になります。
largeは主にサイズや面積を表す際に使用されます。
bigの使い方
bigの使い方について、例文を使って説明します。
「このボールはとても大きいです」
「一番欲しいものは何ですか?」
「これはあなたにとって大きなチャンスです」
largeの使い方
largeの使い方について、例文を使って説明します。
喫茶店などで「コーラのLサイズをお願いします。」
「私は大盛りのご飯を食べました」
「彼女は宝くじで大金を当てました」
使い分けの感覚を掴むコツ
bigとlargeの使い分けの感覚を掴むコツとして相応しい例文があります。
This pair of shoes is a size larger,and it is big for me
例文の意味は「この靴は1サイズ大きい為、私にとって大きい」です。
一つの文章に「大きい」という単語が二つ入ってますが、一つ目は靴の”サイズ”(基準で定められているもの)を表すのでlargeを使うのが適切です。
二つ目は、”私にとって”(主観的)大きいことを表すのでbigを使います。
※「larger」は”large”の比較級です。(~サイズ(よりも)大きい)
理解度チェックテスト
それではここで、bigとlargeを正しく使い分けることが出来るか、いくつかテストをしましょう。
以下の英文の(カッコ)の中にはbigかlargeのどちらかが入ります。正しいと思うものを入れてみてください。
答えは記事の最後にあります。
- Global warming is a( )problem in Japan.
日本では、温暖化は重大な問題です。 - She made a ( )mistake.
彼女は大きな失敗をしました。 - My mother is ( )in Japan.
私の母は日本で有名人です。 - The company expanded into a ( )enterprise.
その会社は、規模を拡大して大企業になりました。 - She want a ( )size of this black T-shirt.
彼女はこの黒いTシャツのLサイズを欲しがっている。
「大きい」と表すその他の英単語
「大きい」を表す英単語はbigとlarge以外にもあります。その単語がどのように使用されるのか、例文を使って紹介します。
huge
hugeは、巨大という意味です。「大きい」という意味に比べ、主観的に感動・驚きの感情が含まれる場合に使われます。以下のように使われます。
grand
grandは、壮大・雄大・盛大などといった意味です。以下のように使われます。
gigantic
giganticは、巨大な・膨大な・巨人のような、などといった意味です。以下のように使われます。
enormous
enormousは、巨大な・莫大な・ずば抜けたなどといった意味です。以下のように使われます。
humongous
humongousは、馬鹿でかい・途方もないなどといった意味です。以下のように使われます。
まとめ
今回は、bigとlargeの違いやそれ以外の「大きい」という意味の単語についてもご紹介してきました。
以下、おさらいです。
- big=個人の主観的な判断で決められる「大きい」もの
- large=他と比べて客観的に「大きい」もの
を表します。これらの使い分けができると、その「大きさ」はどのように大きいのかを具体的に伝えられるようになります。
前項の例文などを使って、練習しながら感覚を身につけていきましょう。
テストの答え
- big
”重大な”は測れないのでここではbigを使います。 - big
”大きな失敗”は主観的な判断基準なのでbigを使います。 - big
”有名人(大物)”は、bigと表すのでlargeは使えません。 - large
company(企業)で大小を表す場合はbigまたはlargeのどちらも使えるが、enterpriseは客観的な規模の大きさを表すのでlargeしか使えません。 - large
サイズを言っているのでlargeを使います。
ライター(詳しいプロフィールを見る)
10歳までをフィリピンで過ごした英語と日本語のバイリンガル。優れた英会話力を活かし、初心者が抱く英語の疑問を解消する「ペラペラ英語塾」の記事を担当。また、英会話スクールやオンライン英会話、英会話カフェ等を体験してのレビュー記事も担当しており、体験したサービスの数は30以上を数える。
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