慶應義塾大学文学部英米文学専攻卒業。関東・東海地方の複数の予備校を経て、リクルートが主催するネット講義サービス「スタディサプリ」で教鞭をとる。「英文読解」の講座は年間25万人が受講する超人気講座となっている。『肘井学の作文のための英文法が面白いほどわかる本』、『語源とマンガで英単語が面白いほど覚えられる本』をはじめ著書も多数執筆。
英語で「落ちる」を表す表現で、dropとfallという単語があります。どちらも中学英語で習う簡単な単語ですが、これらの大まかな違いを理解していない人が多く見られます。
例えば「私は階段から落ちました」を英語で言いたい場合、以下2つのどちらが正しいかわかりますか?
- I dropped from the stairs.
- I fell down the stairs.
正解は2の「I fell(fallの過去形) down the stairs.」です。
fallは「落ちる」という意味でも「人が転ぶ」や「物が倒れる」などと言った場合に使います。
dropは「物が(急に)落ちる」という場合に使う表現です。この例文であれば、”私(人)”が落ちたと言っているのでfell(fallの過去形)を使うのが適切です。
このように同じ「落ちる」という意味を持つ単語でもそれぞれに異なるニュアンスがあるので、理解して正しく使い分ける必要があります。
今回は、そんな日本人にとってわかりづらいdropとfallの違いを説明するとともに正しい使い方についてもレッスンしていきましょう。
また、dropとfall以外にも「落ちる」という表現に似ている単語についてもご紹介していきます。
dropとfallの違い
dropとfallの違いは、それぞれの「落ち方」のイメージです。
dropは、「落ちる」「降りる」などといった意味です。”物が直線的に真下に落ちる”という表現の際に使います。
また、動詞として「(物を)落とす」、名詞としては「雨や水などの”しずく”」という意味でも使われます。
fallは、「落ちる」「降る(ふる)」「散る」「垂れる」などと言った意味です。
主に「人が転ぶ」や「物が倒れる」という場合に使われ、“ゆっくり落ちる”イメージです。
dropの使い方
dropの使い方について、例文を使って説明します。
「リンゴが木から落ちました」
「そのお皿を落さないください」
「水は一滴もありませんでした」
fallの使い方
fallの使い方について、例文を使って説明します。
「洗濯物が物干しざおから落ちました」
「再び雨が降りました」
「その古い木は嵐で倒れました」
理解度チェックテスト
それではここで、dropとfallを正しく使い分けることが出来るか、いくつかテストをしましょう。
英文の中の(カッコ)には、dropかfallのどちらかが入ります。正しいと思うものを入れてみてください。
答えは記事の最後にあります。
- Night began to ( )on the village.
夜のとばりが村に降り始めた。 - A large number of buildings ( ) in the earthquake.
多くの建物がその地震で倒壊しました。 - The sweat ( )from her chin.
彼女の顎(あご)から汗がしたたり落ちました。 - He ( )some whisky in his tea.
彼は紅茶にウィスキーをたらします。 - Be careful not to ( )!
転ばないように気を付けて!
「落ちる」を表すその他の英単語
「落ちる」を表す単語は、dropとfall以外にもあります。それらの単語がどのように使われるのか、例文を使って説明します。
go down
go downは、「落ちる」「下がる」「沈む」などといった意味です。 以下のように使われます。
diminish
diminishは、(数量・価値・力などが)落ちる・哀える・減少する・下落する・小さくなるなどといった意味です。 以下のように使われます。
まとめ
dropとfallの違いやそれ以外の「落ちる」という単語についてもご紹介してきました。 以下、おさらいです。
- drop=”物が直線的に真下に落ちる”
- fall=「人が転ぶ」や「物が倒れる」
を表す際に使う「落ちる」です。 前項の例文などを使って、練習しながら感覚を身につけていきましょう。
テストの答え
- fall
- fell
”倒壊”は倒れるということなのでfallを使います。 - dropped
”汗がしたたり落ちる”は汗が”垂れる”ということなのでdropを使います。 - dropped
- fall
ライター(詳しいプロフィールを見る)
10歳までをフィリピンで過ごした英語と日本語のバイリンガル。優れた英会話力を活かし、初心者が抱く英語の疑問を解消する「ペラペラ英語塾」の記事を担当。また、英会話スクールやオンライン英会話、英会話カフェ等を体験してのレビュー記事も担当しており、体験したサービスの数は30以上を数える。
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