埼玉県立越谷北高校を卒業後、上智大学文学部英文学科に進む。卒業後は、ガイド通訳士、東進ハイスクール講師、進学の名門・県立浦和高校などを経て現在は作家・文筆業に専念。シリーズ累計70万部突破の「(続)英単語の語源図鑑」、シリーズ40万部突破の「英会話1秒レッスン」、累計10万部突破の「新編集、語源とイラストで一気に覚える英単語」など多数の著作がある。
英語で「学ぶ」を表す際、learnとstudyという2つの単語を思い浮かべると思います。どちらもほとんど同じ意味ですが、ちょっとしたニュアンスの違いがあることをご存知でしょうか?
例えば、「私は今日、英語を1時間勉強しました」と言いたい場合、以下2つのどちらが正しいかわかりますか?
- I studied English for 1 hour today.
- I learned English for 1 hour today.
正解は1の「I studied English for 1 hour today.」です。
studyは知識や情報を得るために勉強をする「過程」を指します。したがって「勉強しました」は英語を習得しようとしている過程を表すのでstudyを使います。
learnを使ってしまうと、「英語を1時間で習得した」となり”結果”を指すので意味合いが変わってしまいます。
このように、同じ「学ぶ」という意味の単語でも、ニュアンスが少し異なるのできちんと理解して正しく使い分けなければ、自分の言いたいことが正確に伝わりにくくなってしまいます。
今回は、そんな日本人にとって紛らわしいlearnとstudyの違いを説明するとともに、正しい使い方についてもレッスンしていきましょう。
また、learnとstudy以外にも「学ぶ」という単語に似ている表現についてもお話ししていきます。
learnとstudyの違い
learnとstudyの違いは、「学ぶ」においての過程もしくは結果です。
learnは、何らかの技術・知識・またはスキルを身につけた結果を表します。
例えば、「料理を作れるようにならなければいけない」つまり「料理のスキルを習得しないといけない」ということなのでlearnを使います。
一方studyは、何らかの技術・知識・スキルを身につける過程を表します。
例えば、「料理を勉強しています」を言い換えると「料理の仕方(技術)を学んでいる」=”習得過程”であることがわかるのでstudyを使います。
learnの使い方
learnの使い方について、例文を使って説明します
「私は英語を習得したいです」
「人は経験から学びます」
「彼はそれで懲りたでしょう」
studyの使い方
studyの使い方について、例文を使って説明します。
「私は英語の勉強をしています」
「彼は日本の文化と言語を学ぶ為にここに来ました」
「翌日、彼はアメリカに留学しました」
使い分けの感覚を掴むコツ
learnとstudyの使い分けの感覚を掴むコツとして相応しい例文があります。
She studied English in high school but she didn’t learn anything.
例文の意味は「彼女は高校生の時に、学校の授業で英語を勉強したが、何も身についていません」です。
一つの文章に「学ぶ」という意味の単語が2つ入っていますが、一つ目は”学んでいた”という過程を表しているのでstudyを使います。
2つ目の”身についていない”は、結果を表しているのでlearnを使います。
※ studied…studyの過去形
※ didn’t learn…didn’t は過去形の否定文なので後に続くlearnの”身につける”は”身についていません”に変わります。
理解度チェックテスト
それではここで、learnとstudyを正しく使い分けることが出来るか、いくつかテストをしましょう。
以下の英文の(カッコ)の中にはlearnかstudyのどちらかが入ります。正しいと思うものを入れてみてください。
答えは記事の最後にあります。
- I want to ( )abroad.
私は留学に行きたい。 - You should( )how to use it.
あなたは、その使い方を学ぶべきです。 - You should ( )it by rote.
あなたはそれを丸暗記するべきです。 - She ( )Math.
彼女は数学を専攻している。 - She’s having a hard time ( )her student’s names.
彼女は生徒の名前を覚えるのに苦労しています。
「学ぶ」と似ている表現の英単語
「学ぶ」を表す英単語にはlearnとstudy以外にもあります。その単語がどのように使用されるのか、例文を使って説明します。
acquire
acquireは、(努力して、知識・技術力・学力などを)習得する・学ぶ・身につけるなどといった意味です。
以下のように使われます。
schoolwork
schoolworkは、学業という意味です。
以下のように使われます。
まとめ
今回は、learnとstudyの違いやそれ以外の「学ぶ」という意味の単語についてもご紹介してきました。
おさらいしますと、
- learn=何らかの技術・知識・またはスキルを身につけた結果
- study=何らかの技術・知識・スキルを身につける過程
を表します。これらの使い分けができると、「勉強」について会話する際、何かを今勉強している最中なのか、もしくはもう既に身につけたのかがわかりやすく伝えられるようになります。
前項の例文などを使って、studyしながら感覚をlearnしましょう。
テストの答え
- study
留学は、外国に長期間とどまって”勉学”をする「過程」を表すのでstudyを使います。 - learn
学ぶべきは、もうすでに”身についている”状態(結果)を表すのでlearnを使います。 - learn
暗記するべきは、もうすでに”身についている”状態(結果)を表すのでlearnを使います。 - studies
専攻しているは、”勉強している”状態(過程)を表すのでstudyを使います。 - learning
名前を覚えるのは、勉強をすることでなく”覚えること(身につける)”なのでlearnを使います。
ライター(詳しいプロフィールを見る)
10歳までをフィリピンで過ごした英語と日本語のバイリンガル。優れた英会話力を活かし、初心者が抱く英語の疑問を解消する「ペラペラ英語塾」の記事を担当。また、英会話スクールやオンライン英会話、英会話カフェ等を体験してのレビュー記事も担当しており、体験したサービスの数は30以上を数える。
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