埼玉県立越谷北高校を卒業後、上智大学文学部英文学科に進む。卒業後は、ガイド通訳士、東進ハイスクール講師、進学の名門・県立浦和高校などを経て現在は作家・文筆業に専念。シリーズ累計70万部突破の「(続)英単語の語源図鑑」、シリーズ40万部突破の「英会話1秒レッスン」、累計10万部突破の「新編集、語源とイラストで一気に覚える英単語」など多数の著作がある。
英語で「起こる」を表す際、happenとoccurという単語を使います。どちらも使用頻繁の高い単語ですが、この2つを場面に応じて使いこなせていない人が多く見られます。
例えば、「何が起きているの?」と言いたい場合、以下2つのどちらが正しいかわかりますか?
- What’s happening?
- What’s occurring?
正解は1の「What’s happening?」です。
happen(ing)は、「何が起こったのか」または「これから何が起こるのか」などのような”先がわからない(想像できない)”場合に使います。
occurは、起こっていることが明確にわかっている場合に使う「起こる」なのでここで使うことはできません。
このように同じ「起こる」という意味の言葉でも、使う場面によって英語表現が成立しなくなってしまうものもあるので、理解して正しく使い分ける必要があります。
今回は、そんな日本人にとって紛らわしいhappenとoccurの違いを説明するとともに、正しい使い方についてもレッスンしていきましょう。
また、happenとoccur以外にも英語で「起こる」という単語に似ている表現についてもお話ししていきます。
happenとoccurの違い
happenとoccurの違いは、「起こっている」物事が明確にわかっているかそうでないかです。
happenは、偶然あることが「起こる」や予想していなかったことが「起こる」という意味です。
一方occurは、偶然あることが「起こる」という意味ではhappenに置き換えが可能ですが、happenよりも堅い表現で、主に化学現象や自然現象などの後で使われる傾向があります。
例えば、「地震が起きた」はThe earthquake happened.でもThe earthquake occurred.のどちらも可能ですが、occurが単に事実を述べているだけなのに対して、happenの方が意外性の気持ちが含まれることになります。
happenの使い方
happenの使い方について、例文を使って説明します。
「一体何があったの?」
「何が起こっているのがわからない」
「一体に彼に何が起こったの?」
occurの使い方
occurの使い方について、例文を使って説明します。
「その事故は昨日起こった」
「それは思いもよりませんでした」
「いつ地震が起こるかわからない」
使い分けの感覚を掴むコツ
happenとoccurの感覚の掴み方として相応しい例文があります。
The car accident occurred at night,but she don’t know what happened.
例文の意味は「その自動車事故は夜に起きたが、彼女は何が起こったのかを知らない」です。
一つの文章に「起こる」という単語が2つ入っていますが、一つ目は”自動車事故”を1つの事実として捉えているのでoccurを使います。
二つ目は、”何が起こったのか”がわからないと言っているのでhappenを使います。
理解度チェックテスト
それではここで、happenとoccurを正しく使い分けることが出来るか、いくつかテストしましょう。
以下の英文の(カッコ)の中にはhappenかoccurのどちらかが入ります。正しいと思うものを入れてみてください。
答えは記事の最後にあります。
- That’s the fact that avalanches ( )after mountain fires.
それは山火事の後に「土石流」が発生するということです。 - I had something sad ( ).
悲しいことがありました。 - Traffic accidents are likely to ( )on rainy days.
交通事故は雨の日に起こりやすい。 - Nobody knows what may( )tomorrow.
明日起こることは誰にもわからない。 - I wonder if something interesting won’t ( )…
何か面白いこと起きないかな?
「起こる」を表すその他の英単語
「起こる」を表す英単語はhappenとoccur以外にもあります。それらの英単語がどのように使用されるのか、例文を使って紹介します。
befall
befallは、(良くない事・不幸・災難・異変などが)起こる・降りかかるなどと言った意味です。
以下のように使われます。
coincide
coincideは、(2つのことが同時に)起こる・一致する・符合するなどと言った意味です。
以下のように使われます。
break out
break outは、(火事・戦争・暴動・流行病などが)起こる・突発するなどと言った意味です。
以下のように使われます。
result from
result fromは、(原因・条件・前提などから結果として)生じる・起こるなどと言った意味です。主に”因果関係”などが具体的である場合に使われます。
以下のように使われます。
take place
take placeは、(予定・計画していたことが)起こるという意味です。
以下のように使われます。
incur
incurは、(ある行為の結果として)招く・負う・受ける・起こるなどといった意味です。以下のように使われます。
まとめ
今回は、happenとoccurの違いやそれ以外の「起こる」という意味の単語についてもご紹介してきました。
おさらいしますと、
- happen=予想外のことが「起こる」や明確な内容がわからないことが「起こる」
- occur=1つの事実として、あることが「起こる」
という意味です。これらをきちんと理解することで、「起こる」という言葉を英語で伝える際に、迷うことなく正しく使い分けられるようになります。
前項の例文などを使って、練習しながら感覚を身につけていきましょう。
テストの答え
- occur
”山火事・土石流”のような自然現象が起こるのはoccurです。 - happen
予想外の”悲しいこと”は、何が起きたのかを聞き手がわからないのでhappenを使います。 - occur
雨の日に起こりやすい”交通事故”は、occurです。 - happen
”明日起こること”は、誰にも予想できないことなのでhappenを使います。 - happen
”何か面白いこと”は明確に内容がわからないのでhappenを使います。
ライター(詳しいプロフィールを見る)
10歳までをフィリピンで過ごした英語と日本語のバイリンガル。優れた英会話力を活かし、初心者が抱く英語の疑問を解消する「ペラペラ英語塾」の記事を担当。また、英会話スクールやオンライン英会話、英会話カフェ等を体験してのレビュー記事も担当しており、体験したサービスの数は30以上を数える。
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